ニューロティカ（写真提供：中島たくみ）
ふざけたピエロメイクのおじさんがいますが、今年で結成37年目の超ベテラン・パンクバンド。80～90年代のバンドブームからスカパンクブーム、日本語青春パンクブームなどに次々と乗っかってサバイブしてきたレジェンド。2022年1月3日に初の日本武道館ライブを控えている。
登場人物
アツシ（ボーカル）
結成時からのオリジナルメンバー。ピエロメイクのせいで年齢不詳ですが57歳。ライブがない日は八王子のお菓子屋さん「ふじや」（実家）で店番をしている。
カタル（ベース）
多くの楽曲を手がけているイケメン。物販グッズのデザインも担当。矢沢洋子や私立恵比寿中学などにも楽曲提供している。
ナボ（ドラム）
いかれた髪型をしていますが、気のいいおじさん。映像制作やコラム執筆、時にはタクシーも運転する多彩なドラマー。
リョウ（ギター）
バンド内で一番の若手……といっても40代なのでそんなに若くはない。専門学校でギターの先生もしているそうな。
イベンター（会社員）
今回のニューロティカ日本武道館ライブの制作を担当しているイベント会社の人。会場費を立て替えているため、ある意味、現時点で一番リスクを負っている。
「何でも聞いてよ！」……とは言っているものの、実務的な部分はイベント会社がやっているので、あんまりよく分かってなさそうな空気が
日本武道館でライブをやりたいと思ったら、まず何をどうすればいいんですか？
日本武道館ってライブ会場としてのイメージが強いですけど、あくまで基本は武道やスポーツのための場所です。
だから武道関係者向けの窓口はありますが、ライブは「空いているときに使ってもいいよ」くらいの感覚なんですよ。……ということで、申し込みにはだいぶ色んなハードルがあります。
言われてみれば「武道館」って名前だけど、武道館に武道を見に行ったことないからなー……。
じゃあ、今回のニューロティカのライブではどうやって押さえたんですか？
日本武道館ライブを目標にして動き出したのは2年前なんだけど、個人やバンドレベルでは直接申し込めないんで、イベント会社さんを巻き込んで。そこからも紆余曲折あってねぇ。
いくらこっちが「やりたい」って言ってても簡単にはやれない場所だから。そもそも申し込むためのエントリーチャンスが年1回しかないらしいんだよ。
去年の10月に「この日から受け付けまーす」っていう連絡が急に来たよね。
通常のホールだったら、ライブを開催したい日の1年前から申し込みを受け付けて、申し込みが複数あった場合は抽選……みたいなパターンが多いんです。
でも武道館の場合は、まず優先して武道関係のスケジュールを押さえていって、残った日程をライブなどに割り振ることになります。
その申し込みのチャンスが年1回なんですね。で、申込日が決まった段階で、ある程度、実績のあるイベント会社や放送局に連絡が来るわけです。
はー、その連絡をもらえる会社とつながりがないと、スタートラインにも立てないんだ……。
申し込み開始の連絡が来てから3日くらいしか猶予がないので、イベント会社ではそこから慌てて武道館をやりたいアーティストを探すんですよ。
今回の場合はニューロティカさんから話をいただいていたので、他の何組かのアーティストさんも含めてウチの会社から申し込みをしました。
えっ、めちゃくちゃタイトなスケジュール！ 武道館ライブって一世一代の大舞台なのに、急に連絡が来て3日で決断しなきゃならないんだ！
でもまあ申し込んだところでそうそう選ばれないらしいからね。現実味ないもん。
「やりたいでーす」って手を挙げるだけだから、申し込みだけしとけばいいじゃんって。
当選してから「やっぱやれないよ～」というのは可能なんですか？
可能です。ただ、武道館ってアーティスト単位で申し込みをするんです。
他の会場だったら「Aというアーティストがキャンセルしたら、じゃあ代わりにウチの抱えている若手・Bにやらせてみよう」というのができるけど、武道館だと、Aがキャンセルした日程は、別の会社のアーティストに割り振られることになってしまいます。
なるほどー。イベント会社からすると「せっかく当選したのにもったいない」とはなりますよね。
当選／落選って、抽選で決まるんですか？
抽選ではないです。基準ははっきりしていませんけど、日本武道館でライブをやるのにふさわしいかどうかなど、審査をして選んでいるようです。
ちゃんと、これこれこういうバンドで……という資料や活動年表、ライブ映像も送りましたよ。悪い印象を与えないように無難なところを編集して（笑）。
客席にダイブするのとかは絶対ダメなんで、そういうところはカットしました。
結構激しいライブをやっているので、武道館に嫌われない程度の無難な映像を送ったようです（写真提供：たたみ）
「人気ある／なし」だけじゃなくて、そんな細かい審査をするんだ！ どのくらいの確率で当選できるんですか？
