運命のいたずらか
僕は神奈川県の茅ヶ崎市というところから都内にある事務所に通っている。途中で一度乗り換えて片道1時間くらいだ。
帰りの電車は12時ちょっと前が終電。それを逃すと途中までしか帰り着けない。
この途中から自宅まで、タクシーに乗ったらまだまだ結構な距離なのだ。普段の財布の中身だけでは払いきれない自信がある。いったいどのくらいの距離なのか、グーグルマップの経路検索で調べてみた。
そうしたらなんと42.1キロだった。マラソンじゃないか。
これは運命という他ないだろう。折しも先週行われた東京マラソンに、僕は応募していたが抽選で外れている。僕の東京マラソンはこれなのかもしれない。
しかし大丈夫なのか
勢いで走って帰ることに決めたが、いくつか不安要素もある。というか不安しかない。
まず今年は東京マラソンに外れた、ということで、去年の東京マラソンから先、一度も練習らしきことをしていない。普通のおっさんがいきなり仕事帰りにフルマラソン走るということだ。
しかしこれを読んでくれている人の大多数はマラソンランナーじゃないはずだ。普通の人が練習なしにやるからこそ意味があるのではなかろうか(※)。
※まねする人はいないと思いますが、まねしないでください。
駅で終電を見送るまでの時間、いろいろと考え事をしながら過ごした。
スタート間近
さあ、ここからが僕の東京マラソンだ。ゴールは家。目標は始発を待って帰るよりも先に着くことだ。
現在12時30分。始発の茅ヶ崎駅到着が5時半くらいなのでフルマラソンを5時間くらいで走ればいい話だ。ぜんぜん無茶じゃない(※)。
※無茶なのでまねしないでください。
さすがに通勤のままの服装で走るのは嫌なので、一枚脱いで短パンになった。サラリーマンがマラソン選手になった瞬間だ。
Tシャツは去年の東京マラソンでもらったやつだ。今回はこうしてちくちくと東京マラソン落ちたことを愚痴りたい。
今朝家を出るとき妻に「今日は走って帰るから着くのたぶん明日の朝」と告げると「それ、何?」と聞かれてしまった。説明がしにくかったが、趣味でやるといって納得させる自信がなかったので丁寧に今回の企画趣旨を説明した。
というわけで心残りはない。いざ、スタートの時を迎える。