八戸よかった
今回も地元の人に頼りまくったおかげで自分では行かない場所に行くことができました。もうプライベートでもこういうスタイルになりそうです。
これは誰にすすめられたわけでもないのだけれど、ちょっと不思議な体験をしたので書いておきたい。
なんて書くとオカルトっぽいけど、つまり奥入瀬からの帰り道に面白そうな看板を見つけたので寄り道したのだ。
なにかというと
日本にもいくつかピラミッドがある、なんて話を子どもの頃にオカルト雑誌で読んだことがあったのだけれど、それがいきなり目の前に現れたのだ。そんな偶然あるだろうか(偶然です)。
もしかしたら蕪島神社を3周して開運したのが効いてきたのかもしれない(偶然だってば)。
小高い山の頂上付近に鮮やかな鳥居が現れる。圧倒的に神社っぽいが、掲示板によるとこれが日本最古のピラミッドなのだとか。
この大石神ピラミッドは日本最古というだけでなく、エジプトや南米のピラミッドよりもずっと古く、いまからおよそ5万年前に作られたものらしい。
5万年前というと人類の祖先がアフリカ大陸からヨーロッパ大陸を目指したくらいの時期である。そんなときに青森ではすでにピラミッドが作られていた(説明書きによる)。
これがピラミッドなのかどうか、5万年前に作られたのかどうか、本当のところは誰にもわからないだろう。
でもこういう話を聞くとこのあたりが特別な場所に思えてきて、森のどこかでガサっと音がしたりするのも何か意味があるように思えてしまう。
ピラミッドから下山して(っていう言い方もおかしいですよね)、八戸へ帰る途中、さらなる謎に遭遇した。
なんと今度はキリストの墓である。
昭和初期、日本のピラミッドを調査していた一団が、古文書と照らし合わせた結果、これはキリストの墓だと発表した。ゴルゴダの丘で死んだとされるのは実はキリストの弟で、キリスト自身は日本までやってきてここで亡くなったらしいのだ。
もちろんこれも真偽のほどは定かではない。ただ、このあたりは全体に冬枯れして人の気配がなく、頭上で枯れ木がガサガサ鳴っていて、それはもうただ事ではない雰囲気はあった。
こういう土地で調べものをしていたら、それはキリストの墓だって見つけてしまうかもしれない。そういう唐突な説得力だけがここにはある。
奥入瀬渓流で長い時間すごしてしまったのですでに日が傾きかけていた。小走りで車に戻り、なるべく振り返らずに(怖いから)八戸のホテルへと帰り、その夜は久しぶりに氷結を飲んですぐに寝た。思い出したけど、僕はこういうオカルトとかに弱いのだ。
前日の心細さは朝日が昇ると共に露のように消えてなくなり、翌日はスカッと起きて朝食の前に10キロほど走ってきた。
なんといっても今日はいよいよ、行く先々でみんながすすめてくる「八食センター」へ行くのだ。体調万全でないといけないだろう。
八食センターは八戸の中心地にある巨大な施設で、魚からカニから揚げ物からアイスクリームから、食べられるものならそれこそなんでもあるんじゃないかというほど充実した施設である。しかもどれをとっても美味しそうだから困る。
これは調子に乗って食べ歩くとすぐにお腹いっぱいになっちゃうぞと思い、慎重に見定めていたのだけれど、どうしてもこの「のっけ丼」の魅力には抗えなかった。
完成したのっけ丼は店頭でトレイに乗せて渡されるので、どこか座れる場所までこれを持って歩き回る必要がある。
このあと八食センターの中央付近にあるイートインスペースで無事のっけ丼を食べることに成功しましたが、あまりに美味かったので写真は撮っていません。
のっけ丼を食べていたらテレビでは野口さんの乗ったクルードラゴンが宇宙に向けて飛び立っていく様子を中継していた。僕の席のすぐ隣ではおばあちゃんがソフトクリームをなめながら同じ映像を見ていた。育った場所も年齢も、食べてるものも違うのに、同じ映像に見入っているのだ。ふたりの人生のラインが交わった瞬間である。
ところで、八戸は本の町として売り出し中なのをご存じだろうか。僕は八戸に来るまで知らなかったのだけれど、駅に堂々と書かれているので本当だと思います。
本の町八戸を代表するといっていい施設がここ八戸ブックセンター。行政が管理している図書館のような本屋さんのようなカフェのようなシェアオフィスのような、なにしろ居心地のいいスペースである。
ここ八戸ブックセンターの面白いところは執筆用のスペースがあるところではないか。本を読む、買うだけでなく、書くこともできるのだ。
この部屋を利用するには市民作家登録が必要です、と書かれていたのでまさか無理だろうなと思って聞いてみたら登録させてくれた。
八戸市民じゃなくても、ブログでも書籍でもインターネットでも、人に向けて何かを書いていて、これからも執筆を続ける予定のある人であれば、応援する意味で誰でも登録することができるのだという。
次に八戸に来られるのはいつになるのかわからないけれど、市民カードを作ると一気にこの場所に愛着がわく。いつか半年くらい休みをとってここで小説書きたい。
ブックセンターの本は自由に閲覧可能で、気に入ったら買って帰ってもいい。この日はゆっくり読んでいる時間がなかったので気になった本を一冊買って帰った。
最後にもうひとつ、地元の美味しいフルーツ屋さんを教えてもらったので行ってみた。
果物屋さんにおしゃれなカフェが併設されていて、入ると甘い匂いに包まれる。
このお店でおすすめのアボカドパフェをお願いした。アボカドパフェって珍しくないですか?だってアボカド、甘くないし。
と思って待っていたらすごい素敵なのがやってきた。
最初に言ってしまうと、美味しいですこれ。予想の5倍くらい美味しいです。
真ん中のアイスと生クリームはアボカドとフルーツとを支えているだけ。なのでパフェとして成り立つ本当に最小限の装備だと思う。おかげでアボカドが主役になっていて、甘すぎず冷たすぎず、こんなうまい果物あったっけ?と脳が騙される。
今回の地元の人頼りの旅でもたくさん歩いたんだけど、最後にこのアボカドパフェを食べてぜんぶチャラになったような気がした。ありがとうございます!って思いながらお店を出て帰りの駅に向かいました。
ここ恒例となったお土産プレゼントコーナーです。今回は館花岸壁朝一で買った土偶バッジと八戸ブックセンターで買った本をセットでプレゼント。欲しい方はハッシュタグ #知ったかぶり47 #土偶ください でTwitter投稿してください。
今回も地元の人に頼りまくったおかげで自分では行かない場所に行くことができました。もうプライベートでもこういうスタイルになりそうです。
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