特集 2019年12月13日

サメ映画のすすめ

サメ映画。

サメが出てくる映画が好きでよく見ている。

サメ映画はなんといっても派手だし、ストーリーに複雑な伏線もないので頭を空っぽにして見ることができるのだ。しかもみんなで見ると楽しい。

そんな愛すべきサメ映画について、今回は少しお話させてください。

1975年愛知県生まれ。行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。(動画インタビュー)

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> 個人サイト むかない安藤 Twitter

映画、どれから見たらいいのか問題

僕はサメ映画に限らず映画全般好きなのだけれど、あまり映画を見ない人からは「何から見たらいいのかわからない」と言われることがある。

確かにレンタル屋さんに行けば棚いっぱいに映画が並んでいるし、いまやAmazonプライムやNetflixなど、自宅にいても無限に映画を見られる時代である。どれも見たいような気がするし、どれもさほどでもないような気もする。

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何から手を付けていいやら。

そこでおすすめなのが「見るテーマを決める」方法である。このテーマにそった映画は無条件に見る、と決めておくと迷うことがないのだ。

僕の場合サメが出てくる映画、宇宙の映画、あとニコラスケイジが出てくる映画は見つけたら見るようにしている。

テーマはなんでもいい。ヒッチコックとかスピルバーグとか、監督で絞って見ていってもいいし、キューバとかチベットとか、国で絞ってもいい。自由だ。僕はたまたまそれがサメだっただけである。

テーマを決めても、できればそれだけに固執せず、そこから派生して広げていけたらさらにいいと思う。僕はサメからワニ、ピラニア、シャチ、恐竜など、そちらの方面へと趣味の幅を広げていった。もしくは狭めていった。

なぜいまサメ映画なのか

広い映画の海の中で、なぜ僕がいまサメ映画を推しているのか、それにはいくつか推すべき理由があるのでそこから説明したい。

いまサメ映画を見る理由 その①:詳しい人が少ない

たとえば今からスターウォーズを語ろうとするとたいへんである。周りに詳しいファンがたくさんいるから適当なことは言えないし、彼らと肩を並べるレベルに到達するにはすでに差が付きすぎているのだ。

スポーツなんかでも同じことがいえるだろう。今から始めるならサッカーではなくカバディや吹き矢だと思う。たくさんの人がやっていることは他の人たちに任せておけばいいのだ。

そこでサメ映画である。

偉そうなこと言っている僕だってサメ映画を見始めたのはここ数年、せいぜい2~3年である。そのくらいの差ならば頑張れば追いつけそうな気がしないか。解説本とかもたぶん出ていないから好きなこと言いたい放題である。

いまサメ映画を見る理由 その②:1本が短い

映画というと2時間くらいが標準的だと思う。ブレードランナーなんて3時間近くあったしタイタニックにいたっては3時間を越えていた。長い。

現代人にとって、2時間という時間を一つの映画に捧げるのは難しくなってきていると思うのだ。そんな時間があったら寝たいだろうしスマホを2時間いじらないのも不安だろう。

サメ映画は短い。おおむね90分くらいで終わる。

だいたいサメでそんなに長い時間ひっぱれないのだ。これについては名作と呼ばれる例外もいくつかあるので後述するが、たいていのサメ映画はピチピチ現れてパクパク戦ってサクッと終わる。複雑な伏線とかもないので途中でスマホをいじってもトイレに行っても話についていけなくなることはないだろう。

サメ映画は忙しい現代人にフィットしていると言える。

いまサメ映画を見る理由 その③:翌日にひきずらない

映画によっては見た後、数日間ひきずるタイプのものがある。この前見た「ジョーカー」なんて僕は一週間くらいひきずった。

それはそれでもちろん価値が高いのだけれど、いつもそういう重い映画を見るのは疲れる。毎日食べるなら高級フレンチよりも牛丼ではないか。いや、食べられるのなら高級フレンチだなおれは。

