特集 2020年12月25日

静かな海でアフォガートを食べる

アフォガートという食べ物がある。バニラアイスにエスプレッソコーヒーをかけたものだ。イタリアのデザートで温かいエスプレッソコーヒーが、程よく溶けたバニラアイスと絡み合い、苦味と甘みの共演がとても癖になる。

日本ではエスプレッソコーヒーが一般的だけれど、別になにをかけてもいいそうだ。そうなるとアフォガートの可能性は無限大。そこで自動販売機で売っている飲み物をバニラアイスにかけたいと思う。エスプレッソコーヒーを超えるものに出会えるかもしれない。

1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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> 個人サイト Web独り者 彼女がいる風の地主恵亮

アフォガートの美味しさ

寒い季節に食べるアイスは美味しい。夏に食べたって美味しいのだけれど、冬のアイスはまた特別な美味しさがあると思う。もちろん寒いので、そこに暖かさを少しばかりふりかけると格別な美味しさになるわけだ。 

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そこでアフォガートです!

エスプレッソコーヒーはそれだけ飲んでも十分に美味しい。バニラアイスもまたそれだけ食べても十分に美味しい。つまり、それを組み合わせることで生まれる「アフォガート」は二十分に美味しいということなのだ。

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エスプレッソコーヒーを、
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バニラアイスにかける!

手軽にできてしまうところも評価したい。かければ完成なのだから、朝飯前である。ただ朝飯前にアフォガートを作り、デザートとして食べる場合は朝食後ということなので、その頃はバニラアイスが完全に溶けてしまっているとは思う。

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いいですな!

美味しくて一人キャッキャとはしゃいでしまう。ただもっと攻めてもいいのではないだろうか。エスプレッソコーヒーでなくてもいいと思うのだ。アフォガートにもっと自由を、ということで、自動販売機に売っている温かい飲み物をバニラアイスにかけてアフォガートを作りたいと思う。

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自販機でいくつか飲み物を買って、
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海に来ました!
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静かなる海でアフォガート

冬の海は静かだ。波は白波をたてるが、夏の賑わいと比べれば静か。重たい雲が海を覆い、フランス絵画のような景色になっている。そんな海でアフォガートを食べる。どの飲み物が美味しいだろうか。 

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いろいろ買ってきました!

私は静かな冬の海に夏を思い出して欲しいと思った。アフォガートを食べた時、私は一人キャッキャとはしゃいだ。そうなのだ、アフォガートの美味しさではしゃぐ私により、海に夏を思い出させるのが目的なのだ。だから、私は海に来たのだ。

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まずは普通のブラックコーヒーを、
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かけて、
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食べます!

この記事、ジャンルで言えば「食レポ」ということになると思う。食べた私が感想を書くことで、美味しいか不味いかがわかるわけだ。ただ私は言葉ではなく行動で示したい。感想も書くけれど、言葉なんて所詮は泡沫の夢。行動で示したい。

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行動で味を示します
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これくらいの、
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美味しさです!
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寒い!

写真ではわからないという方もいると思うので、感想も書いておこう。

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夏でない時期の海は寒い。マジで寒い。塩辛さも増している気がする。夏の海ってこんなに塩辛かったかな。あ、アフォガード食べた後だから、塩辛く感じるのか。たぶん美味しいんじゃないか、寒くてわからないけど

これが現場での私の感想です。寒いのだ。

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次は日本茶!
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かけて、
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食べる!
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これくらい、
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美味しい!

日本茶によるアフォガートは今のような評価になる。一応、現場での感想を書いておこう。

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海が冷たい。海に入るのが2回目だから、お茶のアフォガートを食べている時点で寒い。とても寒い。震える。今年に入ってダイエットした影響もあると思う。例年のこの時期の海より寒く感じる

これが日本茶によるアフォガートの感想となる。味の感想より海の感想になりがちなので、やはり味は行動で理解して欲しい。寒いのに美味しいから海に入る、そういうことなのだ。 

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次はほっとレモン
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かけて、
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食べる
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味は、
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このくらい!

