特集 2016年3月5日

2月の記事ベスト5&「超熟に魅入られた男のストーリー」

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3月です!編集部 石川です。卒業シーズンですね。小学校、中学校、高校、大学、この支配。みなさんは今年は何から卒業するつもりですか?僕は日ごろの運動不足から卒業したいですが、この一年一切の運動をせず、まだ一単位も取れてないのでダメでしょうね。
みなさんは今年は何を留年するつもりですか?

というわけで今日は総集編。おのおの今年度がんばらなかったことを胸に、3月の記事を振り返ってみましょう!


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まずはアクセス数ランキングです。
エアコン配管、古い記憶メディアと、日常生活の中の隙間みたいな部分が急にうなりを上げて疾走するランキングとなりました。
エアコンと室外機とを結ぶ配管「エアコン配管」のディープな世界をお届けしたい。
淘汰されたメディアを、メーカーが廃盤にした後もなお流通させ続けている会社がある。
山賊と呼ばれているレストランは真っ暗な山のなかに突然あらわれる異世界だった。
暖房でありながら料理も作れる、灯油ストーブのある生活を堪能しています。
麹の力で餅のデンプンを糖に。餅は甘酒になる。

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続いてSNSのシェア数ランキング。
なんとガラッと首位交代、きのうまでのでかいもの特集に呼応してか、ジンベエザメがトップに躍り出ます。2位は一転して手先の細かい記事でしたよ。
石川県、のとじま水族館の期間限定企画。その名も「こたつde水族館」である。
キーボードに無駄に空いてる土地がある。有効活用する方法はないだろうか。
北九州のうどん屋チェーン「資さんうどん」。その魅力をあますところなくお伝えします。
淘汰されたメディアを、メーカーが廃盤にした後もなお流通させ続けている会社がある。
山賊と呼ばれているレストランは真っ暗な山のなかに突然あらわれる異世界だった。
次はライター北村真一さんへのインタビューです。
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食パンの袋には商品名がものによっては19か所も書いてある。俺の食パン袋を作った。
古賀「2月の北村真一さんといえば『食パン『超熟』の自己顕示欲を我がものとする』でしたが、これすごかったですね。中盤からの急展開が肝なんですが、入り口の食パンのパッケージってこんなになってたんだ! というのがまず驚きでした」」
食パンのパッケージに商品名が書いてありすぎるという気づき。知らなかった!
食パンのパッケージに商品名が書いてありすぎるという気づき。知らなかった!
北村「去年ぐらいからよくスーパーで買い物するようになったのですが、値引きのシールの貼ってある食パンを買おうと思ったんです。

で、消費期限を見たいなと思って食パンをくるくるしていたら、色んな面に『超熟』と書いてありまして、『超熟』は分かったから消費期限を!って思ったのがきっかけだと思います」

古賀「うわー、そうでしたか。これ実はほんっとうに私くやしくて。袋入りの食パンがモノとしてすごく好きなんです。なのに何で気づかなかったのかと。

裏面とか上のひらひらの部分とかすごいですよね。ここまで身近なものにまだ自分のしらぬ文化みたいなものがひそんでいたとは。

裏面の、印刷写るかもしれないから気をつけろよ(でも裏面にも刷るからな)ってすごいですよね」
リスクを負ってまでの底面への商品名プリント。こんなことになっていたとは。
リスクを負ってまでの底面への商品名プリント。こんなことになっていたとは。
北村「あれね、なんなんですかね笑。屋内で上着着て暑い暑い言ってる人と同じ」

