ペリーの来航地、浦賀から千代ヶ崎を目指す
最寄りの浦賀駅から千代ケ崎砲台へは約3km。
景色がきれいなので徒歩で行きたい。
浦賀といえば、1853年にペリーの黒船が最初に来航した場所。
今は小さな港町だけど、東京湾のくびれ部分の入り口に位置し、海防上たいへん重要な場所なのだ。
実際には、歩いて行く人はほとんどいないと思う。
千代ケ崎砲台は海へ突き出した山上にある。ただの3kmではなくて、どんどん上り坂になっていくのだ。
ほどよく距離がある分、気持ちも徐々に高まってくる。
到着!
ついこないだまで明治だったかのような、整いまくりの砲台跡
早速、明治へタイムスリップしてみたい。
柵門と呼ばれる、唯一の入口を通り中へと進む。
戦争遺跡なので、あまりカッコいいと言うのもどうかな…と思うも、初っ端から重厚な石積みがカッコいい。
ここからは、ガイドの方の話を聞きながら巡ることになる。
これが無料とは思えない充実ぶりで、予備知識ゼロでも楽しめるうえ、参加者の興味に合わせてマニアックな話までしてくれる。
あっという間の楽しい時間だった。
びっくりしたのがこの、そのまんまな雰囲気。
なんでこんな綺麗に残っているんだろう。
日清戦争へ向かう明治10~20年代、東京湾沿岸部には20以上の要塞がつくられた。
この千代ケ崎、猿島、観音崎、当サイトでも紹介された第二海堡などがその代表だ。
なので砲台跡は意外と珍しいものではないのだが…どれも戦前・戦後に役割を失い、緑に包まれたものが多い。
それに対し、千代ケ崎砲台は戦後いったん民間に払い下げられた後、1960年〜2013年まで自衛隊の通信基地として使用された。
そのため、荒れることなく建設当初の姿を良好にとどめているそうだ。
さらに2021年から公開されたまだぴかぴかの史跡だし。
それぞれの施設内部もがらんとしていて、余計なものがない分、往時を想像しやすい。
つい最近引っ越しで大家に明け渡した自分の部屋を思い出した。