蕪島神社
朝市でお店の人におすすめしてもらったスポットが蕪島神社である。蕪島神社は周囲になにしろたくさんのウミネコがやってくることで有名なのだとか。そういえば前にデイリーでも取材していた。
まだ神社に足を踏み入れていないのにこの警告である。いったいどれだけウミネコがいるのか。覚悟を決めて見に行った。
出てこい!ウミネコ!
いないのだ、ウミネコ。空を覆うほどの数がこの島にやってくると聞いていたのだけれど。
これはまさか、と思って島を降りると、ふもとに説明書きがあった。
ウミネコは春先にやってきて7月には子育てを終えて島を離れるのだとか。そしてまた次の春に帰ってくる。最近はこの蕪島で冬を越すウミネコがいたりもするらしいのだけれど、この日は見つけられなかった。
しかしこれも地元の人頼りの旅ならではだろう。自分で計画立てて来るなら春に来るもの。
こんなこともあろうかと運開きめぐりをしてきたのでみなさんにも運をおすそわけします。
島めぐりは絶景が見渡せるのに加え、途中に七福神がいたりしてありがたい気分になる。
福々しい気分で神社の向かいにあるインフォメーションセンターに行き、次にどこに行ったらいいのか聞いた。
そこまですすめられたら行ぐしかねー、ということでおかあさんたちの説明通りに車を走らせてみた。海岸通りをしばらく走ると種崎海岸に到着。
芝生の海岸、種差海岸
種差海岸は見渡す限りの芝生である。行ったことないけどゴルフ場ってこんな感じだろうか。見てるだけで気持ちがいい。これは確かに来る価値ありですね。
ところで芝生と海との境はどうなっているんだろう。芝生からいきなり海なのか、その間に湿地みたいな緩衝地帯があるのか。
この目で確かめたい。
走って走って、たどり着いた海岸線はこんな感じでした。
ひとつ注意してほしいのは、芝生と岩との境界には見た目浅い水たまりがあって、落ちると膝まで浸かるということだ。
蕪島で運開き3周をした直後だったので、これも何かの縁なのかもしれないなと受け入れた。うそ、受け入れられずにしばらく落ち込んだ。
種差海岸のインフォメーションセンターでもこの時期のオススメを聞く。
実はどこかで恐山をオススメされるんじゃないかとびくびくしていたのだけれど、誰もすすめてこなかった。県外の人からすると青森といえばねぶたと恐山ではないか。なぜどちらも勧めないのか。
聞いてみると「遠いからな」と言っていました。
インフォメーションセンターでは奥入瀬渓流をすすめてもらった。奥入瀬と書いて「おいらせ」と読むのだという。らっせーらー、に似たおどる響きが青森っぽい。
できることならずっといたい。奥入瀬渓流
車を走らせ一路奥入瀬渓流へ。
奥入瀬渓流は十和田湖へと流れ込む川のことである。川に沿って散策道が続いていて、そこを歩くのがとにかくいいのだと。
散策の開始は石ヶ戸休憩所から。ここには駐車場があってラーメンなんかも注文できる。
この石ヶ戸休憩所からずっと川沿いを十和田湖まで歩くことができる。舗装された道ではないけれど、ちゃんと整備されているので雪が降らなければ普通のスニーカーでも大丈夫です。
ここから先、何の気なしに足を踏み入れるとあまりにも良くて帰れなくなるので注意です。僕はなりました。
僕が車を停めた石ヶ戸休憩所からこの銚子大滝まで、写真を撮りながら歩いてだいたい2時間くらいだった。
ということは、だ。
そこからもう少し歩くと静かな十和田湖に着く。
おとな向けスポットです
奥入瀬渓流から十和田湖には、いくつかの滝と川はあるけれど、特に「これ!」というシンボル的なものがない。それでもすごくいいなと思えるのは大人ならではの感覚ではないか。
前にこんな話を聞いた。森に車が停まっている写真を子どもに見せる。そのあと、背景を海辺に変えた写真を同じ子どもに見せるとどちらも「車!」としか認識しないのだとか。つまり子どもにとって景色は意識に含まれないのだ。
これは僕にも心当たりがあって、子どもの頃に親に連れられて山に紅葉を見に行ったりしたことがあるんだけど、そういう「いい景色」には心を動かされず、そこにあったロープウェイだとか巨大な切株だとか、そういうものだけがうれしかった。
おとなになると渓流とか紅葉とか、しびれますよね。