特集 2021年2月10日

「都道府県七並べ」というゲームを考案した

100円ショップで売っている、都道府県かるたというカードをみつけた。

各県の特色や特産品などをよみこんだかるたで、おそらく全国のダイソーで売っていると思う。

この、県が書かれたカードをつかって、七並べができそうだな……と考えたので、実際にやってみた。

鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。(動画インタビュー)

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かるた以外で使えないか

ダイソーで売っている都道府県かるたはこちらだ。

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ちゃんとしている

絵札には、ひらがな、県の形、そして裏側に県の特徴と有名なものが3つ書いてある。

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かるたなので、ひらがなと県名が連動しているわけではない

つくりがとても良いので、かるたとして遊ぶ以外にも、なにかこう、べつの遊びにもつかえないだろうか。

都道府県は、県境を介して、隣の県とつながっている。隣の県のカードをどんどん置いてつなげていき、最初にぜんぶ出し切った人が勝ち。つまり、七並べのようなゲームはできないだろうか。と、考えた。

ひとまず、ルールは以下の通りに決めてみた。

都道府県七並べルール
 
(プレイヤー人数)ゲームは、3人か4人で行う
 
1)県カードをよく切って、全員に均等に配る。
2)余った県カードを場に置く。
3)じゃんけんで勝った人から、場の県カードに隣接している県カードを置いていく。
4)パスは1回のみ。
5)県が置けなくなったら負け。手持ちの県カードを全部場にひらく。
6)最初に県カードが無くなった人が勝ち。
7)県の繋がりは以下の通り。
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トンネル、橋などで繋がっている部分はつなげた。沖縄は鹿児島県のみと繋がっている

すなわち、七並べのように、隣接する場所だけにカードが置けるというルールを、都道府県の並びに適用したわけだ。

ゲームマスターがいればオンラインでできる

さて、この都道府県七並べ。

本来であれば、一組のカードをプレイヤーに分配し、どんなカードを持っているかわからない状態でやらなければ、ゲームとして成立しない。

しかし、リモートでもゲームマスターをひとり決めれば、実際に全員が集まらなくても、オンラインでもできるのでは? ということに気づいてしまった。

つまり、ゲームマスターが、県カードをそれぞれプレイヤーの人数分で分配し、それに沿った県カードリストを作り、各プレイヤーに個別にメッセンジャーで送る。受け取ったプレイヤーは、その県リストの中から一つずつ場に出す県を発表していく。
そして、場に出された県は、ゲームマスターが画面共有で白地図を共有し、色を入れていけばよい。

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今回、白地図は「白地図ぬりぬり」というサイトを使用した

完璧だ。

しかし、計画の完璧さと、ゲームのおもしろさというのは別問題である。というわけで、この「都道府県七並べ」がどれほどおもしろいのか、じっさいにやってみた。

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左上から、ゲームマスターを務めてくれる編集部の古賀さん、ライター西村、編集部林さん、左下から、編集部藤原くん、ライターのほりさん

ひとまず第一回戦。古賀さんがよく混ぜて均等に分配した県カードを、リストに書き起こし、メッセンジャーで送ってくれた。

プレイヤーが黙々と県リストと手札のカードをそろえる時間が流れる……。

実際、ゲームを進める上では、プレイヤーにカードは必要なく、完全に気分を盛り上げるものだが、やはり気分は盛り上げるに越したことはないので、律儀にそろえた。

「……ランダムにならんでいる県カードと、ランダムにならんでいるリストを突き合わせる作業が、プログラムの確認作業みたいですね」

西村「えーと、足りない県はどれだ……イバあぁあ〜、うっかり手札を言いそうになっちゃった」

古賀「あれ、いま言っちゃいました?」

ほり「これ、(自分の手札は)とんでもなく弱いですよ。手札のカードがめちゃくちゃ不利なんですけど」

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スタート県は山形、京都、岡山

第一回戦のスタート県は、山形、京都、岡山。ジャンケンで順番は、ほり>西村>藤原>林となった。

古賀「では、ほりさん、最初の札をお願いします」

ほり「秋田県」

西村「秋田ですねー」

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記念すべき最初の県は秋田県!

ほり「たのしいです! これ!」

西村「え、もう? はやすぎでしょ!」

このゲームの攻略ポイントは?

さて、このゲーム、序盤はひたすら地図を埋めていく……という展開になりがちだ。

なぜなら、普通の七並べは、隣接しているカードが2つしかない。しかし、都道府県は違う。たいていの県は複数の隣接県をもっている。したがって「県カードが出せなくてパス」という局面はなかなかない。

そんなわけだから、県カードは順調に場にひらかれていく。そして2巡目の林さん。

「それじゃあ、香川」

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なにをどうしたら勝てるのか?