個人的な感覚ではありますけど15％くらいですね。今回、一緒に申し込んだ他のアーティストさんは何組も落とされましたよ。
へー、じゃあニューロティカは武道館のお眼鏡にかなったわけですね。
最近、色んなバンドが「○○周年記念」みたいな感じで武道館をやっているから、「長くやっているバンドにはやらせてあげよう」みたいなノリがあるのかも。
でも来年、結成38周年ですからね。全然「○○周年記念」じゃないんだけど。
2020年の10月に申し込んで、当選の連絡が11月頭くらいに来たのかな？
申し込みするまでは「とりあえず手ぇ挙げとけばいいかー」みたいなノリでも、いざ当選するといきなりリアルな話になってきますよね。
ここではじめてお金の話になるのか。……で、いくらかかるんですか？
もうそんな金額、意味分からないよね。計算できない！
しかも、当選の連絡が来てから1週間以内に会場費を前払いする必要があります。だからそれまでに「やる／やらない」を最終決断しなきゃならないんです。
えええーっ！ 家を建てるくらいの予算でライブをやるかどうかを、1週間のシンキングタイムで決めなきゃならないの……!?
デジカメ買うんでも、もっと時間かけて検討するでしょうに。
でも、逆にそうじゃなかったら決められなかったと思う。1カ月かけてじっくり考えたら、6000万かけたライブなんてやれないよ。こういうのは勢いも大事ですから。
「武道館でやれる」って聞いて、みんな間違いなくテンションは上がってたよね。
当選連絡が来た去年の11月頃って、新型コロナの影響で音楽関係はどうにもならないなという大変な状況だったからね。
そんな中、これほど面白い話題ってないじゃないですか。……正直、「1年経ったらコロナも落ち着いているだろう」という計算もあったんだけど。そこがちょっと甘かったね（笑）。
武道館ライブではお金の問題以上に恐ろしいことが……
えーっと、じゃあその6000万円の内訳を聞きたいんですけど。
6000万というのは平均的な数字をお伝えしたので、設備や装飾をギリギリ押さえると4000万円くらいという感じですね。
いきなり2000万円下がると「安い！」って思っちゃいますね。4000万なのに！
武道館規模でライブをやるとなると、ステージ設営のバイトが60人くらい。ライブ中の警備にも同じくらいの人数が必要なんですね。その他に音響や照明の専門職が必要になりますし、人件費だけで5～600万円。
ステージ周りの資材や機材、制作費で1500万円強。会場費やその他諸々の費用で同じくらい……と考えていくと、やっぱり4000万円くらいはかかってきますね。
ギリギリ抑えて4000万ってことですけど、それだとステージがショボくなっちゃうとか？
うーん4000万円だと、ステージの飾り付けはナシで、小さめなスクリーンに映像を出せるくらいですね。
それでも4000円のチケットを1万枚売ってトントンなのか……厳しいなぁ。
※実際にはチケットを売るプレイガイドへの手数料などもかかってきます
いや、武道館ってキャパが1万人っていうイメージがあると思いますけど、それは剣道や柔道の試合みたいに会場の360度にお客さんを入れた場合なんですよね。
音楽のライブだとステージの真横や後ろにはお客さんを入れられないので、満員入っているように見えても実は8000人くらいなんですよ。1万人入れようと思ったら、アーティストの背中しか見えないような席を作らないとムリです。
満員で8000人だと、もっとチケット代を高くしなきゃですね。ちなみに今回のチケットはいくらなんですか？
6900円。やっぱりオレたちロックだから69（ロック）00円……。
しかも、先行発売では「GoTo武道館だ」とか言って、1000円引きで売っちゃってたからね。何にも考えてないよ。
途中で「安く売りすぎた！」って気付いて、あわてて「逆GoTo」とか言って7900円で売ってみたんだけど……。飛行機チケットってゴールデンウィークになると高くなるでしょ？ ああいう感じで。
そりゃそうでしょ！ ……で、現段階で何枚売れているんですか？
実際問題、コロナの影響もあって、何枚チケットを売っていいのか分からないというのもあるんですよ。
そうか、いきなり「客席を半分にしろ」と言われる可能性もありますもんね。
既に8000枚売ってしまっていたとして、「客席半分」のおふれが出た場合はどうするんですか？
緊急事態宣言が出されて、たとえば5000人までしか入れちゃダメということになったら、3000人はキャンセルしなくちゃなりませんね。
でも、実際にはその3000人をどう選ぶのかが難しいので、いったん全部キャンセルして、もう一度受付をし直すしかないと思います。
わー、大変そう……。
というか、5000人しか入れられない状況だったら、チケットが完売しても赤字なんじゃ……!?
