特集 2026年3月30日

川崎に存在する「卍型の交差点」の謎を解明した

川崎市に不自然に「卍」の形をした交差点がある。いつ、だれが、なんのために……。その謎について調査し、解明した。

1992年三重生まれ、会社員。ゆるくまじめに過ごしています。ものすごく暇なときにへんな曲とへんなゲームを作ります。

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巨大な渦巻きの近くには巨大な卍がある

先日、川崎市内にある巨大な渦巻き状の道路について記事を書いた。

この記事に対する感想として、「その近くにある『卍』の形をした道路についても調べてほしい」というリクエストを複数いただいた。こちらの地図[1]を見てほしい。

川崎市幸区の古市場という地区の交差点。「卍」のような形になっている。
厳密に言うと卍とは少し違う形なのだが、他に良い言葉があるかというと難しい。いずれの調査リクエストにも「卍」と書かれていたし、卍が共通認識のようだ。

この卍はなんだろう。前回の「巨大渦」は結局大昔の川の氾濫が遠因だったが、今回もそうなのだろうか?地図[2]で位置関係を見てみる。

巨大渦と同じぐらい、卍も多摩川に近い。

今回も多摩川の氾濫が関係しているのだろうか……。いや、さすがに卍が自然の営みによって作られたとは考えづらい。人間が作ったとしか考えられない。だとしたら、いつだれがなんのために卍を作ったのだろうか?

今回調査したいこと
川崎市幸区の古市場地区にある「卍」の形の交差点について、
・いつ (WHEN)
・だれが (WHO)
・なぜ (WHY)
作ったか

正直、3つとも見当もつかない。調査しがいがある。

調査、スタート!

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卍の交差点には何があるのか

とりあえず卍を見に行こう。JR南武線鹿島田駅から徒歩15分ほどの場所にその交差点はある。

地上からは卍全体を眺めることはできないが、交差点前の不自然なカーブを体感することはできる。(左上の地図は、矢印の根元の位置からその向きに撮影したことを示しています。)
こっちのカーブには予告灯が設置されており、黄色が点滅している。
卍のほぼ中心から外側を見てみる。かくっと折れ曲がっているのがわかる。

 最後の写真を見ていただくとわかるように、交差点の四隅の土地は広々としており、そこに切り株や銅像が置かれている。

銅像のある土地を見てみる。広々としていて、奥にはベンチが置かれている。
現地調査の結果を図にまとめた。

この図からわかることがある。まず、この交差点にはメインの卍型の道だけでなく、正方形の細い道も存在する。卍と□が組み合わさることで、直角二等辺三角形の土地が4つ生まれている。そこには木やベンチや銅像、さらには交番があり、「公共の土地」という感じがする。また、すぐ近くには銭湯もあり、それも人々が集う施設という意味ではパブリック感がつよい

銭湯の名は越の湯。

川崎市民である筆者は、市内のいろんな銭湯を訪問するのにハマっていた時期があり、ここを訪れたことがある。(当時はここが卍型の交差点だとは知らなかった。) この銭湯にはサウナ、電気風呂、薬湯、森林浴など多種多様な浴槽があり、楽しめた。特に、森林浴はガラス張りになった部屋にミストの漂う個性的なものだった。

写真の右上をみてほしい。古市場地区には複数の交差点があるが、この交差点の名前は「古市場」​​​​​だ。地区を代表する交差点だとわかる。

なぜ卍型なのか、この交番のおまわりさんに聞けば解決するのでは?と思い、のぞいてみたが、あいにく不在だった。(……というか神奈川県警の交番はいつもそうで、基本的に無人である。)

わかったこと
・交差点の周りの土地には、木やベンチや銅像や交番などの公共的なものが存在する
・銭湯が隣接していることからも、一帯の公共的役割の強さを感じる
・交差点の名前が地区名と同じ「古市場」であることが、地区を代表する交差点であることを示唆している
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解決のカギは「かぎしっぽ」にあり?

卍の交差点のすぐ近くに、「かぎしっぽ」というコーヒー屋さんがある。

珈琲屋かぎしっぽ。

「かぎしっぽ」とは、猫のしっぽが鍵のように途中で折れ曲がった状態のことであり、幸福のシンボルとされている。

猫のしっぽが曲がったのが「かぎしっぽ」である。

この店名は確実に「卍」を意識していると思う。卍の一部を猫のかぎしっぽに見立てたのだろう。

筆者が言いたいのは、こういうことである。

せっかくだし入ってみよう。

どのコーヒーにするか迷っていると、試飲セットをサービスしてくれた。丁寧に説明をしてくれたおかげでコーヒーへの理解が深まった。

コロンビアのゲイシャをホットで注文し、店員さんに尋ねてみる。
​​​​​​​
筆者:(Google Mapを見せながら) 実はそこの交差点が卍の形になっている理由を調べているのですが、何かご存知ないですか?
店員:あら、本当ですね。こんな形になっていたんですか
筆者:こちらのお店が「かぎしっぽ」なので、何かご関係があるのかと思ったのですが
店員:いや~、店名は関係ないですね。 私らもこの土地のものじゃないもんで……
筆者:そうなんですね。ちなみに、こちらのお店は昔からやっていらっしゃるのですか?
店員:お店ができて3年になります

この土地の事情を古くから知る老舗店だと勝手に思っていたのだが、意外にも3年前にオープンしたばかりのお店だった。店内には猫の本など、猫をモチーフにしたものがいくつかあった。単にオーナーが猫好きで、猫にちなんだ幸福のシンボルとして「かぎしっぽ」と名付けただけかもしれない。

それにしても試飲したコーヒーはどれも個性があっておいしく、余計に迷ってしまうほどだった。調査は進展しなかったけど大満足。

わかったこと
・交差点のすぐ近くにある「かぎしっぽ」というコーヒー屋さんは、卍とは特に関係がない

⏩ 近くの図書館に行く

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