特集 2023年1月30日

モス、マック、バーキン…ハンバーガーをパスタにすると本当にうまい

モスバーガーのソースをパスタにかけたら美味しそうだ。

想像したことのある人も多いだろう。

これがホントに、想像以上に美味いのである。

ならばマックやバーガーキングはどうか。

 

この記事は、そのまま食べた方が美味いんじゃ…という心の声に抗いながら、調子にのってハンバーガーをパスタにし続けた記録である。

平成元年生まれ。令和から原始まで、古いものと新しいものが好き。

前の記事:熱海でしか見れない、ユニークな町並みがある

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「ミートソースパスタのバンズ添え」へと華麗に転身するモスバーガー

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ということで、モスバーガーへ行ってきました
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2023年1月現在のモスバーガーは410円。なかなかの高級バーガー

一時期、モスにハマって週2くらい通っていたことがあった。食べるのは必ずプレーンなモスバーガーだ。

こぼれそうになるほどたっぷり入ったミートソースが好きなのだ。

シャキシャキの玉ねぎがフレッシュで美味しい。

これをパスタにしてみたくなったのである。

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前日、バンズと具ををわけて保存したもの

具はすべてパスタソースにしよう。

追加していいのものは、パスタ・塩・オリーブオイルだけにする。

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パスタはディチェコのオーソドックスなものを使う
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麺を電子レンジで茹でる間に具をオリーブオイルで炒める
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パティとスライストマトを潰しながら、じっくり炒めていく

パティを崩すと、肉の焼ける香ばしい匂いがしてくる。

ちなみに、モスは珍しく豚と牛の合い挽きなのだ。いい意味でポーク感がある。

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だんだんミートソース然としてくる
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冷凍していたバンズは霧吹きで濡らしてトースターにかける

バンズはどうすんだと思っていた方もいるかもしれないが、イタリアではパスタの付け合わせにパンを食べるらしい。ちょうどよい気がする。

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茹でた麺を絡めて出来上がり
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ミートソースパスタのバンズ添えの完成だ

盛り付けしていて、これは勝ったんじゃないかと思った。

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完璧なモスバーガーに手を加える後ろめたさが吹き飛ぶ見映えだ

パスタにすると思った以上に具だくさんで、肉肉しさが際立つ。

食べてみよう。

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わーうまい!

美味いだろうなと想像していた1.3倍くらい美味しい。知らなければモスバーガーからできているって絶対にわからないと思う。

懸念だったマヨネーズはコクとなってソースの奥に消えている。

しっかりと肉の旨味を感じ、ゴロッとしたパティが粗びきでジューシーだ。

最近Youtubeで見た「パスタ世界チャンピオンのつくる絶品ミートソース」というのが、ハンバーグをじっくり焼いてから崩してミートソースにするレシピだったので、これは正解なのかもしれない。

イタリアというよりはアメリカンで、熱い珈琲とともにがっつきたくなる。

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さらにパンがうまい

温めなおしたことでふかふか&カリカリになり、最高だ。

バーガーとしては当たり前になっていた、肉とパンのそれぞれのうまみが際立つ。

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二重の炭水化物に胃も心も満足した

予想以上にちゃんと美味しくなったことに興奮し、あらたな鉱脈を探り当てた気がした。

他のハンバーガーなら、どうなるのだろうか。

 

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ではマックのハンバーガーならどうか?

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モスに比べると心もとないが、これがちょっと前まで100円だったのはすごいと思う

同じようにマックのハンバーガーも炒めていこう。

マックはマヨネーズが入っておらずケチャップ、玉ねぎ、ピクルス、牛100%パティという中身だ。

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炒められるピクルス
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牛の焼ける香ばしい匂いがしてくる

オリーブオイルでガンガン炒めることで焼き色がつき、マックの匂いも揮発していく。

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完成!

ソースが少なかったので、すこし強めに塩をした。味はどうだろうか。

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美味しい、んだけど……

ああ、これは素材だ。

しっかりと牛肉の旨味があり、二度メイラードされた香ばしさがたいへん美味しい。

よく知るマックの味・匂いは完全に消えており、牛肉の素材感が際立っている。

ここにすこしでも味を追加すれば。

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ということでトマトペーストだ
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後日作り直した

トマトぺーストを加えただけで肉肉しいミートソースの出来上がりだ。

マックのハンバーガーが素材として生きる時がくるとは。

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ナポリタンっぽい味わいもある

わかりやすくトマトと牛肉の旨味が合わさり、間違いない美味しさである。

やはりパスタにすると噛み応えのあるパティの肉肉しさが際立つ。

映画の中の古いニューヨーク、その片隅のダイナーでイタリアンマフィアの下っ端ががっついてるような、そんなワイルドさだ。

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美味しかった!