武道館ライブだと、記念ということで物販がかなり売れるんで……そこで黒字にできるんじゃないかと……。
……なんか暗い雰囲気になっちゃいましたが、せっかくの武道館ライブなんで「こんな演出をやりたい」とかないんですか？
あれをやる場合、どれくらい追加料金がかかるんですか？
吊るための機械を1セット用意して100万とか、そんな感じですね。
「1回吊るごとにいくら」じゃないんだ。じゃあ、1台の機械で順番に吊られていけば、みんな飛べるね。
メインのステージ以外に、客席の真ん中にステージがあったりするでしょ。あれをやろうとすると高いの？
ステージ設営費が2倍……まではいかないですけど、それに近い金額はかかりますね。
武道館って演者が下の床に降りちゃダメなんですよ。だから、センターステージに行くまでの花道も作らなきゃならないんで。
メインのステージから1回降りてセンターステージに向かう……みたいなのはダメだと。
ただ、演者さんが神輿のようなものの上に乗って移動するのはオッケーだと言われて、やったことがあります。床に降りさえしなければいいんで。
神輿を担いでいる人は演者扱いじゃないのか!? 結構アバウトだなー。
しかも、そのときは演者さんが神輿から落ちちゃって……。武道館の人に気付かれなかったのでセーフでしたけど、客席に降りて出禁になった人もいますから。
……あ、そうそう、武道館では下ネタ言っちゃマズいんですよ！
えええーっ、ホント!? 下ネタなんていつもMCで言ってるよ。
この間のライブで下ネタ言ったり、腰を卑猥にカクカク動かしたりしてましたけど、あれダメです！ その時点で回っちゃいますよ。
いや、ホントに怖いランプなんですから！
ライブ中、ずっと監視している人がいて、マズいことをやるとランプを回されちゃうんです。
状況にもよりますけど、最悪、ステージの電源を落とされる可能性があります。
客席の一角で見ているんですけど、隣には主催のイベント会社の偉い人が座らされて、マズいことが起こると怒られるんです。
さらに「これはアウト！」ということをやったらランプを回されてライブは中止。おもちゃみたいなランプだけど、本当にものすごく怖い……。
まったく興味のないライブをずーっと監視する人も大変ですねぇ。
ピエロが出てきたら「絶対何かやるだろ！」って警戒されちゃうよねぇ……。
パンクバンドらしく過激なパフォーマンスで回されるならまだしも、くだらない下ネタを言って回されたらホントに恥ずかしいですね。
そうしたら、「いつもよりも多く回してまーす」とか言っちゃって（笑）。
監視員をいじったらもっと怒られるでしょうねー。絶対、そういう冗談が通じない、おかたい人ですよ！
これは初耳だった……聞いておいてよかったよ。絶対、変なこと言ってたと思うもん。
「ロックンロール風俗」っていう曲があるんだけど、演奏しても大丈夫かな？
さすがに歌詞まで検閲されることはないと思いますけど……。
それは申請さえしておけば大丈夫です。火柱を上げることもできますよ。
火柱はオッケーで下ネタNGって、基準が分からないね。
実際の日本武道館ライブはどうなのか、あの人に聞いてみよう
日本武道館でライブをやるのはいろいろと大変そうだということはよく分かりましたけど、そんな困難を乗り越えてでもやりたいくらい、武道館っていい会場なんですか？ 演奏しやすいとか……？
それは分からないよ！ だって、まだ武道館でやったことないんだもん！
ニューロティカに「日本武道館ってどういう会場なのか」を聞いても机上の空論になってしまうので、すでに日本武道館ライブを何回も経験しているこの人に聞いてみることにしました。
大槻ケンヂ
