小出し記事 2020年12月1日

インディーズ路線図とはなにか ~えこひいき!鉄道会社が運営している施設編~

施設の案内などに用いられる、鉄道会社以外の路線図。それが「インディーズ路線図」である。

インディーズ路線図には「施設への道程を案内する」という目的があるが、そのデザインにはさまざまな意図が隠されている場合がある。

例えば鉄道会社が運営する施設は、その鉄道会社の路線がちょっと前面に押し出されていたりするのだ。

編集部よりあらすじ
路線図ファンとして関連本の出版、テレビ出演などもしているライター井上さんが、熱量高く見守っている「インディーズ路線図」シーン。今回は鉄道会社が運営する施設の熱さに注目します。

1975年宮城県生まれ。元SEでフリーライターというインドア経歴だが、人前でしゃべる場面で緊張しない生態を持つ。主な賞罰はケータイ大喜利レジェンド。路線図が好き。(動画インタビュー)

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他と比べて目立つ路線がある

高さ634mでお馴染みの東京スカイツリーと、そのふもとにある商業施設・東京ソラマチ。実は東武鉄道グループが運営していることをご存じだろうか。

最寄り駅だった東武伊勢崎線の業平橋駅が「とうきょうスカイツリー駅」になったりして、その周辺にはうっすらと東武のアピールがある。
※編集部注:読者の方にご連絡いただき路線名の間違いをなおしました!(2020/12/02 追記)

それは東京スカイツリーのインディーズ路線図も例外ではない。

indies02_02.jpg
東京スカイツリーの「電車をご利用」より。

東京スカイツリーへの電車アクセスを示していて、JRや地下鉄、私鉄が記載されている。でもなんとなく……他と比べて東武鉄道の青い線が太い。

よく見ると、スカイツリーシャトル(東武バス)があちこちを走ってるし、直接スカイツリーにつながらない東武東上線(池袋-和光市)まで描いてあったりする。

でも、この路線図は「うちは東武グループですんで」とは一言も言っていない。なんかちょっと他より目立っているだけ。

これに「なるほどですね」と心の中でつぶやくのが、大人の階段の3段目くらいで身につける所作だと思う。

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志摩スペイン村の「交通アクセス」より。

こちらは三重県伊勢志摩になる志摩スペイン村。このインディーズ路線図にも、隠された意図がある。

パッと見、鉄道以外に道路の情報もたくさんあり、あらゆる交通手段で来れますよ!というアピールを感じる。情熱の国スペインならではの熱い思いがそこにある。

と同時に、志摩スペイン村は近鉄グループなのだ。

地のベージュ、有料道路のピンク、名鉄線のオレンジなど、赤~黄色のパレットで構成された線のなかに、目の覚めるようなブルーの近鉄線が見える。

まるで水脈のように引かれたラインは、今日も乗客を伊勢志摩へ誘う。

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隠す気がない場合もある

ここまで鉄道会社系インディーズ路線図に隠された意図を見てきた。

まるでダヴィンチコードのような謎解きの楽しさを感じてほしいが、一方で、全く隠す気がないインディーズ路線図もある。

例えば、新宿駅に併設する「新宿テラスシティ」。新宿西口ハルク、小田急百貨店、新宿ミロード、新宿サザンテラスという、小田急資本の施設が並ぶ一帯なのだが……

indies02_04.jpg
新宿テラスシティの「交通のご案内」より

バリバリの小田急線推しである。

路線は太いし、フォントは大きくて白抜きだし、駅名を囲む線も二重だ。ここまで来るといっそ清々しい。僕がハリウッドザコシショウなら「でさぁね」と目をむいて言うだろう。

* * * * *

なんかここだけ○○だな、と思ったとき、裏に作り手の意図がある。

その意図を探ることが、インディーズ路線図の醍醐味のひとつだ。次回「どこからでも来れます!観光協会編」で、その醍醐味をさらに深掘りしていこう。

 

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