青森県八戸市へ
いきなり現地に行ってあとは地元の人に頼り切って旅する企画、今回の行き先は青森県八戸市。東京からだと新幹線で3時間ほどである。
このくらいの時間は新幹線好きにとってちょうどいい長さだと思う。
新幹線は乗客が少ないためか換気を強めにしているためか、いつもより少し寒く感じた。日の当たっている側の腕だけが暖かい。
眠くなるまで仕事をして、途中でサンドイッチを食べ、本を読みながらちょっとだけ寝た。どうだ、すでに最高だろう。
いきなり駅を間違える
到着した八戸駅で事前に予約しておいたホテルを探す。え!地図アプリで場所を確認すると、歩いて1時間と出るではないか。おかしい、予約したときは駅から歩いて3分と書いてあったのに。
あわてて調べなおすと、なんと八戸駅前のホテルを予約したつもりが本八戸駅前だった。
しかも明日のレンタカーを八戸駅で借りている。やってしまった!と思ったけど震える手で調べたら八戸駅から本八戸駅までは8分なのか。よかった。
本八戸駅を降りたら気温3度だった。ちなみにこの日の東京の最低気温は15℃。そうそう、このくらい差がないと遠くに来た気分が出ない。そうこなくっちゃ、である。
八戸に来たらサバを食べろと言われて
無事ホテルにチェックインして(検温とか手の消毒とか、いまどのホテルも感染予防対策ばっちりっすよ)、フロントで近くのオススメを聞く。正直この初日の晩ごはんこそがいちばんの楽しみでもあるのだ。
ホテルの人いわく、この時期の八戸はとにかくサバだと。なにしろサバ、サバを食べておけば間違いない、と。
そこまで言われて食べないわけにはいかないだろう。教えてもらったお店に急いだ。
サバの駅に入れず、失意のもとしばらく町をうろつきあるく。
八戸の中心街にある「みろく横丁」は小さなお店が小道の両側に集まっている楽園、歩きながら覗くとどのお店もすでに満席である。ちょうど青森でもコロナ感染が広がっていた時期でもあり「関東から来ました!」とお気楽に入っていいものかどうか迷った。
入りたいけどどうしよう。みろく横丁の端まで歩いて折り返し、もう一度「サバの駅」へ行くも、さらに混んできていて今日は予約がないと無理とのことだった。ですよねー。
ちょうど隣に八戸一のせんべい汁、という看板を見つけたのでそこに入ることに。横丁に比べて店内が広いのでひしめきあっている感じもない。このお店でもサバを食べられることを入口でちゃんと確認したのでぬかりはないぞ。地元の人頼りの旅、こうでなくっちゃという展開である。
せんべい汁はもちろんお願いするとして、その前に食べたいのはなんといってもサバである。お店の人も「このあたりの銀サバは日本一美味しいですから!」と勧めてくれた。
ここまで言われると逆に(ほんとかな)と思ってしまうのだけれど、飲み物のおすすめを聞いたら「それは人それぞれですからねー、僕はビールが好きです」と言っていたのでこの人は正直な人なんだと信用して、おすすめの銀サバの刺身を注文した。
銀サバというのは寒くなって脂が乗ったサバの中でも、特に形の大きなものをブランド化したものらしい。口に入れるとびっくりするほどのうま味を残して文字通りとろける。お兄ちゃんこれ美味いよ!
あとは表の看板にもあった八戸一のせんべい汁を注文。
満を持して八戸一のせんべい汁が届く。
せんべい汁はベンツ割りで
せんべい汁はひとりサイズの鍋とは別に南部せんべいがついてくる。たぶん鍋に入れたらいいのだろうけれど、いちおうどうやって食べるのか聞いたところ
「ぐつぐつ言い始めたらせんべい入れてくださいね!ベンツ割りで、わかります?ベンツ割り」
知らないけどたぶんベンツのマークみたいに割れ、ということなのだろうか。
鍋に入れると力の入っていたせんべいがぐんぐん出汁を吸ってふにゃふにゃになっていくのがわかる。
アツアツのせんべい汁は鶏や魚や野菜や、もういろいろな出汁のうまさが混ざり合っていてとんでもないことになっていた。他を食べたことがないんだけど、このくらい美味かったらこれは確かに八戸一って言ってしまいたくなる。
外は寒いのに店内では「おれたちキウイパパイヤマンゴだね」という南国調の曲が流れていて遠くに来たなと思った(お店出るときにはボウイのビーブルーに見送られた)。
これが僕の八戸の旅初日である。
すでに満足した感ありますが、ここからがまたすごいのでどうぞ最後まで読んでください。今回も最後にプレゼントがありますよ。