1時間ほどで小豆島に到着
退屈するほど長くもなく、せわしないほど短くもないちょうどいい時間で小豆島が見えてきた。(とはいえ瀬戸内海はスマホがつながるので退屈することもあまりないが)
小豆島のこちら側はかなり削り取られているが、実は小豆島の石は大阪城の石垣にも使われているらしい。
当時はもちろんダンプカーなんてなかったので大きな石を運ぶとなると船になり、瀬戸内の島は都合が良かったのだろう。
上陸の準備をするように船内放送が流れると自分の車に戻って待つ。
乗る時には後ろ側の扉から乗ったので乗り込んだ時と接岸する側が逆だ。降りる時も前進で降りられるように考えられている。
扉が開くと誘導に従ってフェリーから人と車が島中に拡散していく。
小豆島は観光で人気があるため、かなり遠い地域のナンバープレートの車も多い。僕のような不慣れなドライバーにも手厚く、初見でも戸惑うことはなかった。
ここから少し小豆島を観光してみる。
離島らしからぬ小豆島
小豆島の銚子渓の猿に餌をやったり、
香川県内でも有名な紅葉スポットの寒霞渓で紅葉を見たり、
小豆島名物の素麺を食べたり。
小豆島は前述の通り大きな島だが、それ以上に小豆島は離島っぽさが少ない。
瀬戸内海には多くの島があるが、信号機が1つもない島も多いし、「病院が一軒もないので怪我しないでくださいね」なんて言われる島もある。
小豆島は本州や四国と同じ様なコンビニやスーパー、もちろん病院もたくさんあり、一見すると全く島っぽくない。
フェリーに乗り損ねると帰れなくなる
離島っぽさがない小豆島とはいえ、橋でもトンネルでも繋がっていないということはフェリーに乗り遅れると島から出られない。
そんな心許なさから随分と早い時間に大部港へと戻ってきた。
来た時には気づかなかったが、大部港への道は小さな路地だ。気をつけなければ通り過ぎてしまいそう。
大部港のフェリーのりばは建物の一階が車の待機スペースとなっていて、
車を止めて階段を上ると、
二階に待合室がある。
まだ時間があるのでフェリーの時間までこの喫茶店で時間を潰すことにした。
店内にはすでにフェリーを待つお客さんで混雑している。
とっぷりと日も暮れ、窓から待ち望んだフェリーがやってくる。
暗い海に煌々と灯りをまとったフェリーは格好いいを通り越して神々しい。
勇姿を目に焼き付け、最後の大部〜日生間フェリーの乗船に向かう。
帰りのフェリーでは窓の外は真っ黒で、みんな疲れて寝てるんだか起きてるんだか分からないような、まどろみながら船に揺られる時間がたまらない。
そんなまったりとした時間を期待していたが、段々と船が揺れ始め。ドッカーンと船体に大きな衝撃。乗客みんなは何事かと飛び起きた。
揺れる船内を手すりや壁をつたいながらデッキに出ると、おだやかな瀬戸内海では珍しく遮蔽物の陰にいないと立っていられないほどの風。
先程の衝撃は船体に大きな波がぶつかった音だった。再び同じ様な衝撃ののち、水しぶきが船体よりもはるかに高いところを飛んで行く。
高校生たちは元気にはしゃいでいたが、小学生くらいの子供たちが来ると「危ないからやめた方がいいよ」と諭して客室に返していた。