骨格標本は家で作れる
こちらがインターメディアテクでの様子。スタッフの方が慣れた手つきで、時には来館者とおしゃべりしながら、骨格標本をつくっているところを見ることができる。
母は自宅で学習塾を経営していて、塾生の自由研究(魚の目玉を集める)で残った魚の骨をくっつけて標本にしたと言う。大変だけど意外と家で出来ちゃうもんだよ、と笑っていたので、さっそく、わたしもやってみることにした。
手順その1 魚を煮る
まずは下準備。魚を捌いて煮るところから始めよう。
1尾400円前後とお手頃価格だった。小さい方が骨が少なくて楽かと思いきや、体が小さい分骨も小さく細くなるので、難易度があがるらしい。
魚屋さんに言えばウロコと内臓の処理はしてくれるのだけど、こうやって自分で捌いてみると、なんかこう……わたしがすべてを理解してやるぜ……というやる気が満ち満ちてくる。
手順その2 身から骨を取り外す
さあここからひとつ目の難所だ。煮魚を食べつつ、骨を一つ残らず集めよう。
骨同士がどんなふうにくっついているのか、パーツの位置関係が思い出せるように記録をたくさん残しておこう。のちほどバラバラになった骨らを見て途方に暮れることになるから。
骨も身も味わって一石二鳥
煮魚から標本をつくる醍醐味は、骨を拾うだけでなく、じっくり魚を味わえることだろう。
煮付けた魚は時間が経つほどしっとり味がしみておいしいし、食べ進めると、こんなところにも身があったのか!と驚くことばかりだ。
小骨はマインスイーパの爆弾みたいにランダムに隠れているわけじゃないんだ。ちゃんと隠れ家を突き止めたから、もう怖がることはない。
こんなに骨ってたくさんあるんだ!と驚くとともに、骨一つ一つに既に名前が与えられていることにも恐れ入った。
洗浄のあと、ハイターやパイプ洗浄剤で漂白したり、アセトンで脱脂をするとより細かな肉が取れて、白くきれいになるそうだ。小さく細い骨は溶けたり脆くなってしまう可能性もあるので、そのへんはお好みで。
グルーガンとまな板シートはマストアイテム
いよいよ標本の要、バラバラになった骨を元の姿に戻していく。
接着剤を使うときは、下にまな板シートを敷いたらとてもよかった。まな板シートは材質のおかげか、接着剤が垂れてもくっつかず拭き取りやすい。作業台と骨と余計なものがくっつくイライラ地獄から私を開放してくれる。