特集 2013年6月21日

鉄塔のトンネルを見に行った

まるでトンネルのような鉄塔・テットンネル
まるでトンネルのような鉄塔・テットンネル
上の景色、どうですか!すごいよねえ。

今回は、以前書いた記事を読んだ方から教えてもらった場所へ赴いた顛末をお送りしよう。脱線に次ぐ脱線。どうして知らない街はこんなに楽しいのか。無事目的地にたどり着けるか?
もっぱら工場とか団地とかジャンクションを愛でています。著書に「工場萌え」「団地の見究」「ジャンクション」など。(動画インタビュー

前の記事:昼の写真と夜の写真を一枚に

> 個人サイト 住宅都市整理公団

みんなに教えてもらったので見に行く

鉄塔を避けて道路が敷かれた結果、鉄塔を中心としたラウンドアバウトのようになっている事例を愛でた。
鉄塔を避けて道路が敷かれた結果、鉄塔を中心としたラウンドアバウトのようになっている事例を愛でた。
以前「鉄塔が御神木のようになっている」という記事を書いた。

鉄塔の位置を変えるのはとてもたいへんなので、住宅開発は鉄塔を避けるようにして計画される。その結果、まるで神聖な御神木のような存在感でもってすっくと立っている鉄塔・名付けて「鉄塔ラウンドアバウト」、略して「鉄ラ」を見て回った顛末だ。楽しかった。

うれしいことに記事を見たみなさんから「ここにもあるよ」という情報を多数頂いた。ネットって素晴らしい。
教えてもらった「鉄ラ」情報と、鉄塔に関連したおもしろい道路などをマップにした(大きな地図で表示
こんなにあるのか!しかもこれで全部じゃないだろう。まだまだ世界にはたくさんの鉄ラがぼくを待っているはずだ。

とりあえず行けるところから行ってみよう!
ということで、まず向かったのは兵庫県宝塚のこの「鉄ラ」。かっこいいい!(大きな画像はこちラ)
ということで、まず向かったのは兵庫県宝塚のこの「鉄ラ」。かっこいいい!(大きな画像はこちラ
航空写真で見るとこんな。見事に道路がラウンドしている(大きな地図で表示
いやー、福知山線ってはじめて乗ったよ。そしてこの鉄ラ最寄りの中山寺駅周辺って、かなりぼく好みのなんてことない典型的な郊外の住宅街でぐっときた。この鉄ラまでの道中も楽しかった。こんなことでもなければこの駅で降りることはなかっただろう。ありがとう、鉄ラ。
鉄ラまでの道中。畑+住宅街、そしてその中に唐突に顔を出す打ちっぱなし。ぼくは打ちっぱなし鑑賞家でもあるので、かなり惹かれた。ここに住んでもいい。すてきだ。ぐっとくる。(大きな画像はこちラ)
鉄ラまでの道中。畑+住宅街、そしてその中に唐突に顔を出す打ちっぱなし。ぼくは打ちっぱなし鑑賞家でもあるので、かなり惹かれた。ここに住んでもいい。すてきだ。ぐっとくる。(大きな画像はこちラ
水路で行き止まりの住宅街路地。そこにかけられた「マイ橋」。ガードレールで阻まれている点がいとおしい。側溝に使われるコの字型コンクリートで重しがしてある点もキュート。
水路で行き止まりの住宅街路地。そこにかけられた「マイ橋」。ガードレールで阻まれている点がいとおしい。側溝に使われるコの字型コンクリートで重しがしてある点もキュート。
そろそろ向こうに目指す鉄塔が見える、そんな場所にあった公園。
そろそろ向こうに目指す鉄塔が見える、そんな場所にあった公園。
どうやって遊ぶのか分からないライド。いや、子供心をもってすれば何百何千という遊び方が思い浮かぶのだろう。ぼくも大人になってしまった。
どうやって遊ぶのか分からないライド。いや、子供心をもってすれば何百何千という遊び方が思い浮かぶのだろう。ぼくも大人になってしまった。
とはいえ、やっぱりどうやって遊ぶのか。
とはいえ、やっぱりどうやって遊ぶのか。
これまた意欲的な造形の遊具だ。なんだろうこれ。上のライド群から見るに、海産物シリーズの一環なのだろう。あれか、ナマコか。
これまた意欲的な造形の遊具だ。なんだろうこれ。上のライド群から見るに、海産物シリーズの一環なのだろう。あれか、ナマコか。
ナマコ内部。これは楽しそう!
ナマコ内部。これは楽しそう!
せっかくなので記念写真を。こんど本を出す時はこれを「著者近影」にしよう。
せっかくなので記念写真を。こんど本を出す時はこれを「著者近影」にしよう。
こうやってみると、かなり浮かれている。楽しかったんだろうな、ぼく。
そうやってうきうきしながら辿り着いたのが、この鉄ラというわけ。この見事なラウンドは「宝塚の宝」と言ってもいいと思う。宝。(大きな画像はこちら</a>)
そうやってうきうきしながら辿り着いたのが、この鉄ラというわけ。この見事なラウンドは「宝塚の宝」と言ってもいいと思う。宝。(大きな画像はこちら
もちろん鉄塔なのでずっとむこうに続いているのだが「鉄ラ」になっているのはこの一本だけ。貴重だ。
もちろん鉄塔なのでずっとむこうに続いているのだが「鉄ラ」になっているのはこの一本だけ。貴重だ。
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浮かれている場合ではない

