特集 2024年8月7日

ライター江ノ島茂道さんと窪田鳳花さんトーク

江ノ島茂道とはなにものなのか(聞き手・窪田鳳花)

窪田:
江ノ島さん、本業というか仕事はパソコン関係の難しいことされてるんですよね。

江ノ島:  
難しくはないんですけど、めんどくさいっていうだけです。

窪田:
理系なんですか。

江ノ島:  
いや、もうバリバリの文系です。高校で数学とか理系のものはあきらめました。

窪田: 
ずっとパソコン関連の仕事なんですか。

江ノ島:  
リーマンショックってあったじゃないですか。

窪田: 
2008年にリーマンショックありましたね。

江ノ島:  
あの時が僕の就活の時期だったんですよ。

窪田:
あらま。

江ノ島:
だから就職試験に受からなくて、インターンみたいな形で1回入った会社で半年働いていました。そのあと雑誌の編集プロダクションにいたけど辛すぎて1年で辞めて、また今の会社に戻ってきたんですよ。

窪田:
インターンやっていた会社に戻ったんですね。
雑誌の編集の会社では何をされてたんですか。

江ノ島:  
聞いたことないような週刊誌の編集です。ライターさんに発注したりとか。すごい卑猥な雑誌とか作ってましたよ。言葉を選びきれなかった…。

窪田:
今のは言葉を選ぶ苦しみの感じだったんですね。

江ノ島: 
エロ本作ってましたね。

窪田: 
舵取りをミスった感じがする。

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18時になったらサポート終了

窪田: 
Twitter(X)を見てると仕事がめちゃくちゃ忙しいのかなと感じるんですけど、労働時間が長いとかですか?

江ノ島:  
パソコンのサポート業務をメインで今やってるんですよ。トラブル対応みたいな、パソコンが動かなくなったとか

窪田: 
しっかりした仕事。

江ノ島:  
サポートセンターって18時になったら閉まるところあるじゃないですか。あの感覚でやってます。18時になったら終わり。

窪田: 
なるほど。

江ノ島:  
そのあとにちょっと雑務やって帰るんですけど、東京から神奈川へ帰るので、2時間弱かかるんですよ。 
通勤時間に電車の中で、漫画見たりゲームしたりラジオ聞いたりする時間が1番楽しいですね。

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ここだけの話、週1回の執筆が大変

窪田: 
「記事が大変だ、大変だ」みたいなことをよく発信してますよね。

江ノ島:
大変じゃないですか、ここだけの話。

窪田: 
ここだけの話にならないですけどね(笑)。フルタイム勤務してて、週1で記事を書いてるのは僕たちだけなんですかね。

江ノ島:  
窪田さんと僕以外の方はフリーランスですかね。

窪田: 
週1だと2人だけになるのかな。 黎明期の人たちも週1回書いてたみたいですよね。

江ノ島: 
「最初の頃、週1で書いてた」ってよく安藤さんが自慢してきます。

窪田: 
すごいなと思いますよね。

江ノ島: 
自分も週1ペースになると思わなかった。

窪田:
思ってなかったですよね。

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地方取材へ行くと2,3本分撮影する

窪田:
記事の作り方の話ですが、1日で何本分か撮影したりしますか?

江ノ島:
たまに連休とかあると地方に行って取材して、そこで2本3本ぐらい撮りますね。

窪田:
それが結構しんどくないですか。何回も同じ場所で記事作らなきゃなみたいなプレッシャーはないんですか。

江ノ島: 
どれだけ早く撮影してホテルに帰るかを意識してます。

窪田:
撮り溜めできる人は器用だなと思っていて、憧れがあります。

江ノ島:
撮り溜めする人って、すごい計画して行くらしいんですよ。

窪田: 
そうなんですね。

江ノ島:  
スケジュールを結構組んでくらしい、っていう話を誰かから聞いたんですよ。 
僕は、とりあえずこれだけやるっていうのを決めて撮影して、余裕があったらもう1分、0.5本分ぐらい撮影して、ホテルに1回帰る。

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おいしいものの天井を探したくて取材している

窪田: 
大体食べ物のネタがメインで動くことが多いですか?

