デニーズには2000円近いパフェがある
パフェといえばジャンルとして大きく4種類あると私は思っている。
(1)千疋屋的な高級フルーツパーラーが最高の果物を使って作る
(2)むかしながらの喫茶店にある
(3)「夜パフェ」「締めパフェ」という文化
(4)ファミレスにある
デイリーポータルZでもこれまでその食べ物としての訴求の強さには常々着目してきた。
記事もたくさんあるのだけど、(1)についてはやはりウェブマスター 林さんの「フルーツパーラーのパフェ入門」だろう。
(2)だと、オカモトラボこと岡本智博さんが熱意をもって取材した「昭和のパフェが食べたいんだ!」にその世界の広がりが見える。
(3)は札幌発祥と言われる食文化で、以前自分で取材したことがあった。
(4)についてもことあるごとに注視はしていたが、なんとなくファミレスのメニューを横断的に調べていて、デニーズが2000円近くするフルーツパフェを季節限定で次々リリースしているのに気づいたのだ。
ファミレスのパフェというと、高くてもだいたい1000円程度、たまにロイヤルホストが本気を出して暴れた品をぶち込むイメージでいた。
まさかデニーズがねじり鉢巻きで高級界に躍り出ているとは知らなかった。
3月まで出していた「あまおうとピスタチオのツリーサンデー」はなんと税込2,409円。
高級フルーツパーラーくらいの気持ちでパフェをやっており、これがすべてのデニーズで終日食べられたのかと思うとすごい。
\今日はSUNDAY☀/
— デニーズ公式? (@Dennys_PR) March 24, 2024
?#あまおう とピスタチオのツリーサンデー
食べられるのも残りわずかですよ~
?15:00-18:00の時間限定お得なティータイムセットで、ゆったりとした時間をお過ごしください。
食べたいと思った人はいいね?お願いします♪ pic.twitter.com/cV4kgvn2nv
「マスクメロンのザ・サンデー」税込1991円
そんなデニーズ、4月に入ってあまおうの次にぶっこんできたのが、マスクメロンのパフェだ。
去年も同時期に出していたパフェで、サイトによると「いつでも最高の状態のメロンを店に届けている」らしく、やってやらんの気持ちの強さが伝わってくる。
写真の「マスクメロンのザ・サンデー」はあまおうのパフェにくらべれば安価だが、それでも税込1991円。それはもう2000円である。
これはちょっと一度食べておいたほうが後学のためにも良いような気しかしない。
ファミレスの高級パフェというジャンルの、手ざわりと実感を知っておきたい。
究極的に開放的で、楽しいこと
週末のデニーズは家族やグループ客で大変混雑はするものの、一人客用のカウンター席には余裕があった。
静かに一人で乗り込んだのが功を奏し、すんなり案内してもらうことができた。
ところで、ファミレスというのは、ほとんど世界みたいな存在じゃないか。
朝から晩までやってるし(なんなら24時間営業の店舗もある)、お客にもいろんな人がいて、大勢のグループも、一人客もいる
洋食も和食も肉も魚もあって、軽食があって、デザートがあって、お酒もある。 冷静に考えてみるとちょっとすごい。
ある人にとってはど日常で、ある人にとっては非日常になり得る空間。そういう場所で、とくべつにハレ的な行為として高級なパフェを食べようというわけだ。
これはもしかすると究極的に開放的で、楽しいことなんじゃないか。
しかも、高級なパフェを味わいながらにして、ドリンクバーを頼めば無限にジュースも飲めてしまう。
なんなんだ、それは。
今日は「でかいやつを食べる」
さて、あらためてパフェだ。ファミレスのパフェでよくあることとして、「メニューのなかでパフェが成長している」というのがある。
シーンやそれぞれの胃の余力に合わせ、大きなパフェの他に、中くらいのサイズ、小さいサイズのパフェも用意されている。
私は胃の小ささを自任しており、こういったメニューを見るとついひるんで小さいサイズを選びがちだ。
普段がそうだからこそ、今日はでかいやつを食べることを自分に、ある意味で課したい。
幸せを、あえて課すということも、大人になると必要だと思う。
身分不相応だとか、あまりに贅沢すぎるとか、そういった遠慮を意識的に削がねば良い思いができないということ、結構よくありますよね。