筋肉少女帯、特撮などのバンドで活躍するボーカリストであるとともに、作家、ラジオパーソナリティ、俳優などなど、中学生男子があこがれる活動をだいたいやっているサブカル界のレジェンド。
ちなみにボクは大槻さんの『サブカルで食う』という本などで構成をやらせてもらっています。
リモートで武道館ライブの真実を教えてもらいました（左下はニューロティカ・アツシさんの世を忍ぶ仮の姿）
……ということで、実際の武道館ライブはどんなもんなのか、単独で5回、イベントなども含めると何回も武道館を経験している大槻さんに教えてもらいたいと思います。
はじめて武道館をやったのは、パブリック・イメージ・リミテッドというバンドの前座だったんですよね。
実はその話が来たとき、「よく分からない組み合わせだなー」と思って断ったんですよ。でもある日、新聞を広げたら広告が打たれていて「アレッ、断ったのに!?」って。戸惑った気持ちのままの初・武道館でしたね。
※パブリック・イメージ・リミテッド：元祖パンクバンド「セックス・ピストルズ」のボーカルだったジョン・ライドン率いるバンド。確かにハードロック色の強かった筋肉少女帯との食い合わせは悪そう。問題の武道館ライブは1989年
断ったって……武道館に対しての憧れはなかったんですか？
なかったですね、全然。行ったこともなかったから、武道館がどこにあるのかも知らなかったですもん。
だって渋谷や新宿ならともかく、九段下なんて行かないでしょ、普段。
それに、当時のボクは「武道館幻想」みたいなものを小馬鹿にするようなシニカルな立ち位置だったから。「武道館でやれる〜！」なんてはしゃいでいたらナゴム魂に反すると思ってたんで。
※ナゴム：筋肉少女帯が過去に所属していたインディーズレーベル「ナゴムレコード」のこと。 有頂天やたま、人生（電気グルーヴの前身バンド）など、世の中を斜めに見ていそうな人たちが多数所属していた。
実際、武道館ライブをやってみての感想はどうだったんですか？
最初やったときは戸惑いばかりで何も印象に残らなかったですけど、その後、何回か単独公演をやっていく中で「やりやすい会場だな」と思うようになりました。
確かに会場は広いんだけど、全方向からお客さんに囲まれているような感覚で。2階席の傾斜がきついから、ステージから見ると本当に客席が近く感じて、ライブハウスっぽい感覚なんですよ。
みんなそう言うよね。でもそんなに客席が近かったら、逆に緊張しちゃいそうだけどな……。
あと、ステージがやたら広いので、右に左に走り回るとすごくバテます。
ステージの雰囲気がライブハウスっぽいから、ついつい走っちゃうんだけど、「あれっ、いつまで経っても上手にたどり着かない!?」ってなると思いますよ。
20代でやったときもすごくバテたけど、筋肉少女帯を再結成して40代で武道館ライブをやったときには、疲れすぎて途中でクラクラしちゃって……。ステージ上で「誰か甘い物をくれーっ！」って叫んだら、メイクさんが武道館の売店まで走ってチョコを買って来てくれました。
40代になってからの武道館ライブ。そんなにバテてたんですねぇ……（2008年9月21日）
武道館ってどうしても、一世一代という気持ちになってがんばりすぎちゃうから気をつけないと大変ですよ。
武道館ライブのときにはオレ、57歳だよ。大丈夫かな……？ たぶん、57歳で初・武道館って最高齢だと思う。
ニューロティカの武道館ライブは1月でしょ？ 冬の武道館はものすごく寒いですから、そこも気をつけて。
寒い！ 建物が古いですから、底冷えがするんです。ニューロティカのファンには年配の方もいると思いますから、
ホントに厚着していってください。
まあボクは50歳すぎてから、どんなステージに立っても寒いですけど。ライブ前に葛根湯飲んでますから。……全然ロックな話じゃないな。
