ライター:井上マサキ
第一回:インディーズ路線図とは
第二回:えこひいき! 鉄道会社が運営している施設編
第三回:どこからでも来れます!観光協会編
第四回:○時に出れば間に合う!学校編
第五回:個性的!なんかすごい編
※小出し記事は書けたところから即、小出しに公開する連載企画です!
他と比べて目立つ路線がある
高さ634mでお馴染みの東京スカイツリーと、そのふもとにある商業施設・東京ソラマチ。実は東武鉄道グループが運営していることをご存じだろうか。
最寄り駅だった東武伊勢崎線の業平橋駅が「とうきょうスカイツリー駅」になったりして、その周辺にはうっすらと東武のアピールがある。
※編集部注:読者の方にご連絡いただき路線名の間違いをなおしました!(2020/12/02 追記)
それは東京スカイツリーのインディーズ路線図も例外ではない。
東京スカイツリーへの電車アクセスを示していて、JRや地下鉄、私鉄が記載されている。でもなんとなく……他と比べて東武鉄道の青い線が太い。
よく見ると、スカイツリーシャトル(東武バス)があちこちを走ってるし、直接スカイツリーにつながらない東武東上線(池袋-和光市)まで描いてあったりする。
でも、この路線図は「うちは東武グループですんで」とは一言も言っていない。なんかちょっと他より目立っているだけ。
これに「なるほどですね」と心の中でつぶやくのが、大人の階段の3段目くらいで身につける所作だと思う。
こちらは三重県伊勢志摩になる志摩スペイン村。このインディーズ路線図にも、隠された意図がある。
パッと見、鉄道以外に道路の情報もたくさんあり、あらゆる交通手段で来れますよ!というアピールを感じる。情熱の国スペインならではの熱い思いがそこにある。
と同時に、志摩スペイン村は近鉄グループなのだ。
地のベージュ、有料道路のピンク、名鉄線のオレンジなど、赤~黄色のパレットで構成された線のなかに、目の覚めるようなブルーの近鉄線が見える。
まるで水脈のように引かれたラインは、今日も乗客を伊勢志摩へ誘う。
隠す気がない場合もある
ここまで鉄道会社系インディーズ路線図に隠された意図を見てきた。
まるでダヴィンチコードのような謎解きの楽しさを感じてほしいが、一方で、全く隠す気がないインディーズ路線図もある。
例えば、新宿駅に併設する「新宿テラスシティ」。新宿西口ハルク、小田急百貨店、新宿ミロード、新宿サザンテラスという、小田急資本の施設が並ぶ一帯なのだが……
バリバリの小田急線推しである。
路線は太いし、フォントは大きくて白抜きだし、駅名を囲む線も二重だ。ここまで来るといっそ清々しい。僕がハリウッドザコシショウなら「でさぁね」と目をむいて言うだろう。
* * * * *
なんかここだけ○○だな、と思ったとき、裏に作り手の意図がある。
その意図を探ることが、インディーズ路線図の醍醐味のひとつだ。次回「どこからでも来れます!観光協会編」で、その醍醐味をさらに深掘りしていこう。
ライター:井上マサキ
第一回:インディーズ路線図とは
第二回:えこひいき! 鉄道会社が運営している施設編
第三回:どこからでも来れます!観光協会編
第四回:○時に出れば間に合う!学校編
第五回:個性的!なんかすごい編
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