江ノ島:  
そうですね。食に興味があるので。例えばこの間、香川へ行ったんですよ。

窪田: 
行ってましたね。

江ノ島: 
「うどん食いたいな」とか、そういう理由で行きます。

窪田:
食べ物でずっと書くのも大変だなっていうのを思ってて。

江ノ島:
大変じゃないですよ。

窪田:
林さんが江ノ島さんの体のことを心配されてますけど。それは置いといて、そんな食べたいものあるかな?って思うんですよ。

江ノ島:  
そこは、やっぱり価値観の違いですかね。

窪田:
究極の話すると、結局うまいかまずいじゃないですか。

江ノ島:  
まあまあまあ、究極そうですね。

窪田: 
で、大抵うまいじゃないですか。

江ノ島: 
うまいじゃないすか。 例えば、うどんってうまいじゃないですか。どこで食ったって。

窪田: 
はい。

江ノ島:  
その天井を探したくて取材しています。

窪田: 
いろんなもののですか?

江ノ島:  
食べ物のうまさの天井を探してるんですよ。

窪田:
世界中のあらゆる食べ物ってことですか?

江ノ島:  
身の回りにある食べ物の天井を探してるんです。美味しいもの食べたいんすよ。

窪田: 
結局江ノ島さんの褒めに入るんですけど。
究極全部うまいのに、それで違うことを書かなきゃいけないから大変なんじゃないかな、っていうのを思ったんですよ。 「そんな飯なんて全部一緒でしょ」みたいな話じゃなくて。ぼく、うまく言えないんですけど。すいません。

江ノ島:  
そんなに大変じゃないですよ。

窪田: 
結局うまい、なのにそれで違う文章書くんだからすごいな、っていうこと思うんですよね。

江ノ島:
窪田さんの例えばジョイフルの記事とか、チャーハン部だと月餅さんとか、味に対する感想を細かく書いているじゃないですか。

窪田:
間が持たなくないですか。「めしうまい」って書いちゃえば同じになっちゃうから、ここがこうとか書かないと間が持たないところがあるのかなと思ってますよ。

江ノ島:  
ぼくなあんまり書かないんじゃないですか。
だから、そんなにそんなに大変じゃないかもしれない。うまいですよ、全部。

窪田: 
書いてなかったんですね。

江ノ島:  
たぶんそれぞれ違いあるんすけど、究極知りたいのは美味しいかどうかだなと思って。

窪田:
じゃあもう勝ち戦というか、もう成功することわかってて行ってるようなもんですよね。

江ノ島:
美味しくないのもあるんでしょうね。

窪田: 
美味しくないものにあたって記事にしたことってあるんですか。

江ノ島:  
オリジンのうどんがあんまり美味しくなかったって思い出せる。

江ノ島:
窪田さんがジョイフル行ってて、とりもちうずらさんがスタバとか行ってる中で、オリジンで元取って食べるぞ。と思って手出したうどんがそんな美味しくなかった。

窪田: 
あ、でもそんなもんですか。

江ノ島: 
そんなもんかな。大体うまい気がしますね。ていうか、大体自分の好みに合うものにしか行ってないですからね。

窪田:
なるほどね。

江ノ島: 
ここの地元のサラダがうまいんですよ、みたいな感じで行かないじゃないですか。

窪田:
? 状況がわかんなすぎますけど。

江ノ島:  
サラダを食いに行って、テンションって上がらなくないですか?

