いくらなんでも
最近、“激安の殿堂”こと「ドン・キホーテ」のオリジナル商品の話題を目にすることが増えました。僕も好きでよく行きますし、攻めたコンセプトと勢いのありすぎる説明が特徴的なオリジナル商品が、どれも気になるんですよね。
なかでもインパクト絶大なのが、「フライドチキンの皮だけ弁当」。「みんなの75点より、誰かの120点」を合言葉に開発された「偏愛めし」シリーズの1品で、まさにその名のとおり、お弁当の中身が、フライドチキンの皮と白メシのみというやりすぎにもほどがある内容です。
確かにフライドチキンは、ぱりっとしてジュワッとして味の濃い皮部分がいちばん美味しい。皮がなければ成り立たない。とはいえ、それを商品にしてしまうとは、いくらなんでも冒険がすぎませんかね。
まるで、主人公が小説の読みすぎで現実と物語の区別がつかなくなり、自らを騎士と名乗って冒険の旅に出る、セルバンテスの小説『ドン・キホーテ』そのもののようじゃないですか。
これは一度、体験してみないわけにはいかない。それに僕、「皮」には一家言あるんですよ。かつて当サイトに「皮だけおでん」を作ってみて得た4つの気づきなんていう記事も書かせてもらったことがあるくらいなんで。
実際どうなんだ
ではさっそく、買ってきたフライドチキンの皮だけ弁当を食べてみることにしましょう。
指示どおり、500wで1分間レンチンして、
まずもって、すごいボリュームですね、皮。そう小さくはないお弁当箱の1/2のスペースに、ぎっしり詰まっている。
まずは皮のみをそのままひとつ食べてみます。
なるほど、フライドチキンからはがしたという感じではなくて、鶏皮のみを揚げてあるんですね。考えてみれば当然か。第一印象としては、想像よりも塩辛すぎず、コショウのスパイシーさがいいアクセントで、はっきり言って美味しいです。ただ、2個、3個と食べすすめると、そのたびじゅわっと広がる脂が重くは感じだしますね。
ただし、こっちにはごはんがある。ごはんと一緒に食べると、そりゃ合うに決まってる。ていうか、このお弁当、お米自体がちゃんとうまい。ゆえに、なんだかんだで箸がすすんでしまいます。
トータルで823kcal。その背徳感と、栄養バランス一切無視な姿勢に、当初は半分くらい食べたらいったんおしまいにして、続きは夜にでも、たとえばチャーハンにするなりのアレンジを加えて食べればいいかな、なんて思っていたんです。が、なんだかんだでやめ時がわからず、けっきょくお昼に全部食べきってしまいました。
ちょっぴり胃もたれ感はあるし、後半はやっぱり、本末転倒ですが肉部分が欲しくなったし、よく考えたらサラダでも添えればよかったなとは思うけど、いや、美味しかったです。ちゃんと。