貝は佃煮にした
もちろん、ダシを取ったあとの牡蠣など身も捨てず、甘辛く煮込んで佃煮にしました。作り方はまたしても勘なので合ってるか分からないけど、雰囲気でなんとかなります。
翌日もスーパーに行くと、北海道のズワイガニは売ってなくて、青森の「クリガニ」が500円くらいで売られていた。クリガニというのは食べたことがないけど、これはこれで美味いのだろうと思って購入。
ずっしり重くて、身が詰まっていそうな感じがする。
殻に毛が生えていて、雰囲気としては毛蟹っぽい。しかし価格は1/10くらいなので、味はそれなりなのだろう。多分。
茹でたらますます毛蟹っぽい見た目になった。毛蟹を知らない人に「毛蟹です」って出したら信じて食べるんじゃないだろうか。無理か。
ズワイガニ同様、足を外していくと根本から肉がほとばしっていた。すごい身の詰まり方だ。
殻が柔らかめで、キッチンバサミでザクザク切れる。殻を切ってパカッと開けると、足にも身が詰まっていた。味は、なかなか美味い。少なくとも毛蟹の1/10の味ではなく、半分くらいの価値はありそうだし、人によっては同等と言うかもしれない。
1匹のクリガニから110gの身とカニミソが取れた。なるほど、なかなかの詰まり具合。これはコスパが良い。
カニミソもたくさん入っていたが、ガニが濃い目の灰色で、見た目がちょっとグロいのが難点かもしれない。
どうやって食べようか?和風とイタリアンをやったので、今度は中華。カニの身がたくさん入った「かに玉」を作ることにした。
はいできたー。これがもう、これでもかってくらいのかに玉っぷりで、とても贅沢をしている気がした。(カニに対する評価が異常に高い人の感想です)
値引きを狙って遅く行ったのが悪かったのか、もうカニを売るのはやめてしまったのか、翌日、翌々日と朝や昼にスーパーへ行ってもカニはなく、他のスーパーを巡っても売ってないのでエビを買うことにした。
カニがないならエビを食べればいいじゃない。
あれ?君、カッパえびせんのパッケージに出てた?ってくらいの絵に描いたようなエビっぷりだ。
カニ玉に続いて中華。エビで中華と言ったらエビチリだ。作り方は、勘。多分ネギとニンニクをみじん切りにして、粉を付けたエビと炒めればいい気がする。
味は、クックドゥのパッケージに、トマトソースとか酢とか砂糖とか豆板醤って書いてあったので、 それを真似して勘で調合したソースを使った。
ちょっと豆板醤が多くて辛くなってしまったが、およそエビチリの範疇に入りそうな料理が出来た。赤エビは、柔らかくて噛むと旨味と甘味がジワっと出てくる。安いエビなのに美味いじゃないか。
当然ご飯とも合う。みんな知ってるよね。
紅ズワイガニ(×4)、クリガニ(×1)、赤エビ(×5)と甲殻類を連日食べてきて、そのガラでダシを取ってきた。
カニのダシでエビのガラも煮込んだので、カニとエビのダシが出ているスープが取れた。
エビもカニも、確かに身が美味しいのだけど、身と同じくらいこのスープの味と香りが良い。塩少々とワカメなど入れたら、もう十分に甲殻類ダシのスープになるのだ。
もうカニも売ってないし、エビのスープが美味しかったので、これに更に旨味を足したスープを作りたいと思い立った。スープと言えば貝でしょう。7日目、僕は甲殻類ではなく、アサリ、ハマグリ、牡蠣を買ってきた。
特にアサリやハマグリは、身が美味しいというよりはスープが美味しいと以前から思っていた。実家(鴨川市で海鮮や干物を売るお店をやっていた)で売っていたハマグリを店先の七輪で焼いて食べるときは、汁が溢れないように焼いたものだ(皿に汁を取って啜った)。
白く濁った貝ダシと、オレンジ色のエビダシが取れた。どう使おうか?と考えた結果、ラーメンスープにすることにした。
貝ダシとエビダシのスープを合わせて、300mlのスープに塩を3g溶かした。味見をしてみると、やや薄いがちょうどよく美味い。運動したあとならもう2g程度塩を足してもいいだろう。
麺を茹でて盛り付け。出来たのがこちら。
最初にズワイガニを食べてから7日後、僕は海鮮の連鎖によって海鮮ダシの塩ラーメンを作って食べる事になった。
味は、貝の旨味がまず来て、麺をすすると海老の香りが抜けていく。塩気は抑えたので非常にアッサリしていて、油も使っていないのでラーメンよりは蕎麦や素麺に近い雰囲気がある。
うっま、うっまと啜っていたら無くなっていた。普段、あまり鮮魚コーナーで生ものを買ってこなったのだけど、今後はこのスープのためにアサリなどを買っていこうと思ったほど。
シンプルに具なしのバージョンを食べたあと、ダシに使った貝やカニカマをトッピングしたバージョンも作ってみた。具は、あってもなくてもいいが、バターが加わると旨味がグッと増す。バターは必要かもしれない。
貝だけで材料費が1000円くらい掛かっている。しかし家で作る料理のいいところは、材料費だけで好きなものが食べられるし、いくら材料費を掛けてもたかがしれているって事だ。家での料理は安いし楽しいし美味しい。
エビのガラでダシを取ったあと、カラカラに炒って油で揚げた。これがまた、パリパリと美味い。よく噛まないと口や喉に突き刺さるので注意が必要だけど。
こんな感じで、生き物は出来るだけ骨の髄まで食べることにしています。別に、生命に感謝とか高尚な事を考えているわけではなく、単に意地汚いだけです。
もちろん、ダシを取ったあとの牡蠣など身も捨てず、甘辛く煮込んで佃煮にしました。作り方はまたしても勘なので合ってるか分からないけど、雰囲気でなんとかなります。
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