ほっとレモンなんて冷えた体に一番いい飲み物。現場での感想です。

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やり始めてからわかったんだけど、1缶毎に海に行くのではなく、全部食べた後にまとめて海に行けばよかったんじゃないかと思う。海から出て濡れた状態でアフォガートを食べている時が一番寒い。震えが止まらない

以上が感想となる。律儀に1缶毎に海に入っていることを、この時の私は評価して欲しかったようだ。

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寒いんだよね!
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引き続きアフォガート

味を行動で示す、というのを思いついた時に、実にわかりやすい味の表現法だと思った。ただ寒かった。しかしわかって欲しいのは、現状ではすべてのアフォガートで寒いと知っていながら海に入っている。つまり美味しいということなのだ、きっと。 

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とろーりコーン
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アイスにかける
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食べる
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味は、
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このくらい

じっくりコトコトとパッケージに書いてある。ただ海は少しで十分に冷える。じっくりコトコトの必要はない。

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コーンスープという甘さと塩辛さを持ち合わせてスープを、甘いバニラアイスにかけることで、コーンとバニラアイスの甘さを塩辛さが引き立たせ、デザートというカテゴリーから前菜というカテゴリーになっている。前菜とデザート、どちらが偉いかという話ではないが、コース料理の始まりの鐘を鳴らす一品になり得る味。考えてみれば、エスプレッソコーヒーをかけるアフォガードも飲み物自体に甘さというものはなく、そこにあるのは苦味。飲み物自体に甘みがない方がいいのではないだろか。コーンスープの場合は単体で甘さと塩辛さを持ち合わせている。そこにバニラアイスという甘みが加わり、一見、コーンスープのバランスが崩れるように思うが、コーンの甘みはバニラアイスの甘みと合うようで、しつこく感じることはない。また塩辛さが甘さの処理を知っている感じがする。甘さに天秤は傾くことになるが、必ずしも天秤は平行を保つ必要はないと教えてくれた一品

何を勘違いしたのか、これで最後だと思ってしっかりと感想を現場で言った。でも、全然最後じゃなかった。あと2つあった。震えが止まらない。

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オニオンスープ
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バニラアイスにかけて、
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食べる!
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味は、
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こんな感じ!

たぶんもうコーンスープの時のようには話せない。体温貯金は使い切った。

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寒い、とても寒い。あと味を行動で示すと言ったけれど、基本波まかせで、私が想定以上に濡れてしまっている。ただ美味しいとは思う、海に毎回キチンと行っているから

今となっては不味くあって欲しいとすら思った。不味かったら海に入らなくていいから。でも、どれもそんなことはなく美味しいのだ。

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最後は甘酒
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バニラアイスにかけて、
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食べる
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最後の海に向かう
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行動で示すと、
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こんな感じ!

安全面も考えてカメラマンを含め何人かここにいるのだけれど、寒いと話していた。私が一番寒いという事実に気がついて欲しい。

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どれも美味しいと思うけれど、この環境においては、アフォガートじゃない方がいいと思う。温かい飲み物だけ飲みたい

カメラマンがおもむろに口を開いた。

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縁起悪いから言わなかったけど、アフォガートって「溺れる」って意味だよ
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最初に言ってよ! 英語わからないんだから!
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イタリア語ですね
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もっとわからねーよ!
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とにかく寒かった!

暖かいお家でアフォガート

アフォガートを海で食べたけれど、季節を考えると暖かいお家で食べるのが一番美味しいと思う。ただ正直、どれも美味しかったはず。寒いとは嫌というほど思ったけれど、不味いとは思わなかった。別にエスプレッソコーヒーでなくてもいいのだ。ただ家で食べるのがいい。

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お家が一番!

 

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おまけのアフタートーク

今回の記事について担当編集安藤とライター地主くんが語るアフタートークです。いろいろとわからなかったことがクリアになりました(編集部安藤)。 

 

 

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