アレクサンドラ・ロード・エステート!!
今回は、とにかくかっこいい団地をひたすら紹介するだけのものになります。ロンドンって、もう、ほんとうにすてきで夢うつつでした。ずっと「わぁ……!」って言ってました。
いくつかご紹介しますが、まずは アレクサンドラ・ロード・エステート "Alexandra Road Estate" という団地から。すごいですよこれ!
これが Alexandra Road Estate です! すごい!
これ、団地です。
ご覧の通り建築がすごいのですが、
やんわりとしたカーブもまたいい。
硬派な造形ですが、住民の方々が真ん中の道に集まっておしゃべりしてて、全体としてすごくなごやかな雰囲気でした。不思議な感じ。
テラス部分が、それぞれ思い思いにカスタマイズされてて良い感じ。
階段を上がってみましょう。
のぼっていくと、
日本の団地と同じように2軒の玄関が向かい合っている。
4階部分の通路はこんな。すてきだ。
まわりも住宅街なんだけど、いたってふつうの建築。この Alexandra Road Estate だけ特殊すぎる。
棟の端っこ。いきなりすぱっと終わってて、これまたかっこいい。
どうですかこれ! すごいよね。みなさんもロンドン行ったらここは絶対訪れるべき。場所は
ここ。航空写真で見てもすごいことになってる。
着工1972年で、完成は1978年。ぼくとほぼ同い年だ。Neave Brown さんという方の設計だそうだ。
詳しいことは
Wikipediaの項や
公式サイトをご覧頂きたいのだが、おもしろいのはこの団地はしばしばロケ地として使われていること。
上の写真を見て「どこかで見たことがあるぞ」と思った方がいるだろう。おそらく映画『キングスマン』で見たのではないか。エグジーが住んでいた団地がここだ。
その他にもいろいろな
映像に登場する。これだけ特徴的な団地ならそりゃそうだろう。
個人的には、80年代にヒットを飛ばしたミュージシャン、カースティ・マッコールの "A New England" という曲のミュージックビデオの
ロケ地になっているのを知ってぐっときた。この曲、中学生のときに聴いてたよ! (ちなみに、今知ったんだけど、この曲はビリー・ブラッグのカバーだったのね)
I saw two shooting stars last night
I wished on them but they were only satellites
って歌詞がいい。
今見ると、曲の内容とこの団地には全然関連性が無く、ただ絵的に良い感じだったからここで撮影した、というだけっぽいけど。
この調子で Alexandra Road Estate のすてきな写真だけで4ページ埋められますが、ほかにもぜひ見てもらいたいびっくりロンドン団地があるので、次に行きます。
次はこれです!
バルフロン・タワー!
次は "Balfron Tower" という、名前の通りすごくタワーな団地。場所は
ここ。
これもほんとうにかっこよくて!
すごーい!
なんですかこのかっこいいエレベーター タワーは! 窓の並びもなんだかちょうすてきだし!
遠くから見ても、どうかしてる存在感。駅から歩いて行ったんだけど、向こうにこの威容が見えたときは「うおおおお!」って声が出ちゃった。
裏側。ほれぼれ。日本にもほしい。
今見返してもうっとりだ。今すぐ再びロンドンに行きたい。
設計はエルノ・ゴールドフィンガー という 、これまたかっこいい名前の方。1967年に完成。高さ84メートル。いわゆるブルータリズムといわれる建築だ。
こんなにかっこいいのに海外からの観光客で賑わう、とかそういうこともなく。もったいない。でも調べたらちゃんとイギリスの文化財として登録されている。「第2級指定建造物」として。
この Balfron Tower の隣には同じシリーズの団地が2つある。これらがまたかわいい。
こちらは "Carradale House" という棟。後ろがBalfron Tower 。どうやら渡り廊下でエレベーター棟とつなぐのが好きみたい。
そしてこちらも。かわいいけどたくましい!
タワー上部のこのこれとかすごくすてき!
