自由ポータルZ 2021年5月7日

唐揚げの衣たべくらべ・表現を変える研究~自由ポータルZ

こんにちは、編集部 石川です。

ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか。僕は子供と外で遊んでいて雨が降ってきて「ワー!」って言いながら自転車で急いで帰る、ってやつを4回やりました。3か月分の「ワー!」を先取りした気分です。にわか雨ってもっと真夏に降るやつじゃなかったでしたっけ。4回もやったのに最後まで傘を持って行くという発想にいたらなかった自分も自分ですが。

今週の自由ポータルです。

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【もう一息】唐揚げの衣を食べ比べる

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[投稿者]ものもさん (note
[コメント]唐揚げの衣としてよく挙がる小麦粉、片栗粉、米粉、コーンスターチの4種類の粉をそれぞれ食べ比べてみたり組み合わせたりしました。もっと唐揚げの可能性を探っていきたいです。

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古賀及子のコメント

これはタイトルがうまいですよね。読まざるを得ないです。

タイトルのまんまいろんな唐揚げの衣をはいで食べくらべるのかなと思いきや、内容としてはかなり本格的な唐揚げの衣につかう粉についての考察の記事になってます。

良い意味で期待が裏切られるというか、かっこいいタイトルに実用的な内容で驚きました。

で、考察がこれがかなり手堅いですよね。しっかり条件を合わせて実験して、おいしいものを作り慣れて食べなれた人のこなれた書き口で結果が説明されてます。

粉をミックスした2周目、パン粉を交えた3周目まであるとは思いませんでしたが、まとめの文章で、本当に唐揚げに使命を感じてやったことだとわかり腑に落ちました。

企画記事としては、もうちょっと要点を見やすくまとめたいです。食べくらべは「淡々と」になってしまうとなかなか読まれにくい傾向にあります。

特徴のまとめを先に持ってくる、大きく分かりやすく書く、結果を表にするなどできることがたくさんありそうです。

 

【もう一息】みそ柏餅コレクション TOKYO 2021

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[投稿者]ちくわうしさん (大うし展
[コメント]和菓子界でもなかなかマイナーな「みそ柏餅」を推したくて、たくさん食べてたくさん紹介してみました。自転車も100kmこぎました。食べ比べ企画とかぶってしまいましたが、この時期ならではの味をすこしでも楽しんでもらえたら幸いです。TOKYOと言いつつ他の道府県に展開しているお店もあります。

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古賀及子のコメント

種類は違えど、こちらも同じく執念の食べくらべ記事。

>「みそ柏餅の入門ガイド」として12店のみそ柏餅を紹介したい。

と、冒頭からミッションが明らかになっていたり、まず「みそ柏餅とは」が図表とともに紹介されていたりと、常連のちくわうしさんの地肩の強さがうなります。

12店の紹介もきれいですね……。店頭の写真が抑えてあるのが強いです。和菓子屋ってフォトジェニックですよね。

最後の図でバーンと一覧性が出て、まさに「みそ柏餅の入門ガイド」でした。

ものもさんの記事にも書いたのですが、これだけ上手に書いてもどうしても12店が「淡々と」並んでしまうところに食べくらべ記事自体のむつかしさを感じます。

最初にチャートを持ってきて、初心者向けのみそ弱め、初心者向けのみそ強めなど、4つのジャンルに分けて紹介していくとかなり読みやすくなったかなと思います。

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石川大樹のコメント

恥ずかしながら、みそあん、食べたことがない…というか存在すら認識しておりませんでした。そんなものがあったのか…

そういうマイナー枠の食べ物を押し出していくのは記事としての目の付け所がいい上に社会的意義すら感じます。そして筆致には書き慣れ感があり、ちゃんと好きであることも伝わってくる記事でした。

