日曜日は朝市の日
いま僕は本八戸駅6時13分発の八戸線に乗っている。日曜日の朝である。
休みの日のそんな早い電車に乗る人がいるの、と思うだろう。
いるのだ。
八戸の館鼻岸壁には日曜の早朝にだけ「街」が出現するという。それが館鼻岸壁朝市。
この日はちょうど朝市のある日曜日で、これも絶対行った方がいいと青森の人に聞いたので早起きしてやってきた。
正直来るまでは半信半疑だった。だってまだ日の出前だぞ。こんな時間から寒い中、朝市に人が集まるんだろうか。ほら、青森ってスーパーなんかで刺身買っても普通に美味いだろうに。
そう思ってやってきたら会場はすでにやる気満々だった。
会場は港の駐車場である。普段は何もないところに週に一度だけ市場ができる。そこにみんな待ってました!と言わんばかりにやってくる。
市場には港に上がったばかりの魚介類から、食べ歩きができるコロッケやパン、コーヒーやケーキ、野菜、総菜、手作りの民芸品(これについては後ほど紹介します)などなど。ありとあらゆるものが、端が見えないくらいにずらっと売られているのでどれだけ歩いても飽きることがない。
たまに会場内に設置されたでかいスピーカーからここちよい青森弁でインフォメーションがアナウンスされる。
「今日は暖かいものがオススメです。コーヒーは各所で販売しています。だいたい100円~150円くらいです」(そこまで親切に言っちゃう?)
「先ほど中央の通路にクジラ肉が落ちていたとの届け出がありました。落とした方は取りに来てください」(クジラ肉を?落とす?)
この時期の日の出前である、もちろん寒い。でもみんなマスクしててもわかるくらいに楽しそうな顔をしていた。やはりこうやって集まって話をしながら買い物するのって楽しいのだ。
牡蠣がでかい
こちらはずっと行列が途切れなかったでかい焼き牡蠣を焼いてその場で食べさせてくれるテント。どのくらいでかいかというと。
おじさんいわく牡蠣が一番おいしいのは春先なのだとか。まだ旬はこれからということで、通常4個のところを1個おまけしていた。5個で1000円。焼けた順に殻を外して盛ってくれる。
見てると美味しそうだなーと思うんだけど、一人でこの量の牡蠣を食べられるものなのだろうか。
あつあつの牡蠣にレモン汁をちょっと垂らしてつるっと口に含む。これがまた味がすんごい濃厚なんである。こんなに食べられるかなーとか思っていたんだけど、気づいたら全部食べちゃっていた。グループで来てる人たちも一人一皿ずつ食べていた。
他にも食べ出したらきりがない。
歩くたびに美味しそうなものが売られているので、計画的に食べて行かないとすぐにお腹いっぱいになってしまう。
手作り土偶を売るお店
そんな中、ちょっと異色だったのがこちらのお店。僕が行った時にはテントの裏で人を集めて指笛のコンサートをやっていた。
こちらのお店、主に楽器や民芸品を売っているのだけれど(他にも陶器とかアクセサリーとか、さまざま)、そのほとんどが手作り。器用すぎるだろう。そしてなぜ朝市に。
売ってるものの中から特におすすめを聞いたら「青森といえば国宝の合掌土偶が有名なのでこれですね。これも自分で作りましたよ!」と。
すすめられるままに一番ハンサムな土偶を一体買ってきたので記事の最後でプレゼントしたいと思います。
8時ごろになるとみんなだいたい片付けをしながら、コーヒーを買ってきて朝日さす湯気の中で飲む。こうなるともうお店もお客もない、ラグビーでいうところのノーサイドである。
館鼻岸壁朝市、超楽しかったし何を食べても美味しくて大満足なんだけど、まだ日曜の8時である。このテンションで朝からやると週末が長いだろうな、と思った。
次は朝市で教えてもらったこのあたりのおすすめ、蕪島神社に行きます。