柔らかくするその方法とは
ハンバーグの起源といわれる、肉を柔らかくして食べる方法、その一説の中に、移動中に馬の鞍に肉を付け、歩いたり走ったりの振動で叩いていた、というのがあるらしい。
手持ちぶさたな移動時間を使って自動的に肉を美味しくする! このたくみな一石二鳥精神こそが、今のハンバーグ人気につながっている。
そして、いつも豚や牛の合いびき肉で作っていたハンバーグはもともと馬だった。馬か……。
早速馬肉を調達し、昔ながらの製法でハンバーグを作ってみることに。

馬探し
馬肉を求めてプロユースの肉屋へやってきた。

いつものハンバーグでお世話になる挽肉も今日は無視して進む。馬は、馬はどこだー。




いた! 派手に売られる豚、牛、鳥の脇、冷凍コーナーの端にひっそりと馬を発見した。
見ると「馬刺」と「馬刺B」がある。「馬刺」100グラム598円に対し、「馬刺B」は100グラム298円。
発泡スチロールの皿の色にもそのランクの違いが現れている。何しろ、「馬刺」と「馬刺B」だ。 「馬刺A」と「馬刺B」ではないのだ。

せっかく作るんだし、ここは「馬刺」を買うべきか……。どうしよう……。
「騎馬民族は固い馬肉をなんとか柔らかくして食べようと発想した」
「馬刺」と「馬刺B」の間で揺れる心に、その一文を思い出した。
そうだ、もともと質の悪い肉を美味しく食べるために始まったハンバーグ。ここは迷わず「B」で正解だ。「馬刺B」ゲット!