古賀「じゃあ脱げよ!っていう」

北村「なんか脱がないんですよね」

古賀「で、この食パンの変態性を観察するだけで終わってないのがこの記事なんですよね。パッケージを自分仕様にカスタマイズする後半へのただの布石という。

でも、わざわざ名前をカウントして商品名のプリントの数が多かったのは『匠の逸品』なのに、北村さんが次の展開に持ち込むのは『超熟』なんですよね。

なんのために数えたんだ!? ってがくーってなったんですが」
数が多かったのは『匠の逸品』だった
数が多かったのは『匠の逸品』だった
北村「そうですね、いっぱいあるのでとりあえず数えてみたのですが、『なんだよ、そんなアピールしてくんなよ』という感じが一番強かったのが超熟でした…。超熟って名前もなんか面白いし。

食パンって『ふわふわ』とか『もちもち』とか思わせたい商品だと思うんですが、そこに『超』『熟』なので、強そうすぎる感じがして」

古賀「超熟ってCMだと思いっきりクウネルっぽいというか、ていねいな暮らしっぽく売ってるんですよね(こちら)。かつては映画『かもめ食堂』をモチーフにしたCMも作ってました。

でも冷静に商品名みたら『超』で『熟』。こいつ柔道5段は持ってる」

北村「有段者ですね超熟! 『一斤!』」

古賀「『一斤!』

『一本!』ならぬ」

北村「師匠の肩車で喜ぶ超熟。

これレスリングか。

アニマル超熟でした」

古賀「柔道じゃ有段者だし、レスリングもタイトル保持者ですわ。超熟」

北村「そのうちK1とかに出る流れでしょうか。

そう言えば、パン界でも何かでNo. 1になってました、超熟」

古賀食パンシェアナンバーワンだそうです

まじか、やっぱ強いんだ、超熟。師匠の肩車で超熟大喜びじゃないですかこれ」

北村「アニマルさんの肩で喜ぶ超熟」

古賀「そしてむせび泣き声援を送るわれわれ…」

北村「超熟が帰国したら、オープンカーから手を振る超熟に紙ふぶきを投げましょう」

古賀「凱旋パレードだ。おめでとう超熟。そしてありがとう!

……。

北村さんが超熟を選んだわけ、重々分かりました。

で、じゃあそんな強そうな超熟を、かぶろう! となったのはほんと、なぜなんですか」
まさかの、超熟を見習って、かぶる、という展開
まさかの、超熟を見習って、かぶる、という展開
北村「そんな超熟に比べて自分はだらしないなあと思ったからでしょうか…」

古賀「……?」

北村「安住アナウンサーのラジオを最近よくきくのですが、安住さんも、紅葉に比べて自分はエンターテイメント性が劣るとこぼしていました。

そういうことだと思います」

古賀「なるほど…」

北村「『皆さんは、今シーズンの紅葉、ごらんになったでしょうか。ご自分と比べてみてください。』でその話しめるんです」

古賀「ちょっと桜餅食べてお茶飲んでいいですか。

うん、なんとなく分かりました。

そしてそこからの展開はもう工作もパロディもうまいので完全に引き込まれました」

北村「うまくいってよかったです」

古賀「ここでまた超熟側に話が戻るんですけれども、超熟本体もやっぱりパッケージおかしいんですよ。コピーの『もっちり、しっとり。おいしさの鍵は超熟製法。素材にこだわり、余計なものはいれない。』この最後の『余計なものはいれない。』の断言具合とかなんかへんで。

そこを北村さんがまたうまく無害に茶化しているというか」
ほんもの
ほんもの
北村バージョン
北村バージョン
北村「恥ずかしさもありつつ楽しかったです
パッケージ風の面に『北村』ってでっかく書くの、けっこう照れくさいですね
でもそこは自己顕示しなければいけないので」

古賀「最後の最後は自己顕示欲とかじゃなくて、かぶるのが上手になって終わるんですよね。そこがまたリアルでした。撮影ってやってるうちになんかへんな技量伸びるんですよね」

