家庭で簡単に出来る餅の液体化
餅を飲み物にするのは簡単です。使う道具は鍋と炊飯器。あと、餅を切り分ける包丁など。
冷凍してあったので霜がついていますが、焼けば普通に食べられます。しかし、今回は飲み物にします。
飲み物にする餅は作りやすい量で400gほど用意しました。
冷凍状態だと硬くて切り分けられないので、水に濡らして1分ほど電子レンジに入れると切りやすくなります。
まずサイコロ状に切り分けて鍋に入れます。そこに400mlほどの水を入れて弱火で煮ます。
切り分けないでも出来ますが、煮るのに時間がかかります。
やがて餅が柔らかくなってくるので、箸などで全体をかき混ぜます。
この時点で水を足しても大丈夫。
餅が溶けて液状になったら煮るのは終了。この状態でも飲むことは一応出来ます。ただ、溶けただけの餅なので、残念な味であると共にまだ喉に詰まるような粘りがある為、この時点では飲み物とは言えません。
60度あたりをキープするのが重要。
煮て溶けた餅は炊飯器の釜に移して60度以下に冷まします。冷めたら炊飯器にセットして保温機能を使って温度を保ちます。
麹が餅を飲み物に変える
ここまでやったところで、何を作るか察しのついた方も多いのではないでしょうか。次の工程でこちらを投入します。
塩麹や味噌つくりなど色々お世話になっています。
麹です。麹の力で餅のデンプンを糖に変えてしまいます。餅を甘酒にするわけです。
こうすれば餅を飲み物として消費出来ます。
乾燥麹は袋に入れたままほぐしましょう。飛び散らなくていい。
入れる麹の量は餅と同量。400g使います。ほぐした乾燥麹を溶けた餅の中へ。
麹菌、任せたぞ。
この時に乾燥麹がかなり水分を吸収するので、更に400mlほど水を足します。
鍋ごと毛布で包んでコタツの中に入れるなんて保温方法もあります。
炊飯器は保温状態のままフタは閉めず、ホコリが入らないように布巾をかぶせて60度ぐらいに保温し続けます。
保温中は時々かき混ぜ、温度を確認して上がり過ぎていたら保温を一度解除し、温度を下げてから再び保温を開始します。大切なのは60度ぐらいを保つこと。
約2リットルの甘酒が出来ます。
こうして6~8時間程度保温を続けると、粘りがあった溶けた餅がサラサラと液状になり、甘味が増して飲めるようになります。甘酒の完成です。
餅が飲み物(甘酒)になりました。
味は蒸した餅米から作る甘酒と変わりません。温めて、冷やして、生姜を入れて。普通の甘酒と同様に飲めます。
もちろん、酒粕から作った甘酒とは異なり、アルコールは全く含まれていません。甘く、美味しく、お子様でも問題なく飲めます。
うまいね!アミノ酸もタップリ。栄養補給にも最適です。
甘酒にしてしまえば、様々な料理に使えるので、一度に大量に消費することが出来ます。以前こんな記事で各種甘酒料理を紹介しています。
土用の丑の日には甘酒料理を食べよう
餅の消費に困ったら甘酒に。使い方の幅が広がり消費が早まります。まだ眠っている在庫があれば是非試してください。オススメです。
甘酒を大量に飲めるようにする
今回のように発酵させて作る甘酒は、アルコールが含まれず子供でも安心して飲める甘酒です。しかし、甘酒独特な香りや風味があまり得意でないという方や、甘酒ばかりガブガブ飲めないという方もいるでしょう。
オレンジジュースなど果汁で割るなんて飲み方もありますが、ここはひとつ大人な飲み方で大量消費を狙います。それがこちら。
水1リットル飲めないが、酒なら1リットル飲める人、手を挙げて!はい、はい、あー沢山いますねー。
甘酒の日本酒割りです。作り方は甘酒1に対して日本酒を2~2.5ほど入れまず。
そこにソーダ水を適量入れてよくかき混ぜれば出来上がり。
大きいグラスに氷を入れて飲むのも良い。リキッドレモンを少量入れて酸味を追加するのもいいです。
出来上がった甘酒の日本酒割りは微発泡の濁り酒のような味になります。低アルコールで甘く爽やか。スッキリとして飲みやすい味わいです。
うまいね。こういう日本酒の飲み方もアリですよ。
もちろん低アルコールとはいえ、通常の日本酒の半分程度のアルコール度数(7、8度)はあるはずなので、飲めばしっかり酔います。飲み過ぎには注意してください。
他の酒だとどうだろう?