窪田: 
そうですかね。サラダのマックスは探さないんですか。

江ノ島:  
サラダのマックスってドレッシングだから、結局ドレッシング替えればいいんじゃないか、って思ってます。サラダって、結局葉っぱだから。

窪田: 
食べ物博愛主義者みたいに思ってたけど、サラダには厳しい。

江ノ島:  
サラダ食べるんですけど、別にね、なくてもいいなって気持ちはありますよ。

窪田: 
えー、サラダ探してほしいな。

江ノ島:
うまいサラダあるかな。

窪田: 
いや、めちゃくちゃうまい野菜ってめちゃくちゃうまいじゃないですか。

江ノ島: 
って言うじゃないですか。

窪田: 
有機野菜の人参とかすごいですよ。色からして違うんですよ。

江ノ島: 
濃い?うまい野菜って色が濃いって言うじゃないですか。

窪田: 
濃いですね。

江ノ島:  
美味しいのかな。

窪田:
それこそ江ノ島さんが、さっきおっしゃってたような、うどんのマックスを探るみたいな話で。「人参の理想系ってこれなんだ!」みたいなの、ありますよ。

江ノ島:  
すごい興味ないですね。 人参のマックス全然興味なかった。

窪田:
凄いですよ。ピーマンもすごいおいしいですよ。
宮崎は畜産とか農業が盛んだから美味しいを野菜を食べるんですけど、ピーマンのマックスもすごいおいしいですよ。

江ノ島:  
ピーマンは好きです。

窪田: 
ピーマンのマックスを探りたくならないんですか?

江ノ島:  
ピーマンのマックス探したいって気持ちになったことないですね。

窪田: 
探した方がいいですよ。

江ノ島:
あんなのごま油と和えればうまいんだから。野菜のマックス探したことないな。

窪田: 
野菜のマックスって結構ばっと現れる感じがありますよ。探しに行くものじゃなくて、出会う時があるというか。

江ノ島:  
出会う感じ?

窪田: 
人からもらったりとか、たまたま出てきたやサラダがめちゃくちゃうまいとか。

江ノ島:  
出会うんですね。

窪田: 
春菊もめちゃくちゃうまいですよ。そう言われたら、僕、野菜でしか感動しない気がするな。

江ノ島: 
すごい真逆っすね。

窪田:
そうですね。ハンバーグなんて全部結局 80点から100点ぐらいじゃないですか。

江ノ島:  
いや、でも…。そのことをそのまま返したい感じがありますね。

窪田: 
野菜はまずいのまずいんので、野菜は0から100ぐらいあるんすよ。ハンバーグって何食ってもうまいから。

江ノ島: 
ハンバーグも粗引きだったりとか、違いがあるじゃないですか。

窪田: 
肉の部分ですかね。

江ノ島:  
合い挽きの率とかも違いますよね。

窪田:
ハンバーグは80点から200点みたいな話ですかね。ぼくは100超えたら全部一緒だと思ってるところがあるんですよ。

江ノ島:  
なるほどね。

窪田: 
江ノ島さんは200なり500ってなりを探っていきたいってことですよね。
それで言うと、確かに僕も野菜の天井を見てみたい、その景色を見たい気はするな。

江ノ島: 
野菜のマックス探しに、野菜を食いに地方に行くぞって気持ちならないな。

窪田: 
米は結構好きじゃないですか?新潟に行きたいとかないですか?

江ノ島:  
お米は好きですね。お米持って歩きたいです。

江ノ島:  
茶碗にご飯よそって、街中で美味しいものを買ってきて食べたい。

江ノ島:  
バイキングの記事やってるわ。ああいうのを、ごはんが美味しいところへ行ってやりたいですね。

窪田: 
いいですね。分かり合える方向にたどり着いて良かったです。

江ノ島:
食の価値観、真逆だったな…。

窪田:
ああ、そうか。だから自分ごとに置き換えて、やっぱ人のこと考えないと喧嘩になるんですね。勉強になりましたよ。

江ノ島:  
よかった。わかりあえた。

窪田: 
わかりあえてよかった。

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