中国の雑貨屋はよい
ショッピングセンターが大人気で、そのショッピングセンターには文房具を扱う雑貨屋が何店か入っている。
何があるかわからない雑貨屋を見るのは中国でも楽しい。むしろ中国だから何があるかわからなくて楽しい。何があるかとみたらやたら変な日本語の書かれた文房具があるのだ。
こんな感じの落ち着いた雑貨屋さんが増えた
こんな感じで日本語があふれる。読めるのかなあ
日本ではなさそうなセンスのもあって、なかなかあなどれない。
日本に帰るときにお土産にしたいけど、たくさん買えばノート系は重くなる。買いたい気持ちをほどほどに、それでも買ってしまった文房具をここに紹介していきたい。
新ジャンル「ポエムな日本語」
すしと言い張るおにぎりのふでばこ。正直かわいい。
英単語学習用ノートなのに日本語がまぶされる。製品の意義を問う逸品。
小さい文字であれこれ書かれている。便所の落書き感があるとかいってはいけない。オシャレでありポエムなのである。
本リンと読めてしまうのが、固定観念とかいうものだ。キリンとトラでなくタイガーと呼ぶのがいい。かわいい。
メッセージカードでした。中をあけるまでドキドキ。
改行がおかしいノートも、おしゃれ雑貨に混ざればなんだかありだなと思ってしまう
ノートだけど、開いたら日本語がありましたよ。
「都心から離れて簡単な生活を送っていた時間は柔軟
で『より良い生活をしなければならない。
雑貨屋で売られる文房具の日本語は、例えるならシャンゼリゼ大通りでフランス語をしゃべりたくなるような高揚感というのだろうか、音楽ユニットが英語の歌詞を作詞して歌うようなものだろうか、なにか「これ日本製なんだぜ」という自己主張は全くなく、ポエムに酔いしれる、そんな感じの製品が多いのを感じてもらえるだろうか。
スケッチブック。下のポエムも味わいたいが、上の「ザボン」も捨てがたい
ポチ袋。「猫の物語」といった「の」の活用なら珍しくないが「猫の物語を」で止めるのは珍しい。
「おまえうまそうだな」と「となりのトトロの食べる」の謎コラボ
オシャレポエムに「デブ」を挟みこむことでポエムの常識からの脱却を図る。
「デブは何がよくないとしても、少なくとも暖かい人」……名文じゃありませんか?
味わいあるポエム「上野さくらさくらでまた人々奇妙なこと」
中にはしおりが入っていた。なんとなく「古池や蛙飛び込む水の音」。シャレオツ。
普通のノートだけどパワーある記録生活の日記。
「ノートは専門を書く誕生の快適性を感じてもっと柔らかい紙に書き
にくい、そしてに墨を吹き紙など、紙の要求に
ふさわしい高い万年筆、精細なので、快適な感じを提供
できるように書く!」……説教されました。
「書くことは、紙、墨、滲むなど、紙などに対し、より高い万
年筆を要求することに適している!」……紙質でまたも説教されました。
プレイバック「変な日本語」
これらの変な日本語はそんなに変わっているのか、昔からこんなもんでしょ?と思うかもしれない。いやいや結構違う。改めて昔の変な日本語を紹介したい。
いかに今年の変な日本語トレンドがポエムに満ちてオシャレなのかわかってほしい。
変な日本語の質が変わった
昔は日本製を偽装して売ろうとしていた。そこが正直面白さでもあった、と思う。今は日本愛があり、ポエムとして使われる言葉なのだ。昔のような面白さではもはやない。
変な日本語は時代によって変わっている。それでも変な日本語のニーズはきっと今も健在。どんな形であれ、記憶するのが大事。いつ絶滅しかねない変な日本語文化はアーカイブが大事なのだ。
なので今後ともコレクションしていきたいと思いました。
昔の変な日本語を保存しておいてよかった (「中国のお洒落スポットで見た変な日本語」(2007)より)