ぶっ飛ばすと気分爽快なのか
指先ひとつでポケモンをぶっ飛ばしながら進むゲーム、『ポケモンスクランブルSP』の気持ちよさを体験するため、今回はドミノ倒しで巨大な壁を倒してみたいと思う。
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ドミノなので最初の一手は「指先ひとつ」である。連鎖して倒れていくにつれ巨大な壁を文字通り「ぶっ飛ばす」ことができれば気分爽快にちがいないのだ。『ポケモンスクランブルSP』の世界観そのものではないか。完璧な広告記事だ。
ただし成功すれば、である。
まずは仲間探しから
一人では不安なので街を探検しながら仲間を探すことにした(そういうゲームではありません)。幸いなことに心当たりがある。
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バッタネイション岩沢さんにはこれまでも、こたつをソリにしてもらってゲレンデを滑ったり、頭に煙突をつけて喫煙所にしてもらったりしている。僕の抱える無理難題を柔軟なとんちと確かな技術力でなんとかしてくれる現代の一休さんである。
岩沢さん、そういうわけでドミノの連鎖ででかい壁を倒したいんですが。
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理屈ではいける。ただ問題は材料と場所ですね、と。
確かにそうだろう。逆にいえばそこさえ決まっちゃえばいける気もする。
考える僕をおいて岩沢兄弟はすでに動き出していた。
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明日やる、とか暇ができたらやる、というのはだいたいやりたくないことである。面白そうなことはどんなに忙しくてもその場でやってみたくなるものなのだ。そんな大切なことをこの人たちはいつも教えてくれる。
なーんて感心している間に小規模ながらドミノができていた。
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小規模ならばいける。問題はこれが巨大になったときである。
材料はどうするのか、場所は?安全面は?巨大な壁を倒すとなると重さも相当なものだろうから、倒れた時の衝撃にも備えなくてはいけない。
その前に巨大な壁でも同じ理屈でドミノは連鎖するのだろうか。
岩沢さんはその場で知り合いの構造解析の専門家にシミュレーションを依頼してくれた。知り合いのジャンルが広くて深すぎる。
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計算してもらいました
一週間後、送られてきたシミュレーション結果がこちらである。構造解析は堀川さんという専門家にお願いしました。ありがとうございます。
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シミュレーターはスペースキーを押すと左端の白いバーが動いて最初のコマを押す仕掛けになっている。すごい。石器時代からいきなり未来にタイムスリップしてきたみたいだ。
打製石器の端でスペースキーを押してみる。
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重さや体積、重力加速度なんかも現実に近い形でプログラムしてあるので、壁が大きくなるにつれてゆっくりと倒れていく様子までも再現されていた。動きとしては予想通りなんだけど、何度繰り返しても不思議と飽きない。
しかもこれ、変数を変えることで壁の数を増やすこともできるぞ。
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すごい。もうこれだけで十分に爽快なので終わった気になっているが、ここから言えることは「壁が大きくなっても理屈上ドミノで倒せる」ということである。
理論はクリア、あとは実践あるのみだ。
やってみると問題山積
実際に巨大なドミノを作るとなると、岩沢さんも言っていたように材料と場所が問題となる。
材料については巨大化しても重さを最小限にするため、途中までを木に、途中からダンボールを使うことにした。
場所はいろいろ断られたので社内で隠れてやる。
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ここまでいかにも順調に来たかのように書いているが、裏では上司に説明を求められたり、材料が足りなくなって途中で買いに行ったりしている。こういうことは書かないのがクールだとは思うのだけれど、あまりに準備が大変だったのでつい書いてしまった。
しかしおかげで準備は整った。これからドミノをつなげて2メートルの壁を倒しに行くのだ。
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