「ほりさん、このゲーム性ってどんなところにあるんですか? とめるといいってこと?」

ほり「そうですね、山口とか、青森とか、必ずその県がないとその先に県が置けないところを止める(わざと出さない)んです」

古賀「鹿児島とか?」

ほり「そうですね」

「じゃあ、おれがさっき堂々と四国に橋わたしちゃったのはまずかったんだ」

ほり「四国が解放された……」

西村「あ、でも、四国は岡山と香川だけじゃなくて、広島と愛媛が繋がってますし、兵庫と徳島もつながってるんで、そうでもないですよ」

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西日本のつながりはこんな感じです

「あ、よかった」

古賀「では三巡目、西村さん」

西村「あ、どうしようかな……これ出しちゃうか……長野です」

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長野解放〜

古賀「ながの! 領土がでかい」

ほり「あ、いいですね、長野」

西村「長野県は日本でいちばん隣接県があるんです」

古賀「え、そうなんだ……なんで出しちゃったの?」

西村「……」

古賀「長野解放しちゃったらめっちゃ置けちゃうんじゃないですか」

西村「やっぱり、出さないほうがよかったですね……」

ゲーム考案者のくせに、攻略法がよくわかってないことが露呈した。長野みたいに隣接県が多い県は、いつでも置けるから、ヤバいというときまで温存しておいたほうがいいのだ。

古賀「では、林さん」

「長野と愛知ってつながってんだ……では富山! ありがとう、長野」

最後の3、4枚で駆け引きが一気に来る

さて、何巡かするうち、カードが場に出されていき、本州の県はほぼ埋まってきた。

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ほとんどの県がうまったが……

しかし、よく見ていただくと、九州がまるごと埋まっていないのがわかるとおもう。この時点で各プレイヤーの手札の数は3〜4個。山口、福岡がうまらないことには、九州に県を置くことができない。
そしてさらに、青森が埋まってないのも不穏である。北海道を持つプレイヤーは負けてしまう可能性が高い。

手札の読み合いが始まった。

まず最初に動いたのは、ほりさん。ほりさんは敢えて一回目のパスを使った。その後、西村が島根を埋めたあと、藤原くん、林さんがたて続けにパス。

パス権は一回だけなので、次の順番でほりさんは仕方なくここで山口を置く。山口を止めてたのはほりさんだったのか〜! ほりさんいわく「全員を道連れにしようとおもった」らしい。

ここで、各プレイヤーが持っている残りの手札をお見せしてしまおう。

ほり(パス権0):北海道・沖縄
西村(パス権1):熊本・長崎
藤原(パス権0):青森・大分・宮崎
林(パス権0):福岡・佐賀・鹿児島

そして、現在の場の様子はこちら。

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西村「山口が出たとしても、安心はできないですよ! 福岡が出ないと、僕はパスです」

古賀「西村さんパス! 次、藤原くんどうでしょう」

藤原「青森県」

「なんでパスすんの、さっき!」

藤原「山口が出ないことには先に置けなかったから、他の人に北海道出されるよりかはいいので」

あんなに和やかだった序盤とはうってかわってムードが緊迫しはじめた。

古賀「次、林さん!」

「そうか、俺か。……福岡」

西村「(やっと)でたー」

古賀「次はほりさんです」

ほり「北海道!」

ほりさんが懸案の北海道をやっと場に出すことができた。残るは、九州の各県のみ。このあと、西村が熊本を埋め、いよいよ、だれがどんな順番でうめるのかで勝敗が決まる感じになってきた。

あらためて手札のカードをみてみよう。

ほり(パス権0):沖縄
西村(パス権0):長崎
藤原(パス権0):大分・宮崎
林(パス権0):佐賀・鹿児島

そして場の残りはこちら。

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続いて藤原くんは大分を埋めた。そして、キーとなる県を2つ持っているのが林さんだ。佐賀も、鹿児島も、その先にある長崎や沖縄を置くためには必須の県なので、林さんがどちらを出すかで勝敗が決する。
 
 

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佐賀

「……佐賀」

ほり「佐賀かぁー……」

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崩れ落ちるほりさん

古賀「ほりさん」

ほり「はい、無理です」

ここで、ほりさんが脱落。手札に北海道と沖縄の両方があったのはやはり厳しかった。ほりさんが最初に「手札が弱すぎる」と言っていたのはこのことだったのだ。

そして、佐賀が開いたことにより、助かったのは、長崎を持っていた西村で、一抜けとなった。

順位は、1位・西村、2位・藤原、3位・林、4位ほり、の順番であった。

ほり「ぼくが早く山口を開放していれば助かったのかもしれない……」

古賀「でも、そこは戦略で勝負かけたわけですから」

ほり「余計なことしなくてもよかったですねー」

古賀「物語の緩急をつけてくれたんです、ほりさんは」

古賀「やっぱりちょっとたのしいですね、地図が埋まって行く感じはたのしいですよ」

「やっぱり、薩長なんですね、キーとなる県はなぜか」

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新ルールを追加してみた

以上のような感じで、最後は意外と盛り上がった。
とはいえ、である。このゲームの序盤は、置ける県がわりと多いので、いささか作業っぽくなってしまうという難点がある。そこで、ちょっと複雑になってしまうが、追加ルールとして「縛りカード」ルールをつくってみた。