北村「そうですね笑 やっぱり手を使わないでかぶってる写真の方がなんだかいいですね。

気に入ったので、スマホのロックの画面にしました」
北村さんから送られてきたスマホのロック画面
北村さんから送られてきたスマホのロック画面
古賀「超熟に魅入られた男のストーリーですな」
続きまして、ライター乙幡啓子さんへのインタビューです。
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駅のホームをつなぐ跨線橋で牡蠣が食べられるらしい。行ってみたらとんでもなかった。
石川「おはようございます!総集編の対談なんですけど、その前に今日の原稿いかがでしょうか…」

乙幡「あと10分で!」

石川「じゃあ原稿優先でお願いします!!!」

(30分後)

乙幡「終えました、遅くなってすみません!」

石川「ありがとうございます!入稿きました!
後ほど確認させていただくということで、まずは対談お願いします」
牡蠣も見てほしいけど乙幡さんの顔も見てほしい、この記事
牡蠣も見てほしいけど乙幡さんの顔も見てほしい、この記事
石川「テレビで見て行ってみたくなった、っていう始まり方からまず良いですよねこれ」

乙幡「そうですか。すごく行ってみたかったんですがテレビ紹介済みということで古賀さんに相談したら、すごく反応が良かったんで。
テレビ見てないって人も確かにいっぱいいますよね」

石川「その時点でもう特ダネ欲とかゼロじゃないですか。ただ行って食べてみたいというパッションだけ」

乙幡「特ダネ力(りょく)私あんまし無いので(致命的)」

石川「メディアとしての欲でなく個人としての欲ですよ。 乙幡としての。

正直なところ、牡蠣とのと鉄道どっちにグッと来てました?行く前の時点で」

乙幡「いや、両方です・・・と言いたいところですが『ホームで』という、あらぬところで、というのが一番だったんで、やっぱ鉄道になるかな。

いまや『あらぬところで飲む』も一般化してきましたが(牛丼屋とか)ホームで来るとは、ここにきわまれりで」

石川「ホームで、といえばこないだパブの記事もありましたけど、牡蠣って輪をかけてすごいですよね。飲み食いだけじゃなくて焼くフェーズがあるから。火を焚いてる」

乙幡「実は事前に話したとき、私も古賀さんも牡蠣はそんなに・・・って感じだったんです」

石川「そうなのか。でも僕も焼き牡蠣って経験がないんですよ。 醍醐味っていうか、一番テンション上がる瞬間いつですか?」

乙幡「『中がどうなってるかわからん』というのがすごかったです。焼き牡蠣は」

石川「隠されてるんですね。焼肉と違って」

乙幡「そうそう。で、ほたてとかともまた違って、牡蠣は間違うとどうなるかわからんという威圧感が殻にある」

石川「あはは、爆発するって書いてあるし」

乙幡「あんな痛そうなもんが爆発したらやばいじゃないですか」

石川「絶対薄い破片になって粉々に飛び散りますよね、散弾的に」

乙幡「そうそう、雲母みたいなのが空中を舞うことになる。
そのワーキャー度合いがまた吊り橋効果を生むというか」
「焼け過ぎた殻は破裂することがある」
「焼け過ぎた殻は破裂することがある」
石川「あ、これまだ3月もやってるんですね。3月21日までって書いてある」

