飯山満駅は、駅を出て5歩くらい歩くと別の町～難読駅へいってらっしゃい～

実は簡単に行ける

難読駅は全国のあちこちにある。地元の人でないとわからない読み方。ネットで調べたりして読み方を知ると満足してしまう気がする。これを書いている私はそうだ。実際に行こうと思ったことがなかった。 

ただ今回は行く。千葉県船橋市にある「飯山満駅」に向かうのだ。私が住む東京狛江市から。千葉に住んだことはないので、飯山満駅にはもちろん行ったことがない。最初に飯山満駅と聞いた時はどこにあるのかもわからなかった。

飯山満駅のある船橋市は、イケアがあって、ららぽーともあって、中山競馬場と船橋競馬場もあり、古くは船橋ヘルスセンターもあった。そんな市に飯山満駅はあるのだ。飯山満町は1丁目から3丁目まであるようだ。

飯山満の由来はいろいろあるそうだけれど、「米（飯）が山ほどできて満ちた土地」だからというものもあれば、「谷あいの場所（つまり狭間）」というものもある。実際に行ってわかったのだけれど、谷だった。坂道が多い街だった。

米はたくさん取れていたのだとは思う。飯山満町の隣に米ケ崎町があるので、この辺りは米の街だったのだろう。昭和の終わり頃に「芝山団地」が建設されたが、交通手段がバスのみで「陸の孤島」状態だった。

そして、1996年に今回の目的地である「飯山満駅」が開業する。割と最近できた難読駅なのだ。ちなみにここまで3回乗り換えたけれど、狛江からだと実は1回の乗り換えで行くことも可能。なんか遠い感じを出したくて、乗り換えをたくさんやってみました。 

初飯山満駅

到着した飯山満駅は普通の駅だった。難読駅なだけで、観光地というわけではないので、普通の駅なのだ。駅構内にはデイリーヤマザキがあり、北口と南口があり、北口には綺麗なロータリーがあり、スーパーなども見える。 

駅には町の名前が付いていることが多い。私がよく使う狛江駅は狛江市にあるし、日本橋駅は日本橋一丁目にある。もちろん多々例外もあるけれど、基本的にはそういう感じ。飯山満駅も例外なく飯山満町に存在する。

北口を出て、5歩ほど歩くと飯山満町ではなく、芝山になる。南口からはかなりの間、飯山満町なのだけれど、北口はすぐに芝山という別の町になるのだ。その後地図で確認すると、駅が境界という感じで、芝山になっていた。

駅からすぐの高架の下を突き抜ける道路の工事が行われていた。また南口の方では広い範囲で重機が地面を平らにしていた。きっとこれからさらにいろいろなものが建てられるのだろう。

北口から出て、団地群を抜けると、「ときめ木ロード」が現れる。ホームセンターやドラッグストア、マクドナルドなどの飲食店が並ぶ道だ。ときめ木ロードは右も左も芝山であることもあれば、右車線が飯山満町、左車線が芝山ということもある。

飯山満町は1丁目から3丁目までだけれど、芝山は1丁目から7丁目まである。向こうとこっちで違う町かと思いながら、「ときめ木ロード」を歩いていたら、「丸亀製麺船橋芝山」があった。ときめ木ロードにはなんでもあるのだ。

チェーン店の店舗名は町の名前が付いていることが多い。狛江にあれば狛江店のように。「丸亀製麺船橋芝山」もきっと芝山にあるから「丸亀製麺船橋芝山」ということだろう。

芝山ではなかった。彼は飯山満町だった。考えてみれば、新東京国際空港は成田にあったし、東京ドイツ村は千葉にあるし、ドイツでもなくて千葉だし、飯山満町にあったとしても、丸亀製麺船橋芝山と名乗っても問題なのだ。

歩く、とにかく歩く

飯山満駅周辺はベッドタウンという認識でいいと思う。綺麗な団地があり、お店もたくさんある。歩いて回ると幼稚園なども多く、緑もあった。暮らしやすいのではないだろうか。昔は米がたくさん取れたようだけれど、今は田畑が少ないように思える。 

歩き回っていると「ゆるぎ地蔵」というものがあった。江戸時代にこの辺りに大きな古松があり「揺ぎの松」と呼ばれていた。巨大な松で、根は地上にまで出ており、根方をくぐると鞘（さや）まで揺らいだのでその名がついたという。

その松が枯死した時に、里人が惜しみお地蔵さんを作った。それがゆらぎ地蔵というわけだ。ゆるぎ地蔵の像高は172センチ。ほぼ私の身長と同じということになる。それはゆるぎない。ほぼ同じ身長。ゆるぎない事実だ。地蔵の方は揺らいだから、その名前になったけど、私と地蔵の身長はゆるぎないのだ。

しばらく歩くと「大宮神社」もあった。古くは「蒟蒻神社」とも呼ばれた。この辺りで蒟蒻芋の栽培が行われたいたのでそう呼ばれていた。もっとも今は住宅街となり、蒟蒻畑は駅前のスーパーなどのマンナンライフの蒟蒻畑を除けば、見ることはできない。

神楽は1月7日と10月23日に演じられる。江戸時代末期にはすでに演じられていたそうだ。ベッドタウンに残る昔の息遣い。なかなかに情緒があるではないか。さて、そろそろ帰ろう。ということで、飯山満の無人販売でサツマイモを買って帰った。

飯山満産のフライドスイートポテト

なかなかに大きなサツマイモだ。私は常々、大きいことはいいことだ、と言っている。常に大きいものを求めている。無人販売で出会った時に、彼しかいないと思った。だって大きいから。しかも飯山満町の無人販売。飯山満町観光の締めくくりにふさわしい。

飯山満町にマクドナルドがあるのだ。全国どこでも同じ味を楽しめるマクドナルドだけど、難読駅のマクドナルドのハンバーガーと言われると美味しそうな気がする。どこのも美味しいけどね。

もちろん冗談である。飯山満町のお土産がマクドナルドのハンバーガーでは、味気ない気もする。せっかく飯山満町まで行ったのだから、ハンバーガーではない方がいいだろう。そこでこれです。

飯山満町にはマクドナルドがあるのだ。フィレオフィッシュなのだ。私は普段、マクドナルドでフィレオフィッシュを頼むことがあまりないので、飯山満町では思い切ってフィレオフィッシュにしてみた。美味しかった。

飯山満町で買ったサツマイモで作ったフライドスイートポテト。私はサツマイモで作るこの料理が好き。先に電子レンジで火を通してあるので、油は香ばしさをつけるためだけなので、火が通ったかな、という心配もなく簡単に作ることができる。

サツマイモの持つ甘みが引き出され美味しい。飯山満町の全てが詰まっている気がする。飯山満町をそこまで知らないけれど、5時間ほど歩いた結果、行き着いたのはサツマイモ。飯山満町味で美味しいのだ。

知らない街は楽しい！

飯山満駅の周りは暮らしやすい感じだった。これから駅前に道もできるみたいだし、便利になっていくと思う。問題点としてこれを書いている今も「飯山満」の読み方がしっくりこないこと。「はさま」って読めないよね。いいやまみつると読んでしまう。住まなければ、サラッとは読めないと思う。