縛りカードルールは以下の通りである。

■縛りカードルール

0)縛りカードありの場合はパス権2回。
1)プレイヤーは、パス権を1回使って、縛りカードを引くことができる。(縛りカードの種類は指定できない)
2)縛りカードの効果は、縛りカードを引いたプレイヤーから発動し、一巡するまで効果を発揮する。
3)プレイヤーは、縛りカードの条件に合う県カードを強制的に出さなければいけない。条件に合うカードを持ってないプレイヤーはパスしなければいけない。
4)縛りカードの種類は次のとおり。

  1. 海無し県のみ出せる。(滋賀は海無し県)
  2. 東日本のみ出せる。(新潟、長野、静岡以東)
  3. 県庁所在地と都道府県名が違う県のみ出せる。(埼玉は違う県)
  4. 海あり県のみ出せる。
  5. 西日本のみ出せる。(福井、岐阜、愛知以西)
  6. 県庁所在地と都道府県名が同じ県のみ出せる。(東京は同じ県)

5)縛りカードは一度引くと、同じカードはもう使わない。
6)縛りカードの条件に該当する県が全て場に出ている場合は、効果無しとなり、次のプレイヤーが普通に出して良い。

西村「以上です。ちょっとややこしくなりますけど、このルールによって、序盤での駆け引きが増えるのではという目論見です」

「これって、なにか見ていいですか?」

西村「どうぞ、地図帳とかを見ながらやってもらってかまわないです」

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第2回戦のスタート都道府県は岩手、山梨、兵庫

第2回戦、スタート都道府県は、岩手、山梨、兵庫。順番はほり>林>藤原>西村となった。

トップバッターのほりさんが、神奈川県を置いたあと、林さんが「あれ?」と言い出した。手札に、場に出ている県に隣接する県カードがないという。

序盤で手札が悪いと、こうなる可能性は十分ある。このゲーム、戦略性よりも運の要素が若干強めかもしれない。

しかしながら、林さんは山梨県に隣接する埼玉県を持っていたので、事なきを得た。

以降、ゲームは滞りなく進むものの、貴重なパス権を消費してまでカードを引く人はあまりいない。

3巡目に林さんが「いたずらに縛りカードを使ってみたい」ということで、「県庁所在地名と県名が違う県のみ出せるカード」が発動された。

林さんが愛媛(松山)、藤原くんが茨城(水戸)、西村が宮城(仙台)、ほりさんが香川(高松)と、なんとか全員が出すことができてセーフとなった。

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全員セーフだった最初の縛りカード

縛りカードは出すタイミングがむつかしい。県の数が少なくなってから引けば、敵に強制的にパスをさせる確率が上がり、有利かもしれない。しかし、自分もカードの指示に合う県カードを場に出さなければいけない。ということは、手札のカードがまだそこそこあるときに使ったほうが良いようだ。

ゲーム後半、ぼくは置ける県が少なくなったこの状態から「縛りカード」を使ってみた。自分で言うのもなんだが、鬼畜の所業である。

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ほとんど埋まってる状態で縛りカードを使うとどうなるのか

出たカードは「海あり県のみ出せるカード」であった。現在、まだ埋まってない県が、福島、三重、滋賀、宮崎、佐賀、長崎で、
あまり意味がなかった気もするが、手札1枚の藤原くんがパスすることに。これで、藤原くんが滋賀県しか持ってないことがわかった。
藤原くんは、ひとつ前の番で青森が開いたのが嬉しく、うっかり北海道を置いてしまったため、この番で滋賀を出すことができなくなったのだ。
そして、西村が三重県を出して、上がりとなった。2連勝である。
自分で作ったゲームで人を集めて自分で勝つ。やっていることはジャイアンだと、古賀さんにたしなめられた。

さて、ほりさんの番。

ほり「これって長崎置けないですよね……ということは、(すでにパス権を2回使っていたため)ドボンです! 2回連続ビリだ……」

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長崎は佐賀としか接続してないんです……

「佐賀けっこうキーポイントになる県ですね」

古賀「佐賀が光ってますね、このゲーム」

ほり「佐賀は重要ですねー」

古賀「じゃあ、林さん出してください」

「……佐賀」

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はい、佐賀県

西村「冷酷な殺し屋みたいだ」

ほりさんは、2回戦とも、林さんの佐賀県カードが致命傷となってドボンしてしまっている。恐るべし、佐賀……。


なかなかおもしろかった

結局、第2回戦は、1位西村、2位林、3位藤原、4位ほり……ということになった。

ほりさんのアドバイスによれば、縛りカードの使い方は、パス権をつかうのではなく、全員1回は使えることにしておき、カードの種類は早いものがちで種類を選べる……。という方がわかりやすいかもしれない。とのことだった。

県カードも、100円ショップの都道府県かるたを買ってきて、カードに自分で隣接県、県庁所在地、海のありなし、西日本、東日本などの情報を書き込んでしまってもいいかもしれない。

都道府県七並べは、ぼくがぼんやり思いついたゲームで、ルールも最初は手探り状態であった。しかし、なんどかやっていくうちにルールがだんだん固まりつつある。そしてなによりも意外とおもしろかった。

最初の作業っぽい時間でさえ、塗り絵みたいでいい。という意見さえあった。

いずれにせよ、このゲームはもうすこし、ブラッシュアップしていきたい。

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