考えすぎて挫折
アヒル口というからには、アヒルのくちばしを参考にしよう。それ以外にない。あのくちばしの形の何かを作って、上くちびるにはめればいい。
とはいうものの、あいつはあれでけっこう複雑な曲面構造を持っている。そして、一口に「はめる」といっても、どうすりゃいいのか。ラフを描きながら、どんな形・どんな方式がいいか、数日迷った。
まず考えたのは、洗濯バサミのようにパチンとワンタッチで挟むものだ。いつでもどこでも、旅行先でも上くちびるを鍛えることができる。
関節のところは自信がないが、家にあるその類のものを改造すればいいんじゃないか。
まず言ってしまうと、面倒なので挫折。そしてもしできあがっても、「くちばしの先っちょに、持ち手が顔のほうに向いてついている」という、非常に言葉にしにくい形になり、何がなにやらという感じになりそうだった。ので、やめた。ラフを描いたのは何だったんだ。
さあ、路線変更だ!もっと簡単に済む方法でやろう、そうしようそうしよう。