ライター:こーだい
第一回:ショウリョウバッタは口から黒っぽい汁を出す
第二回:シリコンか粘土でいく
第三回:かたどり用の原型が良い感じすぎる
第四回:石粉粘土のショウリョウバッタ
連載のはじまりは手探りのうちに
この記事は全5回の連載企画の初回である。つまり5回目の掲載日までに工作を何かしらの形にしないといけないのだが、実のところまだ製作に着手すらできていない。
なかなかのプレッシャーだ。読者にも、このヒリつくような感覚を味わってもらえたらと思う。
今回は「バッタが吐く黒っぽい汁」でピンとこない人のために現物を紹介しよう。
バッタを見に雨上がりの河原へ
天気は激しい雨続きだが、晴れ間を見つけてバッタの好物のイネ科の植物が茂る河原にやってきた。
7月のショウリョウバッタはまだ小さい
水没していない場所を見つけてなんとか観察をはじめた。
工作のモデルにするバッタは、ショウリョウバッタだ。刀傷のようなシュッとした姿がかっこよくて、バッタのなかでは一番のお気に入り。
ショウリョウバッタは梅雨の頃に地中の卵から生まれ、秋になると産卵して死んでしまう。
今いるのは生まれたての子供なんである。
しかし、なかなか汁を吐かない
今年の春から夏にかけて、暇なときは河原で食べられる草を採って生活の足しにしていた。バッタとは、いわば同じ河原の草を食った仲なのである。
気分がのらないのかもしれないが、兄弟を助けるつもりで頑張っていただけないだろうか......。
指先でバッタをいじめて3分ほどたっただろうか。ようやく思いが通じたのか口元からじわっと茶色い球が湧いてきた。
綱をわたりきった。
「よい工作を作ります......」
ひとしきり感謝したあと、野にお帰りいただくことに。恩人である。秋まで生きのびてもらえればと思う。
次回は材料をそろえて製作にかかります。
ライター:こーだい
第一回:ショウリョウバッタは口から黒っぽい汁を出す
第二回:シリコンか粘土でいく
第三回:かたどり用の原型が良い感じすぎる
第四回:石粉粘土のショウリョウバッタ