ボウリングのピンがあった
少し歩いていて思い出したのは、かつて池袋にあったボウリング場のことだ。
この建物の中にはヤマハ音楽教室があって、私はそこに通っていた。レッスンが終わると同じ建物にあるボウリング場やゲームセンターで遊ぶのが定番コースだった。
目印は、大きく置かれたボウリングのピン。郊外のボウリング場であればこういうものが目印として置かれていることが多い。しかし、池袋のど真ん中にあると、どこかこの世のものではないオーラがただよう。
ここは今、どうなっているのだろうか。
取り壊された、と噂では聞いていたが、その後にこんな巨大な商業施設になっているとは知らなかった。
現在の風景に、かつての風景をかざしてみる。
せめて、ボウリングのピンだけでも残っていたら、と想いを馳せること、この上ない。
重ねてみると、劇的な変化がよくわかる
現在のビルは、「Q plaza 池袋」といい、再開発の目玉の一つだという。
シネマコンプレックスを核とした商業施設で、映画館には国内最大のスクリーンがあるという。横幅はなんと25.8メートル。25メートルプールが入る。
ちなみに、ボウリングの1レーンの長さは、投げる場所まで入れると、22.8メートル。映画館の横幅サイズに似ている。スクリーンサイズに、かつてのボウリング上の記憶が埋め込まれている。
Googleマップでは見えない遺伝に気付かされる。
実は遺伝しているのだ
再開発は終わってしまった
Q plaza池袋から進むと、池袋の更なる大規模再開発エリアに入る。もし、昔の池袋を知っている人がこれを見たら驚くと思う。
もう言葉は必要ないかもしれない。
このエリアの10年の軌跡を一部ご覧いただきたい。
まずは、10年前に豊島公会堂があったエリアから。
豊島区役所は公会堂があったこのエリアが再開発されたのは、2010年代の後半のこと。ちょっと目を離したすきにこの変貌ぶりだ。
10年は、短いようで長い。
再開発はもう終わってしまった。
空に道ができた
再開発は、空にも道を作る。
10年があれば、空に道も描けるのだ。
ダイナミックな、あまりにダイナミックな
極め付けはここだ。
アニメイトは、マンガやアニメのグッズを取り扱うショップで、池袋のシンボル的存在だ。本店はかつてサンシャインの前にあったが、数年前にここに移ってきた。
ここの10年前を見てみる。
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言われなければ、同じ場所だと分からない。ぜんぜんちがう。
逆に、かつての池袋にこんな場所があるとは思わなかった。
同じ場所だと思えるだろうか
10年前、それは短いようでいて長い過去だ。
Googleマップには、池袋のダイナミックな、あまりにもダイナミックな変化が刻まれていた。
れんさい企画「10年前の池袋を歩く」