手を切り鏡を切る
鏡を画面のサイズに合わせてカットする。
これがとても難しいのだ。ガラスカッターを使っても、コピー用紙をカッターで切るように切れるわけではない。むしろ全然切れないのだ。なんとなく跡が付くだけなのだ。


この企画で一生分の鏡を割ったと思う。
鏡は全然スパッと切れないのだ。しかし、僕の手はまぁスパスパ切れる。勢いよくガラスカッターがすべり切れ、割れた鏡で切れとキレやすい若者の代表格とも言えるくらいに切れた。

ダンボールをカッターで切るのも上手くできない僕が鏡を切っていく。日本語しか出来ないのに、中国語をスペイン語に訳すような無理難題だ。でも、これも鼻の穴付近でそよぐ何かや目ヤニを自然に取るためなのだ。

鏡を見ているようには全く見えない。
周りの視線を気にせずに、鼻の穴付近でそよぐ物たちや、目頭にこびりつく物たちを取り除くことができる。これを作るのに5時間もかけたとは誰も思わないだろう。というか、まさか鏡とは思わないだろと思う。

スマートフォンも鏡
完成した携帯電話風鏡を見ていたら鏡が小さいように思えた。
もっと大きな画面(鏡)で自分を見たい、そういう欲がもちろん沸いてくる。そこで、携帯電話より画面が大きいスマートフォンを鏡にすればいいのではと思った。


一見鏡には見えないと思う。しかし鏡なのだ。
ツイッターでも見ているように見えるけれど、実は自分の目ヤニの行方を追っているだけなのだ。普通に鏡を取り出してやると恥ずかしいけれど、このスマートフォン風鏡ならば鏡と分からないのでやっぱり恥かしくない。

スマートフォン風鏡の製作過程
作り方は携帯電話風鏡と一緒だ。
画面を切り、そこに鏡をはめ込むだけ。このスマートフォンもやはり携帯電話風鏡同様にモックだ。電気屋に行って店員さんに下さい、どうか下さい、と懇願したら快くくれた。



写真2枚で完成したが、モックの画面はなかなか切れず、鏡もなかなか切れずで、かなりの時間を要している。
3回ほどもうやめようとも思った。
鏡を切っていると頑張っている自分の顔が映るのだ。すると不意に我に返り「目ヤニを取るためだけなんだよな…」と思ってしまい、どうもヤル気が削がれてしまうのだ。


時代の最先端!
もう鼻の穴付近でそよぐ何かも、目頭付近に付着する何かも全く怖くない。誰にも気づかれずに涼しい顔で綺麗な顔を保つことができる。デート中だろうがなんだろうが、自然にチェックできるのだ。時代の最先端を行くスマートフォンが鏡。カッコいいと思う。

