その2 南に向かう
ではこんどは南に向かってみよう。
地図で見ると左の道は45度なのだが、やはりここもT字路のように感じる。45度の道なんてあると思わないじゃん。
左に曲がってしばらく進む。
ここで右に入ると南下できるのだが、そんなことに気づくはずもなく華麗にスルー。とりあえずそのまま走ると、別のY字路にぶつかる。
Y字路が連続して現れた時点でどっちを向いているのかが分からなくなる。YES-NOチャート気分で左を選択。
しかもこの東西のエリアはこの道1本でしかつながっていないため、Uターンしないと戻れないのだ。
適当に2回90度に曲がって別の道で元のエリアに戻る、ということができない。
さっき左だったので右と思わせておいて、やっぱり左。
しかも街の雰囲気が似ている。慣れた人なら区別がつくのかと思ったらそうでもないらしい。
「歩道をよく見ていると、ペデストリアンウェイを超えたことで東西のエリアを超えたことがわかんですよ」と加藤さんが教えてくれた。
便利!だけど裏技みたいな方法ではある。
でもいいんじゃない?
この45度の道について設計者が「アイストップを作ることを考えた」「少しはまちらしさがつくれるんじゃないか」と語っていた。
さらには「交通の専門家や区画整理の専門家が見たらなんでこんなバカなことやるんだって言われることよく分かっていたんですけれど」とまで言っている。(建築ジャーナル 2022年9月号 p.11)
効率ではなく意図して設計されたものだったのだ。アナーキー。
住んでいない者の無責任な感想としては、おもしろいからいいんじゃない?である。でも、今すぐトイレに行きたいときに走っていたら泣く。
地図はすべて ©openstreetmap