片付けが一番のストレスだった
パンチしてスッキリ!と思いきや、そのあとのサンドバッグの片付けが一番のストレスであった。あれだけ殴っておいて、最後は人間がちっちゃく丸まって全体重をかけて空気を抜く、 その姿のみじめさよ。
インターネットがないと生きていけない。でも、時にインターネットではものすごいストレスを抱えることがある。ああ、パソコンを殴りたい。そんなことでは何も解決しないのに。……このたび、夢を叶えるマシンを作りました。
愛と平和とインターネット。これは私のオリジナルの座右の銘だ。
インターネットはやさしいせかいであってほしい。だからこそ私は月に一回このサイトで記事を書かせてもらっている。
しかし、現実はどうだ。やさしいせかいからはほど遠い、だましだまされ、血で血を洗う戦場、それがインターネットだ。
殴りたくなる事象はいっぱいあるが、当サイトで例に出しやすい比較的マイルドな事例は、例えば会員登録画面であろう。
これが私の開発した、「サンドバッグを殴るとパソコンの画面が割れるマシン」である。
……待って、ちがう!本当に割れたわけじゃない。話せばわかる!話せばわかるから!
「そういう演出をしている」というだけの話。早とちりしてこの記事を燃やさないで!燃やされたストレスでまたサンドバッグを殴る必要が出てくるから。(永久機関)
仕組みについて説明しよう。
技術的な部分を簡単に説明しておく。
かたむきスイッチ(昨年の記事参照)がONになると、Arduino Microというマイコン経由でPCに対し F10キーの入力を行う。それをPythonプログラムで検知し、画面の一番前に「割れた風の画像」を表示する。とてもシンプルな仕組みだ。
なお、「殴る」を入力とするアイディアは私が初めてではなく、当サイトのライターでもある藤原麻里菜さんは「謝罪メールパンチングマシーン」を発表している。
いいマシンができた。これでインターネットのストレスを解消することができるわけだが、家で自分ひとりでやっていて、すぐに虚しくなってしまった。そんなとき、ある思いが浮かんだ。
他人が殴ってパソコンを割っているところを見てみたい。
これはいったいどういう感情なのだろうか。こじらせすぎた知的好奇心の最果てである。当サイトライターの唐沢むぎこさんに協力してもらった。
ほり:かなりイライラするサイトを見つけまして……
唐沢:なんですか?
ほり:これなんですけど
唐沢:これが……え……?
この調子で何度も入力のいやがらせを受け、ストレスは最高潮に。
唐沢:Accept……?チェックボックス?
唐沢:これ、どういうことですか?あぁ~!!!
ほり:この割れ方、ありますよね。
唐沢:ガラスも液晶もダメになるパターンですね。
続いては、あの忌まわしき「タイルをすべて選択」を試してもらう。
唐沢:この微妙にはみ出したところを選ぶか迷う……
唐沢:オートバイばっかりなんですけど!
ほり:(来るぞ……!)
唐沢:あ~~~~~~!!!!!!!!
今回は画面が割れるのではなく……
唐沢:あ~!ねこがでました。
ほり:これ、アンガーマネジメント。6秒(待つと落ち着きます)
唐沢:いやもうアンガー出た後ですけどね!笑
ほり:落ち着きました?
唐沢:アンガーマネジメントって、アンガー出る前じゃないですか?
ほり:あかんか……
このやりとりをぜひ動画でも。
後日、唐沢さんから感想が送られてきた。
ストレスを発散させてもらえてよかった。(もっとも、わざわざストレスを与えていたわけだが。)
それにしても、憤怒インタフェースはまだまだブルーオーシャンだと思う。投資家の皆さま、お待ちしております。
パンチしてスッキリ!と思いきや、そのあとのサンドバッグの片付けが一番のストレスであった。あれだけ殴っておいて、最後は人間がちっちゃく丸まって全体重をかけて空気を抜く、 その姿のみじめさよ。
ちょっと先の話ですが、こちらの「パンチするとパソコンが割れるマシン」を9月21日(土)、22日(日)に東京ビッグサイトで開催されるMaker Faire Tokyo 2024のデイリーポータルZブースにて出展します。
サンドバッグを殴りに来てね。
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