小出し記事 2020年12月8日

インディーズ路線図とはなにか ~どこからでも来れます!観光協会編~

鉄道会社以外のところが作ったなんらかの路線図を「インディーズ路線図」と呼んでいる。

今回は「観光協会が作ったインディーズ路線図」を見ていきたい。みんなどうか我が故郷に来てほしい、そんな切なる思いが込められているのだ。

編集部よりあらすじ
路線図ファンのライター井上さんが、熱量高く見守っている「インディーズ路線図」シーン。その楽しみ方を知れば人生がより豊かになることまちがいなしです。前回は鉄道会社が運営する施設を観てきましたが、今回は観光協会編!

1975年宮城県生まれ。元SEでフリーライターというインドア経歴だが、人前でしゃべる場面で緊張しない生態を持つ。主な賞罰はケータイ大喜利レジェンド。路線図が好き。(動画インタビュー)

前の記事:インディーズ路線図とはなにか ~えこひいき!鉄道会社が運営している施設編~

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※小出し記事は書けたところから即、小出しに公開する連載企画です!

来てほしい気持ちが筆を走らせる

鉄道会社が作る路線図(メジャー)は、自社の鉄道路線がどこを走っているかを示している。複数の路線があればそれを網羅するのが当然だ。だってみんなに乗ってほしいから。

対して、鉄道会社以外が作る路線図(インディーズ)は、「ある場所」を案内するために描かれている。1点にフォーカスが集中していると思ってほしい。

となると、「ある場所」に来てほしければ来てほしいほど、路線図に描かれる範囲が広くなる傾向がある。だってみんなに来てほしいから。

その熱量が、観光協会が作るインディーズ路線図を魅力的にする。

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大阪観光局の「関西の全路線ネットワーク」より。

例えば大阪観光局「関西の全路線ネットワーク」は、大阪を中心にJR・私鉄・地下鉄が全部1枚の路線図に載っている。

2つの空港に新幹線、金剛山ロープウェイ、万博開催予定地の夢洲までカバー。苦心して梅田周辺の駅をつなげているところも含め、大阪を満喫してほしいという思いが詰まっている。

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鎌倉観光公式ガイド(鎌倉市観光協会)の「アクセス」より

「鎌倉観光公式ガイド」で公開されている鎌倉への交通アクセス。羽田空港や東京、大宮などから、最短経路で鎌倉へ向かえる路線を選抜。まさに「いざ鎌倉」である。

注目したいのは、湘南モノレール、江ノ電、小田急江ノ島線(藤沢以降)の駅が、急に細かく刻まれているところ。鎌倉周辺の観光地に寄ってもらうためだ。遠方はざっくり、近辺はじっくり。この路線図には2つの縮尺が混在する。

思いが海を越えることも

うちの観光地に来てほしい、その熱い思いは海を越えることがある。日本は島国だ。北へ南へ、見どころはたくさんある。

するとどうなるか。答は簡単。飛行機が飛ぶ

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根室市観光協会の「アクセス」より

根室市観光協会のサイトにある「飛行機・JR・都市間バスでのアクセス」。北海道内から根室へは、JRとバスがつながっている。でも本州からのアクセスは飛行機だ。かといって日本列島全体を載せると、北海道はどうしても小さくなってしまう、

そこで、太平洋側に空いたスペースに、本州以南を大胆に配置。仮想空間にある東京・名古屋・大阪から釧路へ、動脈を思わせる赤いラインが飛ぶ。

ただ、道内からの航路も釧路に飛ぶし、釧路が画の中心にあるしで、どうしても釧路に目を引かれてしまう。視線を右にズラせば、ピンクで大きな「根室」の字が眩しい。

* * * * *

範囲をどこまで広げるか、どこまで詳しく書くのか。そこに作り手の葛藤があり、願いがある。次回「○時に出れば間に合う!学校編」では、さらに利便性を追及した例を見ていきたい。

 

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