はげます会報告 2024年4月23日

デイリーポータルZをはげます会、はげまし王に挨拶しました(報告)

デイリーポータルZをはげます会のコースを増やしたとき、高額のコースを作った。
「もっとはげます会」「超はげます会」、そして最高のコースが「はげまし王」だ。

高額コースに入っている人には年末に挨拶に行こう、「はげまし王」には……なまはげで行っちゃうとか?

そんな0.2秒ぐらいの思考で「はげまし王」には「年末ご挨拶(なまはげで)」という特典をつけた。吉祥寺のレトロ喫茶で天久聖一さんと話しながら決めた。

正直、王は現れないだろうと思って決めたのだった。

だが、4ヶ月後、私はなまはげになることになる。
 

1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

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王が現れた

システムを担当している石川さんから「どうも王がいるみたいです」との知らせを受けた。
ダミーのテストデータかと思ったが、やっぱりいる。
その王にお礼の連絡をとったところ、年末挨拶は3月末に前倒してもよいかとの返信があった。もちろん良い。なぜなら王だから。

そうか、やるのか、ついになまはげを。

なまはげの衣装は埼玉の小道具レンタルの会社で借りられることが分かった。なまはげ前日に橋田さんに借りてきてもらい、三茶の貸し会議室で衣装合わせをした。王の手前、いきなりのなまはげで粗相があってはならない。

橋田さんとは一緒に仕事をして20年、最初はたしかデザイナーだった気がした

写真の上から黒インクが垂れているように見えるのは、そういう模様の部屋だったからだ。でも奇跡的にあっている。こんなに癖のある貸し会議室あるかい。 

お面をしても戸惑いが感じられる

なまはげとしてどう挨拶をすればいいのだろう。王に向かって「悪い子はいねが」ではないことは確かだ。なまはげのアイデンティティと社会性の折衷案として、「おぜわになっでおりまず~ あ”り”がとうございます~」とデス声で言うことにした。 

「ご入会、あ”りがとうございます~」「おぜわ”になっでおります~」(デス声)

分からない。

会社をはじめて分かったのは経営は判断の仕事であるということだ。上司や系列のせいにできない。すべてを自分の責任で決めて進めていくプレッシャーを日々感じているが、これがいちばん分からない。

いっそのこと包丁を持たないのはどうだ。丁寧にしたつもりがなんかヤな感じになった

 「なまはげ お礼」で検索しても答えらしきページは出てこない。逆に言えばこのページが正解になるのだ。見よ、これがなまはげでお礼するときのスタンダードだ。

お面を取ってみた。写真に橋田さんの指が入ってる

「でも似合いますよ」と橋田さんに言われたが、喜んでいいのかも分からない。
人生でも5本の指に入る腑に落ちなさのまま帰って、夜はずっとなまはげの動画を見て寝た。 

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海のなまはげ

翌日、やってきたのは海に面した公園である。ここで王と待ち合わせている。

このあとなまはげが登場するとも思わない市民がくつろいでいる

橋田さん、安藤さん、べつやくさんに手伝ってもらった。王なのでこちらとしてもスタッフを揃えた。 

着替えたのに見向きもされないなまはげ

昨晩、動画を参考になまはげの動きも家で練習してきた。腰を落として足をジタバタするのがなまはげのようだ。  

時間になったので王に連絡する「お世話になっております。指定された場所におります」

待ち合わせの場所にいるとの連絡をもらったので背後から近づく。 

はげまし王の後ろから近づく
消しゴムマジックで消された人が現れた、みたいな写真
「おぜばになっで…」

 お面で移動すること、不審者であることの緊張感からデス声での「お世話になっております」がうまく言えてない。たぶん王には聞こえてなかっただろう。

「林です。このたびはありがとうございます。」

普通に挨拶をしてしまった。なまはげがリュックを背負っているのは荷物を置く場所がなかったからだ。20年前、撮影中に置き引きにあった経験をまだひきずっている。 

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デイリーポータルZの報告をする

はげまし王は閑歳さん、そしてそのご主人の瀬尾さん

カメラマンの安藤さんが、では3人でこちらをむいてくださいと進行してくれるので3人でポーズを撮る。なまはげとしてお面の下でも同じ顔をしている。ホスピタリティの出どころがない。 

せっかくなのでこの3ヶ月のデイリーポータルZの状況を報告した

このときまわりの子どもが集まってきた。スケッチブックを出したのでなにか面白いことをすると思ったのだろう。だが、書いてあるのは「人件費の削減」「サーバ費用はさらに削減可能の見込み」などだったので子どもは黙って去っていった。

大人になってから、海辺でなまはげが人件費について話してたことを思い出してほしい。たぶん夢だと思うだろう。

せっかくなので2人にもなまはげになってもらった

 

「せっかくなのでなまはげになる」今日は一生に一度言うかどうかのセリフがポンポン出る。

お面を被ってもその人らしさが出て素敵な写真になった。桶を持っても墓参りみたいになってない。 

そのままの勢いでかっこいい写真も撮った

AIが描いたSEKAI NO OWARIのようだ。だいたい合ってるんだけど、ディテールで大きく間違えている。 

そして撮影しながら会社経営について教えてもらった。実はこれがとても役に立った。

話を聞いているなまはげは反省しているように見えるし、横から見ると薄べったい。こんなに薄いのか。
こうして無事、はげまし王への謁見ができた。これからも王のはげましを裏切らないようサイトと会社を運営していく次第である。

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お知らせ

デイリーポータルZはみなさまのはげましで運営しています。
ぜひはげます会にご加入ください。なまはげの準備はできてます。なまはげのないコースでも大歓迎です。

 

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