まず往路だけで1ページ使います
確かに、この日を1年待っていた。がしかし、いざ行くという段階になって「あー、今年は、やめよっかなー…」なんて怠惰な考えも沸いてきてしまうのだった。
なぜか。それはここ東京からの交通の便である。そして結局同行者がなく、ひとりで行ったのです。祭りに。それは余談として。
順を追って説明しよう。
まず岡山に向かう。それはいい。新幹線なら3時間ちょっとだ。今回は都合上、寝台列車を使ったので8時間半かけているが、寝台に乗れて楽しい、苦になんてならない。と、このときは思う。
岡山駅に早朝着いたはいいが、ここから路線バスに乗り換える。出発は8時ごろ。まだ1時間半ある。
中鉄バスで、ここから2時間かけて勝山というところまで行く。方向としては、岡山駅からだいぶ北上し、鳥取県との境まで近づく形だ。
乗客の数は、半分に満たないくらい。いったいこの中の何人が「ハンザキ同好の士」なんだろう。ハンザキ好きは見た目ではわからないものだ。
ここ勝山が目的地ではない。中国勝山駅で降ろされたあと、真庭市コミュニティバス「まにわくん♥」(原文ママ)に乗り継ぐ。
岡山からずっと乗ってきた女の子3人組、彼女らも終点勝山まで往復のチケットを買って乗ってきたので「お、もしやハンザキファンですかい?」と親近感が沸きかけていたのだが、運転手さんに「このバスで蒜山まで行きますか?」と聞いていた。蒜山とは、湯原温泉の先にある高原リゾートである。ハンザキ関係者では全くなかった。
前日22時に東京駅を出発して、目的地である湯原温泉には11時前くらいに到着。もし新幹線を使ったとしたら、東京駅を9時ごろに出たら到着は15時過ぎくらいか。こう書いてみると別に何でもなく思える。
が、事前に調べたところ、岡山からのバスはどうやら1日4本こっきり。勝山から湯原温泉への道のりも、土地鑑がなくペーパードライバーなために漠然としたまま計画せねばならず、不安だったのだ。
バスのチケットの買い方やコミュニティバスの降り方とか、こまごまとしたブラックボックスもあったが、なんとかたどり着いた。ひさびさに不安だらけの行程が、逆に楽しく思えるが、こんな風に遠くから来る観客って果たしているのかどうか。
たどり着いても、街の様子は何だか妙だ。