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結局こういうのが美味いのだ。(サプリを使って栄養満点な牛丼を作りたいより)

なんの話をしていたか忘れたぞ。サメだ。サメ映画はたいていサメと人とが戦って最後は人が勝って終わる。人が作っているから当たり前なのだが、単純明快だ。

これがもしもサメが監督をしていたらサメが勝つのかもしれないが、まずないだろうそんなの(書いていてそのプロット今後あり得るかもな、と思った)。

とにかく、もやもやした気分のまま終わるサメ映画を僕は見たことがない。そういう点で、サメ映画はどんな精神状態で見ても不安がないのがいい。

サメ映画の歴史

次に、サメ映画がどのようにして今の地位を築いたのか、もしくは築いていないのかを見ていきたい。

サメ映画と言われてまず思い浮かべるのは1975年に公開されたスピルバーグ監督の名作「ジョーズ」だろう。これを抜きにしてサメ映画は語れない。

 

ジョーズはいくつかの点でこれまでのパニック映画の常識を覆した。

ジョーズのすごいところ その①:長い

先に「サメ映画は短いからいい」と言っていた舌の根も乾かぬうちに長さを褒める。ジョーズは他のパニック映画の常識を無視して2時間以上あるのだ。

ただ、見てもらえばわかると思うが、この2時間はしっかりと身の詰まった2時間である。監督はスピルバーグ(ジョーズ、ET、ジュラシックパークなど)、音楽はジョン・ウィリアムズ(ジョーズ、スターウォーズ、インディアナジョーンズなど)。

当時はカップルがキャーキャーいいながら見るもの、くらいの地位だったパニック映画の認識を、このタッグが根底から覆した。

ジョーズのすごいところ その②:その後のサメ映画のお手本になった

ジョーズを代表とするサメ映画のストーリーはだいたい以下のように進む。

・サメが出る
・人がサメと戦うが歯が立たない
・サメとの戦いを妨害しようとするキャラが現れる
・味方が現れる
・もめてるうちに何人か食べられる
・主人公がサメと戦って勝つ

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たいてい最後は人が勝つ。(川に人食いザメ!?沖縄・国際通りでサメを釣れ!!より)

こうやってひとくくりにすると「メガシャークには結局勝てなかったじゃないか」とか言いだすまじめなサメファンもいるかもしれないが、どこの世界にも例外はあるのだ。多様性を認めない世の中はよくない。

ジョーズが作ったこの基本形を、その後のサメ映画はなんとなく踏襲しながら進化していくことになる。逆に言うと、サメの映画でこれ以外の形が作りにくいのかもしれない。夫の浮気相手を追い詰めたと思ったら革命が起きて混乱に乗じて新しい恋が始まる、みたいな話にはならないだろう、サメは。

次にジョーズから始まるサメ映画の進化について、すこしおさらいしておきたい。

サメ映画の変遷

70年代~80年代 :強い動物vs人間のたたかい

ジョーズに刺激され、その後「強い動物vs人間」という構図の映画がいくつも生まれる。

動物はときに熊だったり野犬だったりシャチだったり、アリや毒グモ、ヘビなんかもことごとく人を襲った。そのへんにいる生きものが人に向かってきたら怖いよね、というリアリティに語りかけるタイプのパニック映画である。

 中でも後に3Dでリメイクされることになる「ピラニア」はジョーズに迫る名作だと思うので、少し見ていて痛いがひるまずに見てほしい。

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僕らの世代はアマゾン川で泳ぐ地主くんを見て「ピラニアに食われるぞ!」と叫ぶだろう。(アマゾンは危険で不便?アマゾンから楽天で買い物をするより)
~90年代前半 :乱立するジョーズへのオマージュ

 その後、大成功をおさめたジョーズに影響を受けた作品が乱立するのだが(なにしろジョーズはそれまで興行収入トップだったゴッドファーザーを抜いたのだ。サメがマフィアを抑えた!)、どれも低予算で作られた小規模なものだった。

