戦後のアメリカ統治時代から沖縄県民に普及したという豚肉加工品の缶詰め「ポークランチョンミート」。そのままスライスして焼くのはもちろん、おにぎりにしたり、味噌汁の具材にしたり、チャンプルーに入れたりと沖縄では保存の効く万能食材として様々な料理に使われている。
県外から沖縄を訪れた人がスーパーで驚くのは、そのポーク缶のラインナップの豊富さではないだろうか。沖縄県外でも有名な「SPAM」をはじめ、「TULIP」「Midland」など様々なメーカーのポーク缶がカラフルに並んでいるのだ。そして値段も沖縄県外と比べると比較的安い。
沖縄県民のなかにはいつも同じメーカーのものを選ぶという人もいるが、そういえばこれまで味の違いについてはあまり意識したことがなかった。いつも特売になっているものを買うからかもしれない。そんなわけで今回は我々DEEokinawa編集部メンバーでポーク缶の食べ比べをやってみようということになった。
スーパーを何軒か回って購入したのは上記のポーク10種。実はこれ以外にももっとたくさん種類があるのだが、ある程度なじみのあるメーカーを中心にできるだけまんべんなく厳選したつもりだ。
まずは缶を開けてそれぞれの中身を取り出していく。缶詰めといえば近年ではプルトップで開けるものが主流になってきているが、ポーク缶はコンビーフのようにネジのような部品でくるくると巻き取りながら開けるものもまだ多く開封作業に時間がかかった。
こんがり焼いたほうが当然美味しいとは思うが、各ポークの特徴がよりダイレクトに味わえるよう今回は缶から出したポークをそのまま食べて、編集部メンバーそれぞれの「ベストポーク」を探すことにした。
SPAM(レギュラー)
まずはこちら。沖縄だけでなく全国的にも有名な「SPAM」。原産国はアメリカで、沖縄では沖縄ホーメルが輸入・販売している。商品ラインナップとして「レギュラー」「減塩」「うす塩」という3つのバリエーションがあるのだが、今回はレギュラーを購入してきた。最近では「ハラペーニョ」や「テリヤキ」といったフレーバーが加えられたものも時折見かけるようになった。
色はよく見かけるスパムの色って感じ。
これだけで食べると思っていた以上にしょっぱい。
チューリップ(うす塩)
沖縄の2大ポーク派閥といえばSPAMとこのチューリップ。原産国はデンマーク。この円安の時代に、たまにスーパーで200円くらいで販売されているという沖縄県民の食生活を支える縁の下的な頼もしい存在である。
パッケージには「うす塩」と書かれているが、沖縄で販売されているチューリップはこの「うす塩」がレギュラー的な位置づけとなっている。
見た目的には脂肪分の白い粒々がさっきより少し大きい気がする。
加工肉感?っていうか。
塩味はこっちの方が薄いから、やっぱりうす塩なんだな。
どっちが良いとかはないけど。
チューリップベーコンランチ
さきほど出てきたチューリップのラインナップのひとつ。
チューリップシンプルポーク
同じチューリップから最近発売された「シンプルポーク」。沖縄県内では結構な頻度でTVCMが流れていたり、SNS広告もばんばん流れてくる。特徴としてはたった6つのシンプルな材料だけで作られていることで脂質も25%カット。健康志向な人が増えてきた現代にあわせて発売された新製品だ。
あと香辛料の香りがする。
肉感はあんまりなくて食べやすい感じ。
なんかホテルとかの食事の前菜にくっついてるやつみたい。
クラッカーに乗ってるやつね。
味が強すぎないけど旨味もちゃんとあって。好評価!
オキハム 沖縄県産豚 100%ポーク
県内の老舗食肉加工業「沖縄ハム総合食品株式会社」が販売しているポーク。他にも「オキハムポーク」「oh! ポーク」というポークを販売している。ポークで面倒臭いのが使い終わった缶を洗って捨てることなのだが、こういうパウチ製品だと捨てやすくてとても助かる。
もしかしたら油っこいのかも?
わしたポーク
こちらは各地に沖縄アンテナショップ「わしたショップ」を展開する沖縄県物産公社の「わしたポーク」。沖縄県産の豚肉に加えて鶏肉入り、かつ黒糖を使っているらしい。ちなみに製造所は沖縄でSPAMを輸入、販売している沖縄ホーメルとなっており、ピリ辛の「わしたスパイシーポーク」という商品も販売されている。
あと豚肉と鶏肉の二種類が入ってる。