銀だこ、王将、コメダ、カラオケ館で食べ放題
まず最初に、今回の「勝手に食べ放題2020」のラインナップはこんな感じだった。
「無理をしなければ満足できる」築地銀だこ ハイボール酒場編(パリッコ)
両面焼きの餃子は熱い 餃子の王将編(江ノ島茂道)
サンドを2つ以上食べると多幸感はんぱない コメダ編(ネッシーあやこ)
カラオケ屋に「食べるために行く」という贅沢 カラオケ館編(いまいずみひとし)
勝手に食べ放題の歴史は2009年に始まったが、いよいよその手がカラオケ館にまで及んだかたち。感慨だ。
勝手に食べ放題をすると支払う金額は3000円~4000円
勝手に食べ放題は勝手に食べまくるだけなので、食べれば食べるほどお金はかかる。
ライターが払った総額を見れば、そのチェーンで気ままに食べるといくらくらいかかるのが見えてくるわけだ。
今回の結果はこんな感じだった。
参加者は20代から40代までさまざま。チェーンのお店の業態やオーダーの傾向にも差(たとえば、パリッコさんのオーダーは半分お酒だ!)があるなかで全体的におおむね3000円~4000円という結果になっているのはかなり面白いのではないか。
食べ放題のない店で制限なく(しかし無理せず)食べまくると、かかる代金はふしぎとだいたい3000円~4000円
誰もが思ったようには食べられない
勝手に食べ放題のもうひとつのキモは「結果的にどれくらい食べられるものなのか?」があぶり出るところだ。
もちろんそれぞれに胃の許容範囲が違うのは当然だが、同じように取り組むことで見えてくるものがある。
「思ったようには食べられない」というのがそれだ。
“銀だこ、こんなにでかかったっけ!?(パリッコ)
“恋人との別れと満腹は突然やってくる。(江ノ島茂道)
“パンは空気ではなかった。(ネッシーあやこ)
それぞれが腹具合の意外性を語っている。
カラオケ館のいまいずみさんだけが唯一、満腹に対して挑戦的だった。
“普段は味わえない度を越した満腹感こそが食べ放題の醍醐味だ。(いまいずみひとし)
カラオケの退室時間にまにあうようにスパートをかけていた。
普通、食べ放題には制限時間が設けられていることが多い。カラオケ館での食べ放題が一般的な食べ放題に近いというのは発見だった。
食べ放題のない店で制限なく(しかし無理せず)食べまくろうとしても、思ったようには量は食べられない。
どう食べ終わるか
退室時間により食べ放題が強制的に終われた、一般的な食べ放題同様制限時間があったのがカラオケ館だった。
では逆に、制限時間が設けられていない、完全に開放された「食べ放題」だった3人はどう食べ終わったのだろう。
各々、満腹感が来たあともできればもっと食べたいという意欲があった。
王将の江ノ島くんは満腹感がやってきたあと
・ミニかに玉
・餃子(6個)
・杏仁豆腐
・バニラアイス
・胡麻団子
この4品を食べていた。デザートでブーストさせる戦術だ。
いっぽうコメダ珈琲のネッシーさんは満腹メーターの上昇を感じてから飲み物を追加オーダー。
・生レモンスカッシュ
喫茶店だからこそできる展開だった。
そしてパリッコさん。たこ焼き8個で完全満腹になるという間違いなく今回の最弱ファイターだった氏だが、酒場ライターとしての底力がうなる。
・レモンサワー
・つぼきゅう
・チューハイ
・カクテキ
そう、食べ放題ではなく、飲み会にしてしまったのだ……! 勝手に食べ放題史上その発想はなかった事件だった。
そういや居酒屋でやる飲み会っていってみれば勝手に食べ放題みたいなものだよね? という気づいてはいけない事実に気づかされた。
「やってみてはいかがでしょうか」と言わざるを得ない
ウェブ記事でいまやすっかり禁忌とされる締めがある。
「やってみてはいかがでしょうか」だ。
しかしデイリーポータルZをやっていると、これはどう考えてもやってみてはいかがかと読者の方にすすめたくもなるものよのと思うことが多い。
勝手に食べ放題がまったくそれなんだ。
勝手に食べ放題のメガネをかければ好きなチェーン店が全店食べ放題実施店になる。なんて幸せな世界だろう。
やってみてはいかがでしょうかと、やるたびにどうしても思う。いかがでしょうか。