ジョーズはスピルバーグが莫大な資金と時間とをかけて執念で作り上げた映画である。それを超えるサメ映画はしばらく出てこなかった。

90年代後半~00年代 :サメ映画の復活

映画界では人間ドラマやSFなんかが人気を博す一方、いったん落ち着いたかに見えたサメ映画がふたたび息を吹き返す。

そのきっかけとなったのは99年に公開されたディープブルーではないだろうか。サメ映画好きの間ではジョーズ以来の傑作登場と騒がれた作品である。のちにリメイク版まで出た。

思うに、ジョーズを見て育った世代が大人になり就職し、映画制作の最前線で活躍しはじめたのではないだろうか。知らんけど。

2010年代前半:バカなサメ映画の黄金期

この時代は愛すべきバカなサメ映画の黄金期といえる。

タコと合体したシャークトパスシリーズをはじめ、回を増すごとに頭の数が増えるダブルヘッドジョーズシリーズ、巨大トルネードが空からサメを降らすシャークネードシリーズ、進化したサメが敵と戦うメガシャークシリーズなどだ。

CG技術の発達と大衆化を背景に、サメには急激な進化が訪れた。このあたりの作品群が僕は好きで、よく見ている。

シャークネードとダブルヘッドジョーズのシリーズについては持っていないとまずいと思いDVDを買い揃えた。後悔はしていない。

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好きな映画は手元に置いておきたいタイプ。

 

2010年代後半 :シリアスなサメ映画の時代

頭を増やせるだけ増やし(6ヘッドジョーズ)、空を飛び(シャークネード)タコと合体し(シャークトパス)メカになり(メガシャークvsメカシャーク)と、やりたい放題だった2010年代前半を経て、サメ映画はふたたびシリアスな路線に舵を切る。

バカなサメ映画の台頭を見て、一定の需要が見込めると考えた大手が資本に物を言わせてまともなサメ映画を作りだしたのかもしれない。

たとえばマッチョな体にいかす顔、ジェイソンステイサムが最終的に素手で古代ザメを倒す映画「MEG」や、ダイビング中の事故によりサメのいる海に沈んだケージから脱出する「海底47m」、家族との思い出のビーチに妹ではなくサメが現れる「ロストバケーション」なんかがこれにあたる。

 令和になった今年は、洪水に見舞われた町に人食いワニがやってくる「クロール」という映画が公開されたが、これもやはりこの樹形の先に位置していると思う。

サメ映画はこの先どう進化していくのだろうか。その未来には期待しかない。 

サメ映画の見かた

これまでに紹介したようなサメ映画は、ぜひ友だちや家族、恋人、仕事仲間など、誰でもいいから人と一緒に見てもらいたい。その方が一人で見るより何倍も面白いからだ。

先日、サメ映画を語る会と称した簡単な体験会をおこなったのだが、参加した人全員が(それは言い過ぎか)サメファンになって帰って行った。

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楽しい会でした(サメ映画について語る会を開催しましたより)

「さっきとサメの大きさが違うじゃないか」「え?歩くの?サメが?」「この人さっきも食べられてなかった?」など、サメ映画はつっこみながら見るのに最適なのだ。ホラー映画によくある「誰が最初にやられるか」を考えながら見るのもいいだろう。

サメ映画の多くが映画館ではなくDVDで売られていたりケーブルテレビなんかで放映されているのも、みんなでわいわい見てほしいからだと思う。

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終わったあとの反応を見て泣いた。

ようこそ!こちら側の世界へ

サメ映画を見たくなった人、ようこそ!今回は紹介しきれなかった映画がまだまだありますよ。

シャークネードのテーマソングを口ずさみながら広い海へ漕ぎだしましょう。ゴーゴーゴーゴーゴゴッゴー、ラナウェイフロムザシャークネード♪

シャークネードのように続編が出るたびに面白くなっていく映画は珍しいと思います。

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