M-1の登場はせり上がり+階段おり
年末にテレビで放送されるM-1の決勝では、10組のコンビが順番に出てきてネタを披露するのだが、その登場シーンが特徴的で、
せり上がりと階段、どちらか1つだけでも派手な演出なのに、M-1はその組み合わせ。これによって、より特別感のある登場になっていてかっこいいのだ。
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一方でこの動き、エレベーターの前に階段があれば、日常のなかで再現できそうでもある。
もしかしたら、僕もM-1の舞台に立てるのではないだろうか。
M-1の舞台は千葉にある
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ということでやって来たのは、千葉県の習志野市にある京成の谷津(やつ)駅。
停まるのは普通列車だけだし、駅前の人どおりもまばら。ここに華やかな舞台があるようには思えないのだけど、
エレベーターの前に階段があるその姿は、テレビで見ているM-1そのもの。とくに階段が短いのがいい。
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そしてまわりをかこむ歩道橋は、本家と同じ「M」の文字のセットのよう。
エレベーターからおりてくる人が、もれなく漫才師に見えそうな再現度でうれしくなる。
じつは僕は、こういう場所を3年ぐらい前からずっとさがしていたのだけど、なかなか見つけることができていなかった。
それが今年のある日、通勤で京成の特急に乗っていたら、
とつぜん窓の外にM-1が現れたのだ。
ずっとさがしていたあの人と、街で偶然すれ違ったような運命の出会い。
これはもう、僕も出るしかないだろう。
あのコンビが決勝にたどり着いた
そこで後日、一緒にこの舞台に立つ相方としてライターのトルーさんにも来てもらった。
じつは我々、前によざひかるさんの記事「漫才師みたいに公園で二人で立ちたい」で即席のコンビを組んでいた。
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あのとき公園で何かの予選にむけて練習をしていた2人が、ついにM-1の決勝までたどりついたのだ。
ファミレスで朝までネタを考えたり、チケットを手売りしたりといった苦労はしていない。
でもこの日にむけて、日程調整や電車の乗りかえといった苦難を乗りこえ、やっとつかんだ決勝の舞台。
そんな2人がいよいよ登場です。
張り切ってどうぞ。

映像を見たら、さっきまでライターだった2人がM-1に出ていて驚いた。まったくの素人なのに、いっちょ前に漫才を始めそうな雰囲気がある。
↑編集部の石川さんが本家っぽいカメラワークにこだわってくれた動画でもぜひ!
そしてやってみた立場としても、M-1の舞台に登場しているなという実感があった。
扉がひらく直前になると自然と背すじがのびたし、階段をおりるときはなるべく笑顔で、下を向かないようにと思っていた。
エレベーターに乗り階段をおりただけなのに、いつのまにかお客さんの前に出る漫才師のマインドになっていた。
今までM-1は漫才師が舞台に立っているものと思っていたけど、そうではない。舞台が人を漫才師にしてくれるのだ。