甘酒の日本酒割りをオススメしたところで、続いて日本酒以外の酒類についてもやってみます。以下の4種類の酒で試してみました。
オレンジピールの香り爽やか。白ビール。
レモンなど果物との相性は良し。むぎ焼酎。
元がブドウ果汁なので恐らく合うだろう。白ワイン。
割ってもアルコール度数はかなりキツイ。ウイスキー
白ビール以外は割る時にソーダ水を足しました。結果として、酒なら何でもいい訳ではないという当たり前な結果でした。
写真をクリックしてお好きなところから。または1つずつ順にどうぞ。
コンビニで入手できる水曜日のネコ。ヒューガルデンホワイトよりお手軽。
通常のビールだと苦みがあり、あまり甘酒に合わないのではと考え白ビールで割ってみました。小麦が入り、スパイスにオレンジピール、コリアンダーが使われている爽やかな風味のビールです。
甘酒1に対して3ぐらいの白ビールで割っています。
まあまあかな。麦の味がちょっとね。
甘酒の白ビール割りはオレンジピールの爽やかな風味が甘酒の甘味と合い、割とイケます。爽やかオレンジ風味の甘酒です。
ただ、麦の風味が前に出て甘酒の香りとぶつかるので、その点を嫌う人もいるでしょう。好みが大きく分かれそうな味です。
いいちこはクセが少なくレモン、グレープフルーツ、お茶など色々なものと合わせられる。甘酒とはどうだ。
焼酎はクセの少ないむぎ焼酎を使用。ソーダも使います。甘酒1に対して焼酎が2ぐらい。ソーダ水は適量で。
うーん……クセが強いねえ。
甘酒の焼酎割りはアルコール感が強く、甘酒の麹の香りが強まってかなりクセがあります。喉にひっかかるような味がツラいので、レモンなど果汁を少し足せば飲みやすくなるかもしれません。
とりあえず、何か体に良さそうな物が入った酒ぐらいの感じで飲めるかもしれません。
これは問題なく美味しいだろう。
甘酒の白ワイン割りは、甘酒1に対して白ワインが2ぐらい。ソーダは適量で。
ああ、これはうまいね。
甘酒の白ワイン割りはブドウの甘味の中に米の甘味を感じ、爽やかで甘酸っぱくとても飲みやすい。ソーダを入れず、氷でキンキンに冷やしてもいいかもしれません。
夏の暑い日にも良さそうです。赤ワインでもライトなものなら合いそうです。甘酒の白ワイン割り、オススメです。
甘酒のウイスキー割り
最後は甘酒のウイスキー割り。
色が危険だ。
甘酒のウイスキー割りは、甘酒1に対してウイスキーが1.5ぐらい。ソーダは適量入れました。
こりゃキツイな。
甘酒のウイスキー割りは、ウイスキーの香りで甘酒の味も香りもあまり感じません。かなりキツイ味です。ストレートで飲むよりもややマイルドか?と思える程度で、あまりいいところが見つかりません。
ウイスキーのソーダ割りなら美味しいですが、甘酒は入れない方がいいです。
甘酒ならば保存もしやすい
餅を飲み物に変えるということで甘酒にしましたが、甘酒も割と多い量が出来てしまいます。使い方が増える、酒で割って大量に飲むということは出来るようにはなるものの、一度に大量消費となるとやはり難しいと思います。
甘酒は出来上がった時点で一度加熱すれば発酵が止まるので、数日は冷蔵庫で保存できます。加熱せず菌が生きたまま保存したい場合は冷凍すれば1ヶ月ぐらい保存できます。
1日お猪口で1杯程度甘酒を飲むだけでも胃腸などの調子がよくなるそうなので、わざわざ買ってこなくても、余った餅と麹で大量に作り冷凍して消費するのもいいです。酒で割る飲み方は別の健康問題が出る場合がありますけどね。
保存袋に入れて板状に冷凍すると必要な分ずつ割りながら消費出来て便利です。