広い会場でやると、いつも口がカサカサになっちゃうんだけど、どうしたらいいかな？
ミンティアみたいなものを口に入れておくと、唾液で湿るからいいですよ。口の端に入れておけば、そのまま歌えるんですよ。
ステージ上で「水が足りない！」ってなったときはどうするんですか？ ライブハウスくらいだったら、ステージ袖まで取りに行けるけど、武道館だと難しいですよね。
もう絶望的な気持ちになりますね……。
あとは「招待に入れておくよー」なんて誘った知り合いの名前を、招待リストに書き忘れちゃうことがあって。それを2曲目くらいで思い出すんですよ。そのときの「ヤバイ！」っていう気持ちね……。
ライブハウスだったら間奏中にスタッフに「○○さんの名前書いておいて！」とか言えるんだけど、武道館だとできないの。だから招待リストは本当に何度もチェックした方がいい！
小さいライブハウスだったら店のスタッフが受付をしてるから、ある程度は融通がきくけど、ホールや武道館だとイベンターが雇ったバイトさんが受付をするから……。
大御所ミュージシャンが来たとしても顔が分からなくて、もめにもめる！
あるねー。招待された人も変なプライドがあるから、「オレがあいつを育てたのに！」とか怒ったりして。
あと武道館ライブで覚えているのは、竹刀とか持った剣道着姿のおじいちゃん集団が廊下を歩いてきたことかな。
え、ライブがある日でもそういう人たちが入ってくるんですか？
おそらく、メインのホールとは別に稽古場みたいなものがあるじゃないかなぁ？ その人たちと楽屋の前ではち合わせしちゃって。
剣道着のおじいちゃんが歩いてくるから「アレ？」って思っていたら、おじいちゃんたちも化粧したロッカーがいるから「ええっ!?」って顔して（笑）。普通のホールやライブハウスだったら絶対にあり得ないことですよね。
いろいろ言ってきましたが、やっぱり武道館って楽しいと思うので。ライブハウス武道館を楽しんでください。
ボクも若い頃は武道館に何の思い入れもなくて、多くあるライブ会場のひとつくらいの感覚でしたけど、30代で筋肉少女帯を休止して、それ以降、小さなライブハウスなどで活動してきて。
それで、40代になってから筋肉少女帯を再結成して、お祝いで盛り上がって武道館ライブをやらせてもらったときは、大きい箱でやるありがたさ、めでたさっていうのが分かって感無量でしたね。
あとは、せっかくの武道館ですから、張り切って企画を仕込んで滑って欲しいな。伝説を残してください！
ライブってそういうの意外と重要ででしょ？
「やっちまったなぁー」があると、あとあとまで語り草になりますから。
ボクも最初のパブリック・イメージ・リミテッドとやった武道館ライブで「負けちゃいけない！」と思って、登場のときに三上寛さんの情念フォークを流したんですよ。素晴らしい曲なんだけど、あれは滑ったなぁ～。
それは、パブリック・イメージ・リミテッドのファンも、セックス・ピストルズの幻想を引きずっている人も、筋肉少女帯のファンも、誰も求めていない選曲ですね……。
この情報を頭に入れて武道館に行こう!?
日本武道館ライブをやるための手続きや予算、ライブ中の心構えまでいろいろと聞いてきましたが……。まあ、実際にやることになる人はほとんどいないでしょう。
ただ、観客として日本武道館ライブを観に行く際に、「この規模のステージだったら予算○○円くらいだな」とか、「ゆっくり歩いている！ バテたのか!?」「剣道着のおじいちゃんも来ているのかな？」「こんな過激なこと言ったらランプ回されちゃうかも!?」などなど、余計な想像をめぐらせて楽しめるかもしれません!?
※すべて、各自の体験に基づくエピソードであって、日本武道館の公式見解ではありません
