ちょっと聞いてよ 2023年10月16日

本物そっくり、シャインマスカットの飴とは

2023年、シャインマスカットがかつてない大豊作だ。

高値の食べ物だと畏れ敬いすぎていて気づかなかったが、昨年2022年は天候に恵まれずかなりきびしい生産状況だったらしい(地域によって違いがあるとはおもえども)。

それが今年は酷暑を乗り越え各地で豊作、山形県では前年の1.5倍の収穫量で、甘みも増しているとニュースでみた。

そんななか、菓子界にもしっかり果汁を使った商品が売り場に躍り出た。気になったのは、本物そっくりをうたう、飴だ。

東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてデイリーポータルZの編集部員に。趣味はEDMとFX。(動画インタビュー)

前の記事:なんだろうそれは、抹茶わらびもちこんにゃくゼリー

> 個人サイト まばたきをする体 Twitter @eatmorecakes

果汁を使った本気のシャインマスカット菓子たち

本物そっくりという飴をふくめ、シャインマスカットの菓子化に本気を感じるお菓子を3つ見つけた。

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左から、飴、グミ、ゼリー

飴のほかにはグミとゼリー。どれも、国産のシャインマスカットの果汁が使われている。

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やる気じゅぶん

袋自体にプリントされず、ラベルが貼られたタイプのパッケージの商品は道の駅やなんかによくあって、大量生産でないのだろうところに希少性をついすくいとってしまう(実際の生産量を知らないのにもかかわらず)。 

こちらのシャインマスカットゼリーが、まさにそうだ。

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伝わりますかね、こういう、袋にラベルが貼ってあるタイプの商品

味わいを口内に強引にとどまらせる

個包装もなんだか構わない感じなのがぐっとくる。

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なんかちょっと不自然に個包装が大きい気がする、そこがいい
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執拗に個包装の大きさをお伝えしてすみません

食べてみると、長野の誇る「みすず飴」や埼玉の威信である「彩果の宝石」系のねっとり濃厚なタイプのゼリーだ。

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かおりもすっごい

甘みのパンチが刺すように強く、シャインマスカットの果肉を濃縮したうえゼリーの力で増強している。

味わいを口内に強引にとどまらせるような力強さがある。

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シャインマスカットをぎゅむぎゅむ噛んで味わう

グミは長野県産のシャインマスカットを使用、果汁そのものの「爽やかな香りと豊かな甘みが広がります」とある。

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こちらのパッケージはグミとしてありそうな、洗練されたデザイン

グミらしくしっかりした弾力に甘すぎない本気のシャインマスカットのピューレが入っていて、なんだかシャインマスカット自体をぎゅむぎゅむ噛んでいるような良さがある。

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弾力しっかりめのグミ
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噛むごとに、なかのゼリーがとろっと出てくる。お菓子界、本当に極まってるよなあ

ゼリーとグミを食べて、なるほど、お菓子にすることによってシャインマスカットの味がいろんな食感で楽しめるということなんだな……と、存在意義が分かってきた。

よく、果物はそのもので十分美味しいのだから、加工して味わうなんてもったいないと言うし、それはそれでその通りでもある。

でもシャインマスカットは口内でねっとりしないし、ぎゅむっと噛むこともできない。

菓子化は、シャインマスカットを果実とは違う食感でもってわざわざ味わわせてくれる、文化的かつぜいたくな活動なのだ。

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本物そっくりの飴とは

さて、問題の、というかどうにも一番気になって今回の発端として買った飴が「魅惑のシャインマスカット」だ。

かなり打って出るタイプのパッケージから意気を感じ私は好きだ。 

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堂々としたこのデザイン

今日このまま日高屋で売れるくらいパンチが効いている。

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今日から日高屋でもがんばれる

こちらは山梨県産のピューレを使用。

冒頭でも書いたが、気になったのはパッケージの「本物そっくり!」そして「職人が手作業でマスカットをイメージして模様を入れました」だ。

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本物そっくりであることを訴求している

どういうことなんだろうそれは。

イラストだけ見ると、UHA味覚糖がかつて販売していた、「サクランボの詩」「野いちごの小道」「クリームソーダ」みたいな形をしている。

終売品なのだけど、Amazonがパッケージの写真だけは見せてくれ続けている

味覚糖 さくらんぼの詩 10ツブ×10袋

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小さな球にベルトが巻かれているような、たまに見かける形の飴。 

その時点でシャインマスカットと「そっくり」とは言えないのでは? と素人は思ってしまうのだが……。

実は、「そっくり」の真意のヒントはパッケージの裏にあった。

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「手作り飴(組飴)のため、まれに雨に模様がはいってない場合がございます」とある

組飴……?

飴の製造方法についてこれまであまり考えをめぐらすことがなかった。

組飴というのはいわゆる金太郎飴のような、パーツを組み立てて作る飴を言うらしい(「金太郎飴」は株式会社金太郎飴本店の商標で、「組飴」が一般名称なのだそうですな)。

つまりこの飴は、シャインマスカットを、飴を組むことで再現したということのようだ。

メーカーは宮川製菓。東京の上目黒に工場がある。

都会のど真ん中で作っているのが(最寄り駅はEXILEの事務所であるLDHがあることで有名な中目黒だ)ちょっと意外だ。

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LDHのちかくで作られている

そうしたストーリーを踏まえて飴をながめるとなるほど美しい。

シャインマスカット独特の黄色っぽい黄緑色が繊細に完全に再現されていることに気づく。

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この色、完全にシャインマスカットだ

ゼリーとグミで味わった、シャインマスカットを別の食感で食べる感覚はここでも健在で、飴だから、シャインマスカットを延々舐めていられる味わいがあった。

シャインマスカットを懐旧する味……?

食感の多様化そのものがここにある。

なんというぜいたくなことか……と感じいるとともに、もしやシャインマスカットがなくなってしまったあとの世界でシャインマスカットを懐旧するとしたら、こんな感じになるんじゃないか? とはっと思ってしまった。

………。

なんでそんなディストピアみたいな発想しちゃったんだろう。

シャインマスカットの旬は10月までだそうです。

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