ビンゴの作り方講座
ビンゴを作る上で、ランダムに数字を並べるの地味に大変だなーと思っていたのだけど、Excel的なソフトで下図のとおり関数を駆使したらいい感じにできたので、今後ビンゴを作りたいひとがいたら参考にしていただけたらと思う。
ランダムに数字を入れる関数なんて知らなかったな。今後は見積書にもランダム関数を取り入れて周りをあっと驚かせようと思う。
ビンゴ。与えられた5×5四方のカードの数字を揃えていく、言わずと知れたパーティーゲームである。あの、当たらないやつだ。幼少期は誕生日会や学校のイベントで、大人になってからは結婚式の二次会などで、各々の人生の節目に寄り添ってきたゲームである。
さてこのビンゴ、これまで当然のように5×5マスのカードを与えられてきたけど、果たして本当にこのボリューム感が適正なのだろうか、とふと疑問に思った。
試してみよう。
今回は、以下のマス目のビンゴカードを用意した。
いろんなビンゴを試すため今回は「デイリーポータル Zをはげます会」の方々に参加いただいた。はげましてくれてありがたいなー。
さて、はじめに他のビンゴと比較するため普通のビンゴカードで普通にビンゴをした。
ごく普通に進んだので詳細は割愛するが、ビンゴマシーンを回し、数字を読み上げ、穴を開けていく、というビンゴを純粋に楽しむだけの時間がなんだかとても新鮮だ。
ビンゴってだいたいアルコールや豪華景品とセットだろう。こんな平常心で数字を追うことってなかなかない。
かかった時間は14分。5人でビンゴをするとこれくらいの時間でゲームが終わることがわかった。肌感覚として長くも短くもないちょうどいい時間だと思う。
回した数字は30個。75まで数字があるためちょうど40%まわしたところで1人ビンゴが出た、ということだ。へぇー。
それぞれ星3つ、これを基準としよう。
通常のビンゴも悪くないが、もう少しスピード感があってもいいんじゃないだろうか。ということで用意したのがこちら。
この日の最大瞬間風速は、間違いなくこの3×3ビンゴがもたらした。
通常のビンゴは、5×5の25マスで最大の数字が75。つまり1/3の確率でカードに書かれた数字が出る計算になる。この3×3マスも同じ確率で当たるよう、最大値が27になるよう割り振った。
27までの玉をガラガラに詰めてスタートだ。
北向:では1つめ…”2!”
しいな:リーチ!
ミズニー:リーチ!
そうなのだ。真ん中が最初から開いているのでひとつ開けばリーチがかかる。
このめちゃくちゃなスピード感、たのしい。変だ。
古賀:ひとつひとつの数字の重さが違いますね。1票の重さがある
5人いれば、数字が発表されるたびに誰かがリーチになる。ややもするとビンゴされてしまう。いつ自分が斬られるのか、ずっと緊迫感が続く。
石川:これで勝ち残った人が次の戦いに進む感じですね
そうか、ビンゴの予選だ。ダイジェストで振り返られるやつ。
昼休みにパッとできますね、とのこと。これはこれでかなりアリだ。
さぁどんどんいこう。逆に数字を増やしたらどうなるか、ということで作ったのがこの「7×7ビンゴ」である。
問題作、のつもりで用意してきたのだけど、終わってみると意外や意外、もっとも評価が高かったのがこの7×7ビンゴだった。
ビンゴの玉は75までしかないため、ここでは1〜147までのランダムな数字をパソコンに表示させて進めていくことにする。
15、146、28と番号を発表していく。
さっきとは打って変わってゲームが進まない。5×5ビンゴが終わった14分を経過しても誰ひとりリーチすらしないのだ。
ビンゴまでどれくらい時間がかかるのだろう。確率とか、そういうのに強いひとがいればパッと理論値なんかが出たりするのだろうな。
おれにはわからない。なので、作って、試す。
古賀:ない…あるじゃん!こりゃ見逃すな
石川:北向さん、34ありますよ
北向:あ、ありがとうございます
みんなでフォローしあいながら進める、団体戦のような気分である。
老後の余暇に合うなと思う。決して悪いものではない。
先述のとおり、このなかなか終わらない7×7ビンゴが意外と人気だった。なぜだろうと考えたけど、他のビンゴよりもコミュニケーションが多かったからじゃないかと思う。
「時間がかかるわりに頭を使わないので、協力し合ったり、分析しはじめたのが楽しかった」と参加者から感想が出たように、通常のビンゴでは発生しない会話の時間があったのが良かったのではないだろうか。
ビンゴは、その実は単純な”運ゲー”だ。もちろん、物事の順序を決めるシステムとしてはとても優秀なのだけど、景品などの賑やかしを一切取り除いて裸にすると勝ち負けなどはあまり気にならない、戦略性の薄いものだ。
なので、”ゲーム単体のおもしろさ”より、”会話のおもしろさ”に重きを置いたときに、その会話が促進された7×7ビンゴが人気を集めたのだと思う。
よかったー!実に所要時間41分、ボールの総数86個という長旅をクリアした。
一方で”せっかちなのでもう少し時間が短いといい”、”爽快感から最も遠い”という声も。参加者の性格にかなり左右されるバランスなのかも。
さて、最後はさらにマス目を増やして9×9である。
とはいえ、先ほどの7×7と同じ要領でやっていたら終わりが見えない。なのでMAXの数字を5×5のビンゴと同じ75に設定した。
算数が苦手でもわかることがある。それは「時間は有限である」ということ、そしてこのビンゴの会場は14時半までしか使えない、ということだ。
古賀:わたしのやつ、14が4つあるよ!?超楽しみなんだけど!
こりゃ最高だな〜、とのこと。ぜひ当てて古賀ファイヤーを吹かせて欲しい。
さてこのビンゴ、序盤からポンポン当たる。何せほとんどの数字が自分のカードに書かれた数字だからだ。しいなさん曰く「ぷよぷよと似た爽快感」とのこと。あーなるほど、この一気に数字が開ける感じ、今までのビンゴにはない感覚である。
と、まぁ幸先はよかったのだけど、これがなかなかビンゴまではたどり着かない。数字があくにはあく、が、何せ9つ揃えなくてはいけないのだ。
製作者的にはこの9×9マスに期待していたのだけど、序盤の無双感も慣れてしまうと揃うまでは中だるみするものだなぁ。試してみるまでわからないことは多い。
さらにあたる確率をあげて普通のビンゴと同じくらいの時間でクリアできるようにすると楽しいかも。バランスの調整が必要そうだ、というのが総意だ。
4つのビンゴを終えて、しいなさんの「ゲラゲラ笑うなら3×3、シラフでじっくりやるなら7×7推しです」という言葉が的を射ていると感じた。
とはいえ、参加者が口を揃えて言っていたのが「5×5マスってちょうどいいんだ」ということ。ある程度盛り上がり、かつ適度な時間で1ゲームが終わるこのボリュームがやっぱりバランスとして最善だったのだ。
この記事の冒頭で5×5マスのビンゴに疑問を呈した自分に伝えたい。ビンゴは、先人たちの試行錯誤の結果、なるべくして5×5マスになったのだ、と。
ビンゴを作る上で、ランダムに数字を並べるの地味に大変だなーと思っていたのだけど、Excel的なソフトで下図のとおり関数を駆使したらいい感じにできたので、今後ビンゴを作りたいひとがいたら参考にしていただけたらと思う。
ランダムに数字を入れる関数なんて知らなかったな。今後は見積書にもランダム関数を取り入れて周りをあっと驚かせようと思う。
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