マックでこれだけワイルドなら、バーガーキングのワッパーならどうなってしまうんだろうか。

 

バーガーキングのアボカドワッパーをクリームパスタにしたい

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バーガーキング、ふつうに食べたくなり持ち帰る前に食べてしまった

さて、次はハンバーガーの王様、バーガーキングのアボカドワッパーだ。

クーポンを使うとセットで870円だったが、定価の単品で持ち帰ると770円だった。「とてつもなく大きいもの」という意味の名だけある。

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バンズは1/4ポンド、レタスも多い

バーガーキングの特徴はマヨネーズがたっぷり入っていること。

これをどうすればいいだろうか。

牛乳を追加してトマトクリームパスタみたいにしてみよう。

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フライパンに並べてみても、本当に具沢山
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同じように炒めて…
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パスタを入れるタイミングでレタスと牛乳、ブラックペッパーも追加する
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パスタが隠れるほどの盛り

あきらかに2人分のソースの量なのだが、これを1人で食べてみたい。

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お味はどうだろうか

あっ、すごいバーガーキング味…!

モスにもマックにも残っていなかった、ハンバーガーっぽさがしっかりと残っている。

その半分はマヨネーズの味なのだが、肉からもバーガーキング味が抜けていない。

なぜだろう。

マヨネーズのついたレタスを後入れしたのと、量が多くて肉の焼きが足りなかったか。

美味しいといえば美味しいけど、これだとそもそもの話として、ハンバーガーのまま食べた方がいいんじゃ…という気もしてくる。

やはりトマトペーストを使ってがっつりナポリタン寄りにした方が良かったのだろう。

さすが王様。パスタになってもその主張は骨太なものだった。

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バンズ、お前はまた今度食べような

 

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マックのダブルチーズバーガーで、超うまいアメリカンパスタ「シンシナティ・チリ」っぽいのを作ったらすごかった

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なんとか剥がしたマックのダブルチーズバーガーの具

やはりハンバーガーならチーズバーガーも試してみたいな~と思い、マックのダブルチーズバーガーを買ったのだが、どうすればチェダーチーズをパスタにできるだろうか。

そこでヒントになったのが、最近話題になり始めているシンシナティ・チリだ。

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こんな感じのすごいやつです
Valereee, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

アメリカ・オハイオ州シンシナティの郷土料理で、スパイスを利かせたミートソースの上に玉ねぎ、豆、大量のチェダーチーズをかけて食べるザ・アメリカンなパスタである。

中南米の料理かと思ったら、シンシナティはけっこう北の方。マケドニア移民によって作られた料理だそうだ。

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チリパウダー、シナモン、オールスパイス、クローブ、クミン、ナツメグなど多種多様なスパイスを使う

ハンバーガーをパスタにするだけで怒られそうなのに、さらにアメリカの郷土料理を雰囲気だけ拝借するのだ。

二重に怒られそうなのだが、ぜったい美味くなりそうな気配を感じる。

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いつも通り炒めたら、スパイスを加えてさらに炒める

チリパウダーはドンタコスの香り、オールスパイスは胃薬っぽい。クローブも甘い香りの漢方っぽさがある。さてどんな味になるんだろうか。

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水とトマトペースト、チョコレート、少量の酢を加えて煮込む
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茹でたパスタを先に皿に盛り付け…
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たっぷりのミートソースとチェダーチーズをのせたら完成
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チーズが溶けだしてもう旨そうだ

これ、めちゃくちゃ美味い。なんかすごく美味くなっててびっくりした。

まずミートソースがすごい。

あんなに主張の強かったスパイスたちが、渾然一体となって美味しさへと向かってくる。

そこに、チェダーチーズのわかりやすいコク。

もともとマックのチェダーチーズの香りはそんなに好きではないのだけど、このスパイスの波にあっては、抗いがたい誘惑となってフォークが止まらない。

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フォークが止まらない

これがシンシナティ・チリとしていい線いってるのかどうかは正直分からないけど、美味しさはこれまで食べたパスタの中でもトップクラスだ。やみつきになる。

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せっかくなのでバンズにもミックスチーズをかけて焼いた

バンズにもチェダーチーズのコクが残っていて単体でも美味しい。

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ミートソースを乗せるとさらに最高
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興奮のままになくなってしまった
 

ハンバーガーをパスタにする。

もっとふざけた感じの記事になるかと思ったが、単純においしくて興奮してしまった。

それといつか本場のシンシナティ・チリを食べてみたい。

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