どうしてもビールが必要な場面がある
仕事がら、家飲み風景の写真を撮影することが、かなり頻繁にあります。たいていは料理のかたわらにお酒が写っているパターンで、いちばん多いのはビールでしょうか。
上の写真は、当サイトに以前書かせてもらった「近所のスーパーでうさぎや猪の肉が普通に売られていたので食べてみた」という記事より。
僕はお酒が好きなので、もちろん家飲みも大好き。美味しい料理の横には、いつだってお酒があってほしいものです。
ただ、そんな僕だって、別に毎日毎日明るいうちからお酒を飲んでいるわけではないんです。昼間は粛々と仕事をしていることが多い。その最中にお酒なんて飲んでしまったら、能率が大下降すること間違いなし。
それでも、どうしても必要な家飲みシーンの撮影を日中にしなければいけないこともあります。たとえば、オリジナルのレシピ記事。
過去に何度か作ったことのあるおつまみレシピを紹介する記事の撮影を、昼間にしていたとします。もちろん味は知っているわけで、作った料理はラップをかけてしまっておき、夜にでも食べればいい。そういう場合でも、僕は律儀にビールを注いで撮影し、せっかくだからと飲んでいる。近年はそんな状況に限り、ノンアルコールビールで代用するようにもしていますが、そもそもビールにしろノンアルコールビールにしろ「仕事が終わった、さぁ飲みたい!」という時以外に飲むのって、違うんですよね。当たり前か。だからって、コップに注いだビールにラップをかけておいて、夜に飲むのはもっと違うじゃないですか。
食品サンプルでいいじゃん!
……前置きが長くなりました。テーマがテーマだけに熱くなってしまいましたが、言いたいことはシンプル。撮影のためだけに開けるのは、ビールに失礼なんじゃないか? もっとビールを大事にしたい! ということ。
そんな折、偶然こんな商品の存在を知りました。
そうか、食品サンプルという手があったか! という話です。
がっつりと飲み食いする様子をレポートするのではなく、あくまで主役の料理の横に見切れる程度に小物として写っているビールの場合、それが本物に見えるくらいリアルならば、食品サンプルでいいじゃん! と。そのことに気がつくまで、主にお酒のことを書くライター業を初めてから、20年近くもかかってしまいました。
で、この商品、自分で作るぶん一般的な食品サンプルと比べるとリーズナブルで、そもそも自作するのが楽しそうだし、愛着もわきそう。
というわけで今回の記事、ここからやることは単純です。比較的手先の不器用な僕が、このサンプルキットを説明書どおりに作ってみるだけ。
制作スタート
セットの内容はシンプルで、ゼラチン製のビールのもと、泡のもと、それを入れるプラカップ。食べもののイメージが強いゼラチンですが、こちらは温度によって硬さが変化する「食品サンプル用ゼラチン」というものらしいです。
それから、せっかくのビールサンプルをプラカップで作るのは味気ないし、そもそも家飲みでは使いません。説明書に好きなグラスで作ってもいいと書いてあるので、そうしましょう。
グラスは、以前こちらの記事で紹介した、地元の中華料理店「龍正軒」が閉店してしまった後、大量に譲り受けたもの。正真正銘、町中華で長年使い続けられてきたビールグラスです。
作りかたもわかりやすく、湯せんであたためたそれぞれのもとを、ビール、泡と2段階に分けてグラスに注いで冷やし固めるだけ。
ただ、公式サイトにある作りかたの動画を見ると、けっこうコツがいりそうなんですよね。うまくできるか不安。
まぁ、作っていってみましょう。
まずは熱湯を沸かし、それをボウルなどに移す。すると温度が90℃くらいに下がるので、そこへビールと泡のもとを入れ、湯せんで溶かしします。
ビール、泡、順にグラスへ注ぐ
ビールのもとが柔らかくなったら、絞り口をカットし、グラスへ注いでいきましょう。
実はこの時点でちょっぴり不安要素が発生。初めてなので具合がわかっていないうえ、気が焦りすぎたか、なんだかビールのもとのところどころに固形の箇所が。これでいいのか、もっと柔らかくなるものなのか。けどまぁ、最終的に固まったら一緒でしょ、という楽観精神で進めていきましょう。
ちなみに、この時点で表面がでこぼこな場合は、40〜45℃程度のお湯を注いで溶かして平らにすることもできるそう。ただ、今回は気になるほどでもないのでそのままいきましょう。
これがいったん固まったら、続いて泡。そ〜っと。
これは、あれだ。失敗だ。
完全に自分のミスですが、ビールを斜めにしても崩れなかったのでもう固まったと判断し、泡を注いでしまったら、気が早かったようですね。ビールと泡が混ざってしまいました。これは修復不可能そうだな……。
大変遺憾であります。

