ハンバーガーをパスタにする。
もっとふざけた感じの記事になるかと思ったが、単純においしくて興奮してしまった。
それといつか本場のシンシナティ・チリを食べてみたい。
モスバーガーのソースをパスタにかけたら美味しそうだ。
想像したことのある人も多いだろう。
これがホントに、想像以上に美味いのである。
ならばマックやバーガーキングはどうか。
この記事は、そのまま食べた方が美味いんじゃ…という心の声に抗いながら、調子にのってハンバーガーをパスタにし続けた記録である。
一時期、モスにハマって週2くらい通っていたことがあった。食べるのは必ずプレーンなモスバーガーだ。
こぼれそうになるほどたっぷり入ったミートソースが好きなのだ。
シャキシャキの玉ねぎがフレッシュで美味しい。
これをパスタにしてみたくなったのである。
具はすべてパスタソースにしよう。
追加していいのものは、パスタ・塩・オリーブオイルだけにする。
パティを崩すと、肉の焼ける香ばしい匂いがしてくる。
ちなみに、モスは珍しく豚と牛の合い挽きなのだ。いい意味でポーク感がある。
バンズはどうすんだと思っていた方もいるかもしれないが、イタリアではパスタの付け合わせにパンを食べるらしい。ちょうどよい気がする。
盛り付けしていて、これは勝ったんじゃないかと思った。
パスタにすると思った以上に具だくさんで、肉肉しさが際立つ。
食べてみよう。
美味いだろうなと想像していた1.3倍くらい美味しい。知らなければモスバーガーからできているって絶対にわからないと思う。
懸念だったマヨネーズはコクとなってソースの奥に消えている。
しっかりと肉の旨味を感じ、ゴロッとしたパティが粗びきでジューシーだ。
最近Youtubeで見た「パスタ世界チャンピオンのつくる絶品ミートソース」というのが、ハンバーグをじっくり焼いてから崩してミートソースにするレシピだったので、これは正解なのかもしれない。
イタリアというよりはアメリカンで、熱い珈琲とともにがっつきたくなる。
温めなおしたことでふかふか&カリカリになり、最高だ。
バーガーとしては当たり前になっていた、肉とパンのそれぞれのうまみが際立つ。
予想以上にちゃんと美味しくなったことに興奮し、あらたな鉱脈を探り当てた気がした。
他のハンバーガーなら、どうなるのだろうか。
同じようにマックのハンバーガーも炒めていこう。
マックはマヨネーズが入っておらずケチャップ、玉ねぎ、ピクルス、牛100%パティという中身だ。
オリーブオイルでガンガン炒めることで焼き色がつき、マックの匂いも揮発していく。
ソースが少なかったので、すこし強めに塩をした。味はどうだろうか。
ああ、これは素材だ。
しっかりと牛肉の旨味があり、二度メイラードされた香ばしさがたいへん美味しい。
よく知るマックの味・匂いは完全に消えており、牛肉の素材感が際立っている。
ここにすこしでも味を追加すれば。
トマトぺーストを加えただけで肉肉しいミートソースの出来上がりだ。
マックのハンバーガーが素材として生きる時がくるとは。
わかりやすくトマトと牛肉の旨味が合わさり、間違いない美味しさである。
やはりパスタにすると噛み応えのあるパティの肉肉しさが際立つ。
映画の中の古いニューヨーク、その片隅のダイナーでイタリアンマフィアの下っ端ががっついてるような、そんなワイルドさだ。
マックでこれだけワイルドなら、バーガーキングのワッパーならどうなってしまうんだろうか。
さて、次はハンバーガーの王様、バーガーキングのアボカドワッパーだ。
クーポンを使うとセットで870円だったが、定価の単品で持ち帰ると770円だった。「とてつもなく大きいもの」という意味の名だけある。
バーガーキングの特徴はマヨネーズがたっぷり入っていること。
これをどうすればいいだろうか。
牛乳を追加してトマトクリームパスタみたいにしてみよう。
あきらかに2人分のソースの量なのだが、これを1人で食べてみたい。
あっ、すごいバーガーキング味…!
モスにもマックにも残っていなかった、ハンバーガーっぽさがしっかりと残っている。
その半分はマヨネーズの味なのだが、肉からもバーガーキング味が抜けていない。
なぜだろう。
マヨネーズのついたレタスを後入れしたのと、量が多くて肉の焼きが足りなかったか。
美味しいといえば美味しいけど、これだとそもそもの話として、ハンバーガーのまま食べた方がいいんじゃ…という気もしてくる。
やはりトマトペーストを使ってがっつりナポリタン寄りにした方が良かったのだろう。
さすが王様。パスタになってもその主張は骨太なものだった。
やはりハンバーガーならチーズバーガーも試してみたいな~と思い、マックのダブルチーズバーガーを買ったのだが、どうすればチェダーチーズをパスタにできるだろうか。
そこでヒントになったのが、最近話題になり始めているシンシナティ・チリだ。
アメリカ・オハイオ州シンシナティの郷土料理で、スパイスを利かせたミートソースの上に玉ねぎ、豆、大量のチェダーチーズをかけて食べるザ・アメリカンなパスタである。
中南米の料理かと思ったら、シンシナティはけっこう北の方。マケドニア移民によって作られた料理だそうだ。
ハンバーガーをパスタにするだけで怒られそうなのに、さらにアメリカの郷土料理を雰囲気だけ拝借するのだ。
二重に怒られそうなのだが、ぜったい美味くなりそうな気配を感じる。
チリパウダーはドンタコスの香り、オールスパイスは胃薬っぽい。クローブも甘い香りの漢方っぽさがある。さてどんな味になるんだろうか。
これ、めちゃくちゃ美味い。なんかすごく美味くなっててびっくりした。
まずミートソースがすごい。
あんなに主張の強かったスパイスたちが、渾然一体となって美味しさへと向かってくる。
そこに、チェダーチーズのわかりやすいコク。
もともとマックのチェダーチーズの香りはそんなに好きではないのだけど、このスパイスの波にあっては、抗いがたい誘惑となってフォークが止まらない。
これがシンシナティ・チリとしていい線いってるのかどうかは正直分からないけど、美味しさはこれまで食べたパスタの中でもトップクラスだ。やみつきになる。
バンズにもチェダーチーズのコクが残っていて単体でも美味しい。
ハンバーガーをパスタにする。
もっとふざけた感じの記事になるかと思ったが、単純においしくて興奮してしまった。
それといつか本場のシンシナティ・チリを食べてみたい。
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