生活に組み込まれたログインボーナス
普段、ビールの買い置きはせず、飲みたいときに都度コンビニやスーパーに買いに行くという生活スタイルをとっている。ネットでケース買いするのがお得で楽ちんだというのはわかっているが、結局飲み過ぎて家計と肝臓に負担をかけることになるし、置き場所も取ってしまう。余剰在庫は悪だと教えられて育ってきたのだ。
ひるがえっていま。
アドベントカレンダーの魅力は、一日の終わりに確実に褒美が待っているという手堅さだ。嫌なことがあってもまずまずな一日でも、最低限、ささやかな楽しみが残されているというのは心強い仕組みだ。これは日常生活に組み込まれたログインボーナス。
ただひとつ残念なことがあるとすれば、現時点ではまだ、どんなビールをどこに入れたのか、割と記憶が残っているということだ。そういう意味でのワクワク感は、ない。射幸性という名の魔物が加わってきたら、さらに恐ろしい遊びになってしまう。
このへんは自分ひとりで企画している以上は限界があるので、もし来年この酔狂に付き合ってくれる人がいたら、交換で中身を贈りあうなどしましょう。
健全な食生活と引き換えに
ただ、この素晴らしいアドベントカレンダーに欠点があるとしたら、やはりこの図体のでかさだ。
スチレンボードの増設部分を含め27×30×45cmという堂々たる体格。身近なもので例えれば、小型タイプのキャリーケース、あるいは電子レンジくらいの物体だと思ってほしい。
とにかく部屋の中で存在感がすごいのだ。高卒1年目ルーキーが2軍で.280打っているくらいの存在感。当然1軍の打撃コーチからの覚えもめでたい(プロ野球の話です)。となればもちろん狭小ワンルームの片隅に行儀よくおさまっていて許されるようなタマじゃないわけです。
ベランダに出すことも検討した。スペースなら十分にあるし、外気温でビールもいくらか冷える。しかし直射日光があたってビールが悪くなるのは嫌だし、そもそも食品を外に出しっぱなしというのも気になる。しばし悩んでいたが結局は、灯台下暗し。収まるべきところに収まった。
いや、おれも最初は無理だと思ったんです。無造作にビールケースを突っ込んだときは惜しくも扉が閉まりきらなかったが、扉裏のサイドポケット(写真右側、よく調味料とか卵とかいれるあたり)を取り外すことでギリギリ収まった。世界一必要ないTipsの一つですが、もし来年ビールケースを丸ごと冷蔵庫に入れようという奇行をご検討中の方がいれば、覚えておいてください。
大人が待ちわびるもの
クリスマスが近づくのを指折り楽しみにするためのアドベントカレンダーだけど、働く大人が真に待ち焦がれる日は、クリスマスよりもすこし早くやってくる。冬の賞与支給日だ。
厚生労働省の調査では、民間企業における2020年冬のボーナス平均支給額が-10.7%、リーマンショック以来の下落率であることが報じられた。ほぼ全ての産業が、厳冬。極寒。大寒波である。でもみんな一年間よくがんばったんだ。おれもよくがんばったんだ。ちょっといいビールで、ささやかに自分をねぎらってやっていいじゃない。
ここまででカレンダーもほぼ折り返し地点。次回。年末年始の準備は待ったなし、一年で最も気忙しい1週間をアドベントカレンダーとともに過ごした記録をお届けする予定です。