乙幡「!!! あそこでまだあんな宴が催されているかと思うと・・・」

石川「こうしている間にもですよ。ちょっと落ち着かないですね。考えただけで」

乙幡「社長をはじめ、役職のある方々がサーブしてるかと思うと・・・

お客の皆さんの健闘を、遥か遠い空の下から祈りたくなりますね」

石川「けっこう長期にわたってサーブしてるんですね、社長」

乙幡「頭が下がります。それでものと鉄道に乗ってもらいたい!と」

石川「いやこれ牡蠣もいいんですけど、牡蠣の前にのと鉄道の魅力でまるっと1ページ使ってるじゃないですか」

乙幡「いつも1ページ目は鉄道で消費してすいません^^」

石川「そうか、いつもか。
これイルカの写真が回ってくるのすごくいいですよね。まわってくるって」

乙幡「そう、あれ。普通の、写真屋さんでもらうぺらぺらのアルバムが回ってきた。
同窓会のツアーとかじゃないんだから」

石川「あはは、それがすごくいい。パネルとかパンフレットじゃないんですよね」

乙幡「そんなほっこりムードを古賀さんがうちやぶった。『ネッシーみたい』」

石川「でも確かにネッシーっぽい。
あのネッシーぽさは普通の写真だからですよ。個人撮影感がネッシーを増幅している」
電車内で回ってきたイルカの写真
電車内で回ってきたイルカの写真
石川「パブ、牡蠣ときましたが次はホームで何したいですか?」

乙幡「そうですね、こたつには入ってきたし・・・(※3/16の記事です)
花見がしたいですね。

夏はオールナイトで飲むとか。そのまま始発で帰る」

石川「そうか、始発直結はすばらしい。終電も『逃す』っていうより『見送る』になりそうですね」

乙幡「おお、終電を見送る飲み会。武士みたいですな。高楊枝過ぎる」

石川「普通に終電見送るだけで面白いかもしれないですね。新宿駅に遅い時間に行って各線の終電を見送る」

乙幡「いいですね。その心もとないような、勇壮なような。それしましょう。あたたかくなったら!」

石川「やりましょう!」

乙幡「すごいですね、あたたかくなったら海に行こうとか東北に旅にとかじゃなくて『終電を片っ端から逃しに行こう』。馬鹿ですね」

石川「春感ゼロ」

乙幡「まるでバカ。なのでぜひやりましょう」

石川「最後に、次回予告的な感じで今後の予定を教えていただけますか?さっきちょっと出ましたがこたつの話とか」

乙幡「そうです。実はもう多分その頃にはしまっちゃってると思うんですが、例のことでんのホームのパブがこたつを出しちゃっててあたりにだけ行ってきました、という記事です。往復交通費使って」

石川「しかも2回目!よく編集部OKが出ましたね(※←自分で出した)」
先月の乙幡さんのもう1本の記事もこたつ、「こたつに入ってジンベエザメを鑑賞」
先月の乙幡さんのもう1本の記事もこたつ、「こたつに入ってジンベエザメを鑑賞」
石川「水族館もですけどこたつはいいですね。どこにおいても変だし。中央分離帯とかにこたつおいてくつろぎたいです」

乙幡「それくつろげないです」

石川「一蹴だ。工作のほうはどんなのですか?」

乙幡「ずっと言い続けてる『タンカー舟盛り』とか。

あと餃子関係でまたいっちょやったろかと」

石川「お。餃子で一旗揚げましたからね、昨年は。(※雑貨大賞・あそび雑貨部門賞受賞)」

乙幡「揚げ餃子だ」

石川「はい」

乙幡「すいません返答に困ることを」

石川「年1くらいで餃子出るといいですね」

乙幡「やっぱり餃子はいいですね。これ締めになるのか?」

石川「無理やり締めましょうか。

読者の皆様、これからも餃子と乙幡さんをよろしくお願いします」

乙幡「乙幡餃子です。よろしくお願いいたします」

お知らせと今後の予定

今月はイベントが2つ!
まずはハイタッチマラソン。1分間のハイタッチ回数のギネス記録に挑戦します!記録のために皆様の協力が必要です。ぜひ3/13は江戸川陸上競技場へ、なにとぞ!! 大阪でイベントがあります!グランフロント大阪の「うめきたフェスティバル2016」にて、テクノ手芸部と一緒にデカ顔ワークショップを開催。3/26-27、4/1-3の5日間です。

それから忘れちゃいけない4/1はエイプリルフール。2/29のイカの日がエイプリルフールみたいだったのでうっかり満足しかけた編集部一同ですが、本物のエイプリルフールにもたぶん何かあるはずです(まだ考えてない)。

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それでは、また来月!
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