人前で鏡を見るのは恥ずかしい
鼻の穴付近で確かに何かがそよいでいる気配を感じる。目ヤニも出ている気がする。 そんなことがよくある。しかし、人前で鏡を取り出し顔を確認するのがどうしても恥ずかしい。
人前で鏡を見るのは、自分が書いた真面目なポエムを人前で朗読するのと同じ恥かしさだ。別に真面目に書いたポエムだから恥ずかしいはずは無いけれど恥ずかしい。それと一緒なのだ。
女性が電車の中で鏡を取り出し、顔の状況を確認する場面は何度も見かけたことがある。しかし男性が鏡を見ているところはあまり見ない。それはきっと恥ずかしいからだと思う。人前で鏡を取り出し、自分の顔を見るのに照れてしまうのだ。
勇気を出し、鏡を取り出し顔の状況を確認したとしても、「あ、やっぱり付いてる」と思って、目ヤニなどを取るのは恥ずかしい。
電車でズボンのチャックが開いていると気が付いて閉める時に恥ずかしいのと同じだ。
涼しい顔でやったとしても、鏡を見ながらやった時点で、周りの人に「あの人目ヤニ出てたんだ」などと思われてしまう。そう思うと恥かしくてたまらないのだ。
男性が鏡を見る行為は不自然だけれど、携帯電話をいじる光景は普通だ。そして、携帯電話をいじりながら目の辺りを触るのも割りと自然な感じだ。鼻の辺りを触っていても、不自然さを感じないと思う(少なからず鏡よりは)。手持ち無沙汰で鼻の辺りを触っているのかな~くらいにしか思わない。
しかし、携帯電話では自分の顔の状況が確認できない。
画面に薄っすら自分の顔が映るかもしれないが、それでは不十分だ。鮮明に鼻の穴付近でそよぐ何かや目ヤニを確認したいのだ。では、どうすればいいのか。外見が携帯電話の鏡を作ってしまえばいいのだ。
携帯電話風鏡で恥かしくない
外見が携帯電話の鏡を作った。
これで全然鏡を見ているようには見えないと思う。しかし完全な鏡であり、メールを打っているように見えるが、僕は目ヤニを必死に追っているだけなのだ。
この鏡により恥ずかしい気持ちを味わうことなく、鼻の穴付近でそよぐ何かや、目ヤニを取り除くことができる。もちろん本来の携帯電話としての役割はこの鏡には無いが、鏡としては目立たず素晴らしいと思う。
携帯電話風鏡の製作秘話
携帯電話風鏡は携帯電話の画面の部分に鏡をはめ込む。
画面の上に鏡をそのまま貼ってもいいが、それでは携帯電話を閉めることができなくなってしまうので、面倒くさいが画面の部分を切り取る必要がある。
本物の携帯電話の画面を切ってもいいがもったいないので、モックの携帯電話を準備した。モックとは電気屋の携帯電話売り場などに並んでいる、外見を実物そっくりに似せた模型のこと。電気屋で下さい、と懇願したらたくさんくれた。
完成した携帯電話風鏡を見ると、おおよそ画面のサイズに鏡がピッタリと合っているのが分かると思う。しかし、そう都合よく画面ピッタリサイズの鏡は売っていない。では、どうしたか。鏡をそのサイズに切ったのだ。不器用な僕が。