特集 2023年12月15日

煮魚から骨格標本をつくる

骨格標本ってかっこいい。

先日東京駅横の商業施設に入っている「インターメディアテク」という博物館で、骨格標本の作成作業を見て、自分でやってみたいという気持ちがムクムクと湧いてきた。

子どもの頃通っていたお絵かき教室の先生は、みちっぱたにあるタヌキの亡骸を、土に埋めて白骨化したところで掘り起こして標本にしていた。

ちょっとそこまでのことはできないな……考えあぐねていたところ、母が煮魚から標本が作れると言うのだ。

まちを歩くのと建物が好きで不動産会社に入りました。
休日は山を登り川を渡り海で石を拾います。

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骨格標本は家で作れる

こちらがインターメディアテクでの様子。スタッフの方が慣れた手つきで、時には来館者とおしゃべりしながら、骨格標本をつくっているところを見ることができる。

骨格標本制作の様子(【 東京駅直近の博物館「インターメディアテク」で骨格標本作りについて聞いてきた|ほとんど0円大学|おとなも大学を使っちゃおう 】 より)
一方、こちらは母がつくった骨格標本と骨の図鑑。

母は自宅で学習塾を経営していて、塾生の自由研究(魚の目玉を集める)で残った魚の骨をくっつけて標本にしたと言う。大変だけど意外と家で出来ちゃうもんだよ、と笑っていたので、さっそく、わたしもやってみることにした。

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手順その1 魚を煮る

まずは下準備。魚を捌いて煮るところから始めよう。

魚屋さんで見つけたのは、チコ鯛という20cmほどの小ぶりな鯛。

1尾400円前後とお手頃価格だった。小さい方が骨が少なくて楽かと思いきや、体が小さい分骨も小さく細くなるので、難易度があがるらしい。

鱗を取って
お腹を切って中をきれいに洗う

魚屋さんに言えばウロコと内臓の処理はしてくれるのだけど、こうやって自分で捌いてみると、なんかこう……わたしがすべてを理解してやるぜ……というやる気が満ち満ちてくる。

お好きな塩梅で煮つけてスタンバイ・OK!
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手順その2  身から骨を取り外す

さあここからひとつ目の難所だ。煮魚を食べつつ、骨を一つ残らず集めよう。

初めてのデートの気分で、ちまちま上品に丁寧に身を食べる。
ソッ…
/ 採取! \
食べ終わるまでに6時間かかった!
取り出した骨はそのつど余計な筋や皮を洗い落とし、部位ごとにまとめていく。
食べかけの写真で恐縮ですが、写真はたっくさん撮っておいたほうがいい。間違いなく。

骨同士がどんなふうにくっついているのか、パーツの位置関係が思い出せるように記録をたくさん残しておこう。のちほどバラバラになった骨らを見て途方に暮れることになるから。

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骨も身も味わって一石二鳥

煮魚から標本をつくる醍醐味は、骨を拾うだけでなく、じっくり魚を味わえることだろう。

煮付けた魚は時間が経つほどしっとり味がしみておいしいし、食べ進めると、こんなところにも身があったのか!と驚くことばかりだ。

特に気に入ったのは、肩の部分。しっとりみっしりした身がぎゅっと詰まっていたので、おいしい肉ポケットという称号を得た
目の下、頬の肉も食べごたえがある
そうそう、いつも一口目に必ず口の中を刺す小骨の回避策が見つかったのも個人的大発見だった。
この度ようやく、背骨から伸びる小骨がふわふわの身を支えていることがわかったのだ

小骨はマインスイーパの爆弾みたいにランダムに隠れているわけじゃないんだ。ちゃんと隠れ家を突き止めたから、もう怖がることはない。

これで大体全部かな

こんなに骨ってたくさんあるんだ!と驚くとともに、骨一つ一つに既に名前が与えられていることにも恐れ入った。

洗浄のあと、ハイターやパイプ洗浄剤で漂白したり、アセトンで脱脂をするとより細かな肉が取れて、白くきれいになるそうだ。小さく細い骨は溶けたり脆くなってしまう可能性もあるので、そのへんはお好みで。

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グルーガンとまな板シートはマストアイテム

いよいよ標本の要、バラバラになった骨を元の姿に戻していく。

使うものは瞬間接着剤とホットグルーガン。グルーガンは軟骨の代わりとして、骨の先端同士の接着に大活躍!

接着剤を使うときは、下にまな板シートを敷いたらとてもよかった。まな板シートは材質のおかげか、接着剤が垂れてもくっつかず拭き取りやすい。作業台と骨と余計なものがくっつくイライラ地獄から私を開放してくれる。

⏩ 元の姿に戻していこう

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