団地マニアで本当によかった、と思った。至福である。
この団地もミュージックビデオに登場する。心当たりのある方もいるのではないか。そう、オアシスの大ヒット曲 "
Morning Glory" だ。
こちらも特に歌の内容とは関係ない。ただかっこいいからロケした、って感じ。しょうがないよね、これだけかっこよければ。
追悼・ザハさん
多くの方にとっては「せっかくロンドン行ったのに団地巡りかよ」ってなものかもしれないが、団地とそれが建つ街に行くとその国のことがよく分かったような気になる。
およそ集合住宅がない都市は存在しない。集まってぎゅっと住む、ということこそ都市の本質で、そこにはどの国にも見られる普遍性と、その国ならではの特殊性が同居している。たぶん。
以前香港に行ったときも
もっぱら団地を見て回ったものだ。
そうそう、あのときは香港理工大学内にあるザハの建築も見た。
そして今回も見に行った。
アクアティクス・センター (Aquatics Centre)という、2012年のロンドンオリンピック・パラリンピックで使われた競技用プール。場所は
ここ。
近づくと、にゅるっとしてておもしろい。
現在は公共水泳施設として使われているとのこと。
残念ながら中に入ることはできなかった。いつか中見てみたいなー。
香港に見に行ったのは2014年で新国立競技場のすったもんだ真っ最中だった。
まさか亡くなるとは思ってなかった。ショックだった。追悼の意を胸にしみじみ見ました。
見る角度でどんどん見え方が変わるので、ぐるぐるまわりを回るはめに。
で、ぐるぐるまわったら、その視線の先には団地が。やはりぼくはここに行き着くのか。
こういう集合住宅もあった。どうかしてる。いい。
裏はこんな。ほんとどうかしてる。
鶏ばかりのロンドン共食いキャラ
さて、団地はもちろんだが、異国で必ず調査しておかねばならないものがもうひとつある。
共食いキャラである。
ぼくのライフワークのひとつは、共食いキャラ観賞である。いままでも何回か
記事にしてきた。
韓国やフランスでも現地調査を行い、世界中に仲間を食えを勧めるなげかわしいキャラがいることを確認してきた。
さて、ロンドンはどうか。
いますね。
なげかわしい。
それにしても鶏ばかり。
やはりロンドンも嘆かわしかった。
ただ興味深いのは鶏の共食いキャラばかりな点。おそらく日本で一番多いのは豚だ。フランスも豚が優勢だった。
Twitterアイコンを一緒に描くと、まるでそちらも共食いキャラかのよう。
イギリスではブタ料理はあまり一般的ではないのだろうか。イスラム教の方々が多いからだろうか。
イギリス料理と言えばフィッシュ・アンド・チップス。フィッシュの共食いキャラがいたらおもしろいのになー、と思っていたら!
いた!
いた! といろめきたったが、この魚はフィッシュ・アンド・チップスの魚だろうか。たしか鱈だよね、フィッシュ・アンド・チップスの魚って。金魚にしか見えないんだけどこれ。
デイリー記事の呪い
というように、団地以外も見ることは見た。ただ、やはりデイリーポータルZでいちど記事にしたテーマを追いかけてしまう。観光地は後回しになる。これはデイリーの呪いだ。
吹き抜けを愛でたり。これは有名老舗百貨店 LIBERTY の吹き抜け。木製吹き抜けははじめてだ! ちなみにこの建築も第2種指定建造物 に指定されている。文化財的には団地と LIBERTY は同等なのだな!
本場のイングリッシュなガーデンでもこびと置いちゃうんだ! ってちょっと嬉しくなった。ここは13人ぐらいいた。
ロンドンで一番お勧めの団地
話を団地に戻そう。
今回のロンドン旅行の最大のお目当て "Trellick Tower" という団地を最後にご覧ください。
おお、すごい!
さきほどの Balfron Tower に似ている。それもそのはず設計は同じ エルノ・ゴールドフィンガー 。場所は
ここ。
1972年竣工、高さ98メートル! ぼくと同い年だ。ぼくも大きな人間になりたい。
どう考えてもこのタワー、おかしいし、かっこいい。
周辺に高い建物は全然なくて、その目立ちっぷりが異常。
エントランスはロックされているのだが、ついていったら入れるぞ! っていう瞬間がけっこうあった。ぐっとこらえた。
一時期、治安の悪さで有名だったそうだが、ぼくが行ったときの感じでは良い雰囲気の街だった。また行きたい。次回はちゃんと取材として中も見せてもらおうと思う。
ホテルでテレビつけたら「安くてクールな住宅特集」といった感じの番組やってて、まさにこのTrellick Tower が紹介されてた。びっくりした。
やはりロンドン名物としての地位を確立している(あるいはしつつある)のだな、とうれしくなった。
それにしても団地の模型がグッズとして売られてるってすごい。日本で言えば高島平団地の模型が売られてる、ってことだよね。さすがイギリスだ。
次回は中へ!
はじめてのイギリス旅行、今回は下調べだと思っている。次回は何らかの方法でちゃんと中も見てみよう。なんなら1ヶ月ぐらい住んでみよう。
日本でも団地の側面に絵が描かれますが、こんな大胆なものは見たことがない。イギリスやばい。