桜ます水煮(新潟)
ヤマメの降海型のサクラマス(サクラマスの記事は
こちら)。名前からも分かるように身が桜色をしている。缶詰を開けてみるとその美しき色が見える。魚特有の臭みはなく、塩気は薄く、魚の味を楽しむことができる。美味しくて、こちらも桜色になりそう。サーモンより癖がなく、こちらも桜色になりそう。そんな缶詰です(地主)。
紅まどんな(愛媛)
紅まどんなは、愛媛で生まれたオリジナル品種のみかんで、ゼリーのようなトロける食感が特徴。それは缶詰になっても変わりなく、甘く、トロけるような食感で、食べているこちらもトロけそうになる。酸味もなく心から「甘い」と言える味。本当に甘く、食べているこちらもトロけそうになる(地主)。
焼ほたて(青森)
これめちゃくちゃにやわらかいです! でもしっかり味。やわらかいほたてって基本的にお刺身で食べますよね、で、しっかり味のほたては珍味的な、乾燥させてあって固いのが多いじゃないですか、これは、やわらかくてしっかり味、刺し身と珍味の良いとこどりです。おいしかった……仕事終わりの新幹線でこれとビールがあったら最高です(古賀)。
さば柚子胡椒(青森)
さばってかなりおなじみの味ですよね、ちょっと知りすぎた味。そこを柚子胡椒味にするとこんなに違うのか! と思わされました。柚子胡椒もいまやすっかり人気調味料で味も知っているはずなんですが、引き出しにない、レシピ教えて! という味です。さばも八戸前沖さばというブランドさばでふっくらして、そこいらのとは違うんだろうな……と青森に思いをはせました(古賀)。
鶴翔高校3年A組の豚味噌仕込み(鹿児島)
まず「鶴翔高校3年A組の豚味噌仕込み」という商品名にびっくりします。 その名の通り、実際に鹿児島県阿久根市にある県立鶴翔高校の食品技術科の製造実習で作られてるものなのです。阿久根市のふるさと納税の返礼品にも使われてます。 私がいただいたのは100グラム入りの小さい缶。ブタのイラストがかわいいです。 小さい缶の中にデミグラスソースのような肉味噌が詰まってます。 肉味噌ってしょっぱいものというイメージがあるので、スプーンの先に少しだけとって食べてみます。 「あ、なんかやさしい味だ。」 味噌の香りがふんわりとして、生姜の風味もきいています。 でも塩気がきつかったり生姜の辛味が気になることはありません。 「誠実につくってるなあ。」 というのが一口味わっての感想です。 誰でも食べられるような強すぎない味付けだけど、風味も生かすように工夫したのが伝わってきます。 豚味噌の名に負けぬようゴロッとした豚挽き肉も入っていて、肉を食べる楽しみがあり口の中に肉の食後感も残ります。 「ご飯といっしょに食べたい。」 晩ごはんの時にご飯にのせて食べてみました。まさにご飯のお供。 これは子どもが喜びそうな味です。 炊き立てご飯と味噌の香りが口の中に広がり、ゴロッとしたひき肉の歯ごたえと肉っぽさがアクセントになっています。 やさしくて食べ飽きない味なので、日々のご飯のお供におすすめです(島田)。
鰻寿司の缶詰(大阪)
白い酢飯にウナギがのっているものを予想していたのですが、炊き込みご飯のようなビジュアルでした。
あけた瞬間酸っぱい香りがしますが、酸っぱすぎず食べやすかったです。少し温めてもおいしいかも。ウナギは思ったよりも大きくて豪華に感じました。米が玄米なので身体に良さそう、というところもポイントが高いです。(橋田)
ふくやめんツナかんかん(福岡県)
ツナが全然油っぽくなくて、明太子のピリ辛と相まって気づけばぺろりと一缶平らげてしまう美味しさです。ごはんのおとも、おにぎりの具としても最適なのは勿論、サラダに混ぜたり、ソーメンやうどんと和えても絶対美味しい。これからの時期夏バテ防止に最適だと思います!(藁品)
鳥皮みそ煮(広島)
鳥皮がすごく柔らかくて、口の中ですぐ溶けます。鳥皮のぶよぶよした感じが苦手な人でもこれは食べられそう!味としては「優しいもつ煮込み」といった感じで、温めてごはんにかけたり、同じく温めて切った生野菜にディップして食べるのも合うと思います(藁品)。
ミニとろイワシ(千葉)
「とろ」と名乗っていいのはまぐろだけだと思っていました。あとギリでサーモンまで。イワシのくせにおこがましいぞ、とすら。でも食べてみたらつぶやいてしまうんですね、これはとろ…って。
脂の乗りがちょっとやそっとじゃないです。とろっとほぐれるくらい身がやわらかくて、青魚っぽいくさみが一切ない。原材料はいわしと醤油と砂糖だけ、という潔さにも漁師の自信がみなぎっています。(安藤)
再び缶詰め食べくらべ会場に戻ります。残すはデザートのみ!
栗かのこ(長野)
ここからはデザートタイムに入る。
まずは長野の栗かのこ(の缶詰)である。上品な和菓子が缶に詰められたことで大衆化した逸品だ。
栗かのこ缶はよくある缶詰めの一回り大きい版といった感じで、缶を開けると栗の餡がみっしりと入っていた。
つやっつやの餡を掘り起こすとでっかい栗がごろごろ出てくる様子は眺めてるだけで疲れがふきとぶ。
「家族には食べたって言えない」「泣いてしまいそうになる」「一休さんにばれないように食べるやつだ」
みんな美味しさを表現するのに必死だった。美味しい、という表現では物足りなくなる。確かに毎日食べたいが、毎日こんな罪悪感に苛まれていたら生活できないと思うからとくべつな日だけでいい。
はっさく缶(愛媛)
もう一つのデザートは愛媛のはっさく缶。
はっさくというのは柑橘類の中でも食べるのが面倒な部類にはいると思う。皮が厚いしひとつひとつむかなきゃいけないから。
そのはっさくが缶を開けるだけで食べられるなんて、僕らは素敵な時代に生まれたものですね。
このはっさく缶、入っているはっさくがとにかくとくべつでかくて美しかった。
みかんのシロップ漬けみたいなものを想像していたんだけれど、食べてみるとまったく別物である。
ちゃんとはっさくの酸っぱさを残してあるのだ。酸っぱ美味い。
缶詰めに加工されているが、はっさくの房はフレッシュで、食べるとサクサクしている。シロップがまた絶妙な甘さで、甘い中にもはっさくのさわやかな苦みを優しく思い出させてくれるのだ。
うまい。告白すると、今回僕はすべての中でこれが一番好きでした。
いまこそ缶詰の時代なのかもしれない
それぞれの地元の味を他でも体験できる缶詰めはステイホームの今だからこそ、良さを発揮しているともいえる。
見たことない缶詰めは、知らない地元の味を手軽に楽しめておもしろいですよ。
これまでいろいろな「地元」を旅してきた二人の対談はこちら!