デジタルリマスター 2024年2月26日

ハンザキ祭りでハンザキ山車をひっぱってきた(デジタルリマスター)

世界最大の両生類、オオサンショウウオ。かつての和名は「ハンザキ」といい、今でも中国地方の山間部ではそう呼んでいるという。ハンザキ…まるで妖怪の名前みたいだが、あのユーモラスな姿とあいまって、何か郷愁をそそるものがある。

さて岡山県は真庭市、湯原温泉。ここで年に一度、8月8日に「はんざき祭り」が開かれる、ということを昨年知った。

ハンザキの祭り…いったいどんなんだ。しかも巨大なハンザキの山車が登場するらしいぞ。何だそれは。以前ハンザキみたいなハンバーグを作ったハンザキ好きの私としては、これは絶対行かねばならないと誓った。この日をどんなに待ったことか。

2010年8月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。(動画インタビュー)

前の記事:『黒ひげ危機一発』を和風に改造 (デジタルリマスター)

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まず往路だけで1ページ使います

確かに、この日を1年待っていた。がしかし、いざ行くという段階になって「あー、今年は、やめよっかなー…」なんて怠惰な考えも沸いてきてしまうのだった。

なぜか。それはここ東京からの交通の便である。そして結局同行者がなく、ひとりで行ったのです。祭りに。それは余談として。

順を追って説明しよう。

まず岡山に向かう。それはいい。新幹線なら3時間ちょっとだ。今回は都合上、寝台列車を使ったので8時間半かけているが、寝台に乗れて楽しい、苦になんてならない。と、このときは思う。

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乗るたびに自分でもあきれるほど必ず撮ってしまう、出発の一杯。
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翌朝6時半、岡山着。桃太郎像前で寝てる人多数。

岡山駅に早朝着いたはいいが、ここから路線バスに乗り換える。出発は8時ごろ。まだ1時間半ある。

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喫茶店でモーニング。これで30分消化。
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けっきょく乗り場で待つ。未知のバスは何だかわくわくする。

中鉄バスで、ここから2時間かけて勝山というところまで行く。方向としては、岡山駅からだいぶ北上し、鳥取県との境まで近づく形だ。

乗客の数は、半分に満たないくらい。いったいこの中の何人が「ハンザキ同好の士」なんだろう。ハンザキ好きは見た目ではわからないものだ。

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ザ・夏休み。
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すばらしくきれいなJR中国勝山駅。ここでいったん到着。

ここ勝山が目的地ではない。中国勝山駅で降ろされたあと、真庭市コミュニティバス「まにわくん♥」(原文ママ)に乗り継ぐ。

岡山からずっと乗ってきた女の子3人組、彼女らも終点勝山まで往復のチケットを買って乗ってきたので「お、もしやハンザキファンですかい?」と親近感が沸きかけていたのだが、運転手さんに「このバスで蒜山まで行きますか?」と聞いていた。蒜山とは、湯原温泉の先にある高原リゾートである。ハンザキ関係者では全くなかった。

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ずんずん山に分け入っていく。
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本当にこの先に、温泉と祭りが存在するのか。不安な表情である(再現写真)。
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30分後、やっと湯原温泉に到着。
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雲が輝いている。

前日22時に東京駅を出発して、目的地である湯原温泉には11時前くらいに到着。もし新幹線を使ったとしたら、東京駅を9時ごろに出たら到着は15時過ぎくらいか。こう書いてみると別に何でもなく思える。

が、事前に調べたところ、岡山からのバスはどうやら1日4本こっきり。勝山から湯原温泉への道のりも、土地鑑がなくペーパードライバーなために漠然としたまま計画せねばならず、不安だったのだ。

バスのチケットの買い方やコミュニティバスの降り方とか、こまごまとしたブラックボックスもあったが、なんとかたどり着いた。ひさびさに不安だらけの行程が、逆に楽しく思えるが、こんな風に遠くから来る観客って果たしているのかどうか。

たどり着いても、街の様子は何だか妙だ。

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