「してんビンゴ」とは
してんビンゴは慶応義塾大学SFC モバイル・メソッド内で考案されたアイデアである。
誰かの視点をビンゴカードにまとめることで、他の人がそれを持って街を歩けば、カードを作った人の視点で街を見ることができるという仕組み。
たとえば「壁の表面ビンゴ」ならばレンガ調、コンクリ打ちっぱなし、木、など。ビンゴシートに描かれた25種類の柄(真ん中をフリーにすると24種類)を見つけながら街を歩くことで、ビンゴシートを作った人の視点を追体験することができる。
これは面白そうだ。
今回は三度の飯より街歩きが好きなライターみんなで、実際に渋谷の街を歩いて、してんビンゴを作ってみた。
このメンバーで、まずはそれぞれの「してんビンゴ」のテーマを決めようと渋谷の街を歩いてみることにした。
歩き始めて5歩目くらいでライター石井さんが立ち止まる。
石井:「ビルの隙間のふさぎ方ビンゴ」なんてのはどうでしょう。
たしかに都会のビルは隙間なく建てられているので、うかつに人が入り込んでしまわないよう、ふさがれていることが多いのだ。そのふさぎ方を25種類集めるというのか。都会の影の部分にフィーチャーしたナイスしてんである。
西村:禁止看板はいくらでも見つかりますね。
伊藤:禁止されてるけど出てきちゃってるサインもありますよね。
林:禁止だけだと窮屈な視点になっちゃいそうなので「許可と禁止」みたいなくくりだとどうですかね。
「してんビンゴ」はテーマの決め方ひとつで街の見え方が変わってくるのだ。
伊藤さんが立ち止まる。
伊藤:土嚢とか工事現場の仮止めとかって、つまり現場で工夫された結果だと思うんです。「ちょっとした工夫」みたいなテーマでもしてんビンゴできないですかね。
日常的に撮り溜めているものが抜群に多いのが伊藤さんだろう。これまでにデイリーでもポラードや旅先ドライヤー、捨てられたタンスに貼られたシールを集めた成果を発表したりしている。
西村:地名はどうですかね。ここは渋谷だから渋谷以外で。
街歩きが好きなメンバーに声をかけたということもあるのだけれど、何か一つテーマを決めて外を歩いてみると、意外とそれだけで散歩がはかどることがわかった。テーマは本当に目についたものなんでもいいのだ。
街を歩けばテーマらしきものはすぐに見つかる。でもいざそのテーマで24種類探そうとすると、これがなかなか難しかったりする。
いったん会社に帰って、それぞれが撮ってきた写真を見ながら自分の「してんビンゴ」のテーマを決めることにした。
・動物が描かれた看板
・体の部位
・都道府県の名前
・目隠しされたもの などなど
一週間後
ここで決めたテーマをもってそれぞれ1週間街を歩いてもらい、その間に撮りだめた写真でビンゴシートを作ってみた。
それが次のページである。