小出し記事 2020年12月24日

インディーズ路線図とはなにか ~なんかスゴい編~

鉄道会社以外のところが作ったなんらかの路線図を「インディーズ路線図」と呼んで愛でてきた。

この連載もいよいよ最終回。作り手の意図を感じるとか、会社の事情が隠れているとか、いろいろ言ってきたけれども、最後は理屈抜きで「なんかスゴい!」ものを見ていきたい。

編集部よりあらすじ
路線図ファンのライター井上さんが、熱量高く見守っている「インディーズ路線図」シーンを解説する連載が最終回へ。見かけた方へのご連絡窓口も最後に紹介しておりますよー!

1975年宮城県生まれ。元SEでフリーライターというインドア経歴だが、人前でしゃべる場面で緊張しない生態を持つ。主な賞罰はケータイ大喜利レジェンド。路線図が好き。(動画インタビュー)

前の記事:インディーズ路線図とはなにか ~○時でも間に合う!学校編~

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インディーズ路線図は自由だ

人間、「~ねばならない」と考えると頭も体も固まってしまうものだ。

そして路線図を作るとなると、「訪れる人をちゃんと案内しなくては」とか「どんな人にもわかりやすい形であらねば」とか、やっぱりどうしても「~ねばならない」がつきまとう。

でもそこまで気にしなくたっていいのである。インディーズ路線図はもっと自由でクリエイティブなものだ。

角張った直線ではなく、もっと柔らかい筆使いでも全然いい。

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学習院大学の「アクセスマップ」より

たとえば学習院大学の「アクセスマップ」。由緒正しき学府でありつつ、この柔らかさ。まるで触手のようににょろにょろと伸びる路線に癒される。

しかし、だからといって“角張った直線”に見どころがないというわけではない。

たとえば、全てを直線にしてしまった「紫カントリークラブ」はどうだ。

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紫カントリークラブの「アクセス」より。

千葉県野田市にある紫カントリークラブ、Webサイトの「電車でお越しのお客様」では東京や埼玉からのアクセスも書いてある。

どうやらExcelで作られており、位置関係はかなり独特だ(左側の恵比寿があり、中央下に渋谷があるなど)

見れば見るほど、新しい発見があるインディーズ路線図になっている。

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視点を変える禁断のワザ

インディーズ路線図が自由なのは、なにも線の描き方だけではない。「視点」だって変えていい。

路線を上から真下に見るのではなく、斜めに覗いたっていいのだ。

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サンクレイドル立川幸町の「ACCESS」より

東京都立川市にあるマンション「サンクレイドル立川幸町」、交通アクセスには「都心主要駅に快適アクセス」という文字とともに、このインディーズ路線図が掲載されている。

立川から東京方面を望む、3Dで描かれたインディーズ路線図。心なしか都心への距離も近いように感じるから不思議だ。

さぁ、もうここまでくると理屈など要らない。パッションで描かれたインディーズ路線図を見て、この連載を終わろう。

最後を締めくくるのは、群馬県の万座温泉観光協会である。

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万座温泉観光協会の「アクセス」より

新幹線、在来線、高速道路、一般道が毛細血管のように周囲を走る。その中央にある万座温泉は、さながら全ての血が集まる心臓だ。

この世に人が集まるところある限り、インディーズ路線図は作られ続ける。それは人の営みと言っていい。

営んでるなぁ~と言っていこう。

* * * * *

以上、5回にわたり「インディーズ路線図とはなにか」をお伝えしてきました。喜んでいただけましたでしょうか。

今後「これスゴいんだけど」というのを見つけたら、#インディーズ路線図 でつぶやくなりして教えていただけますと幸いです。飛んで参ります。どうぞよしなに。

 

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