古賀が『「淡々と」並んでしまう』と指摘していますが、僕も同感で、やっぱりそこが比べ記事の宿命ですね。

淡々と並ぶことの何が問題かというと、「全部読まないと全体像がつかめない」ことだと思うんです。「この店は全体の中でどういう立ち位置なのかがわからない」というか。逆に書き手は全体を知ってる上で書いてるから、書くのは苦にならないんですけど。読むほうは断片だけを次々見せられてる感じになってしまう。
対策としては、

(古賀が言ってるように)分類する→この店が全体の中でどういう立ち位置にあるかがわかる

おすすめ順に書く→読者にとっての重要度があらかじめわかる

最初にYES/NOチャートで「あなたのおすすめはこれ!」って出しておいてあとから個別に紹介する→これも自分にとっての重要度があらかじめわかる

という感じで、要は読者の頭に全体の地図を先にインプットするようにすると、一気に読みやすくなると思います。

 

【もう一息】デイリーヤマザキの看板の”D"を耳にする。

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[投稿者]oyayubiSANさん (oyayubiSANのブっ飛びブログ
[コメント]デイリーヤマザキの看板のDが耳っぽいのでいっそのこと耳にしました。

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林雄司のコメント

なんだこれ!でも面白かったよ!

「違和感ナシだぞこれ!」って書いてるけど、めちゃくちゃ違和感あるし、「まるでそう、不倫相手の婚約指輪が意外と高価だった。」って比喩もぜんぜんわからない。けど笑いました。「あーこれはもう公式のヤツだわ。」で声出して笑いました。なんの公式だよ。戸惑ったまま、最後はクイズで終わる。

なんだなんだ?

ライブハウスで目当てじゃないバンドでなんか変なのがいるぞ、って発見したときのような、そんな楽しさです。

全力でもう一息に激推します!

こういうの選んじゃうのって疲れてるのかな、おれが。

 

【もう一息】表現を変える研究録

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[投稿者]あずずさん (メリーROOM
[コメント]色々な物の表記を変えることで、印象が変わるという実験的な記事です。
僕が感じて書いた印象、読者の方が読んで持った印象、そこにも違いがあると思うとそれもまた面白くなるなあと感じています。

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林雄司のコメント

これはいいですね。「茹でたうえに混ぜなきゃいけない」「0.1%で除菌失敗」「お米2000g」…笑いました。おもしろいし、批評性がある。

グーグル翻訳のように強引に文字を変えているのも偶然か狙っているのか分かりませんが功を奏していますね。
そういう視点で世界を書き換えて見ている雰囲気があります。

強いてアドバイスするとしたら、賢さが全面に出ちゃってるからちょっと抜けたところがあると良いかもしれないですね。

例えばタイトルをもっと柔らかくするとか。
「茹でたうえに混ぜなきゃいけない」がいいフレーズなのでタイトルにも使えそうです。

(タイトルを考えるとき、記事のいいフレーズを使うのは深みにはまらなくていいですよ)

 

Tips:比べ記事のくふう

ちくわうしさんの評の続きになりますが、比べ系記事を淡々とさせないためのくふうを、過去記事の例でご紹介したいと思います。

ほぐし水は飲み比べても、いい
→いきなり一覧表の潔さ。この時は短い記事枠だったのでそのまま終わってますが、一度一覧表を見せた後なら、ゆっくり各商品を紹介していっても大丈夫だと思います。

白い粉にもこんなに多様性が!ホットケーキミックス6種類食べ比べ
→これは一覧表よりはちょっと控えめな先出しですが、しかし「簡単にジャンル分けしてみた。」の表が効いています。先に全体像を把握できるんです。

ふつうのカップヌードル9種類食べ比べ
→一個一個順番に紹介するのをやめる、というのも手です。すべてのラーメンを並行して作りつつ、その過程でうまく各商品の特徴をピックアップしています

秋葉原ミルクスタンドの牛乳飲み比べ
→これはちょっと違うアプローチなのですが、先に情報を見せるのではなく、日記形式にして読み物としての度合いを高めることで淡々とするのを回避しています。
そんな感じで、比較記事を書くときは参考にしてみてください…!
ではまた来週

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