巨大な渦巻きの近くには巨大な卍がある
先日、川崎市内にある巨大な渦巻き状の道路について記事を書いた。
この記事に対する感想として、「その近くにある『卍』の形をした道路についても調べてほしい」というリクエストを複数いただいた。こちらの地図[1]を見てほしい。
この卍はなんだろう。前回の「巨大渦」は結局大昔の川の氾濫が遠因だったが、今回もそうなのだろうか?地図[2]で位置関係を見てみる。
今回も多摩川の氾濫が関係しているのだろうか……。いや、さすがに卍が自然の営みによって作られたとは考えづらい。人間が作ったとしか考えられない。だとしたら、いつだれがなんのために卍を作ったのだろうか?
・だれが (WHO)
・なぜ (WHY)
正直、3つとも見当もつかない。調査しがいがある。
調査、スタート!
卍の交差点には何があるのか
とりあえず卍を見に行こう。JR南武線鹿島田駅から徒歩15分ほどの場所にその交差点はある。
最後の写真を見ていただくとわかるように、交差点の四隅の土地は広々としており、そこに切り株や銅像が置かれている。
この図からわかることがある。まず、この交差点にはメインの卍型の道だけでなく、正方形の細い道も存在する。卍と□が組み合わさることで、直角二等辺三角形の土地が4つ生まれている。そこには木やベンチや銅像、さらには交番があり、「公共の土地」という感じがする。また、すぐ近くには銭湯もあり、それも人々が集う施設という意味ではパブリック感がつよい。
川崎市民である筆者は、市内のいろんな銭湯を訪問するのにハマっていた時期があり、ここを訪れたことがある。(当時はここが卍型の交差点だとは知らなかった。) この銭湯にはサウナ、電気風呂、薬湯、森林浴など多種多様な浴槽があり、楽しめた。特に、森林浴はガラス張りになった部屋にミストの漂う個性的なものだった。
なぜ卍型なのか、この交番のおまわりさんに聞けば解決するのでは?と思い、のぞいてみたが、あいにく不在だった。(……というか神奈川県警の交番はいつもそうで、基本的に無人である。)
・銭湯が隣接していることからも、一帯の公共的役割の強さを感じる
・交差点の名前が地区名と同じ「古市場」であることが、地区を代表する交差点であることを示唆している
解決のカギは「かぎしっぽ」にあり?
卍の交差点のすぐ近くに、「かぎしっぽ」というコーヒー屋さんがある。
「かぎしっぽ」とは、猫のしっぽが鍵のように途中で折れ曲がった状態のことであり、幸福のシンボルとされている。
この店名は確実に「卍」を意識していると思う。卍の一部を猫のかぎしっぽに見立てたのだろう。
せっかくだし入ってみよう。
コロンビアのゲイシャをホットで注文し、店員さんに尋ねてみる。
筆者:(Google Mapを見せながら) 実はそこの交差点が卍の形になっている理由を調べているのですが、何かご存知ないですか?
店員:あら、本当ですね。こんな形になっていたんですか
筆者:こちらのお店が「かぎしっぽ」なので、何かご関係があるのかと思ったのですが
店員:いや~、店名は関係ないですね。 私らもこの土地のものじゃないもんで……
筆者:そうなんですね。ちなみに、こちらのお店は昔からやっていらっしゃるのですか?
店員:お店ができて3年になります
この土地の事情を古くから知る老舗店だと勝手に思っていたのだが、意外にも3年前にオープンしたばかりのお店だった。店内には猫の本など、猫をモチーフにしたものがいくつかあった。単にオーナーが猫好きで、猫にちなんだ幸福のシンボルとして「かぎしっぽ」と名付けただけかもしれない。
それにしても試飲したコーヒーはどれも個性があっておいしく、余計に迷ってしまうほどだった。調査は進展しなかったけど大満足。