なんで知らない街を歩くのってこんなに楽しいのかしら。一生こうやって散歩だけして生きていきたい。

しかし、寄り道している場合ではない。今日中に東京に帰らなければならないのだ。まだまだたずねなければならない鉄ラがある。

次はさらに西へ。東海道本線に乗り換えて、東加古川に行かなくてはならない。
目指すはこのなんとも魅力的な道筋の真ん中にある鉄ラ(大きな地図で表示
ここもいかにも郊外の駅って感じでぐっとくる。なんでぼくはこういうなんてことない街が大好きなのか。
ここもいかにも郊外の駅って感じでぐっとくる。なんでぼくはこういうなんてことない街が大好きなのか。
目的の鉄ラは駅から2kmあまり。そしてまたこの道中が楽しかった。

特に水路とそこに架けられた小さい橋がキュートだった。
こういう名もなき橋。かわいい。でっぷりとしたコンクリート感、やんわりとしたアーチっぷりがたまらない。レインボーブリッジなんかよりよっぽどすてきだと思う。どっちかくれるって言われたら断然こっちもらう。
こういう名もなき橋。かわいい。でっぷりとしたコンクリート感、やんわりとしたアーチっぷりがたまらない。レインボーブリッジなんかよりよっぽどすてきだと思う。どっちかくれるって言われたら断然こっちもらう。
この橋もいい!宝塚のマイ橋と同様、ガードレールに阻まれちゃってるのぐっとくる。
この橋もいい!宝塚のマイ橋と同様、ガードレールに阻まれちゃってるのぐっとくる。
きっと昔は使われていたが今はもう、っていうものなんだろう。なんなら持って帰るけど?
きっと昔は使われていたが今はもう、っていうものなんだろう。なんなら持って帰るけど?
こうやって水上が置き場になっていたりもして。ぐっとくる。
こうやって水上が置き場になっていたりもして。ぐっとくる。
実はこうやって水にまつわるすてき物件が多いのもお土地柄なのだ。このあたり、日本有数の溜め池地帯でして。
ここらへんは溜め池だらけ!(大きな地図で表示
なんでこんなに溜め池だらけなのか。近畿農政局のウェブサイトによると、
広大な印南野台地では、小さな川が散在しているだけで、川らしい川はみられません。きわめて水の便が悪い地域でした。豊富な水量を持つ加古川は、台地の西を流れているため、簡単に水を引くことはできません。 台地の東や北から水を引こうとすれば、トンネルで導水する必要があるため、この地域の新田開発は、近代までほとんど不可能でした。
とのこと。へー、と思って地形図で見てみると!
確かに北西の加古川と南東の明石側にかこまれた部分が台地の裾野になってて、そこに溜め池が分布している。確かにここに水持ってくるのはたいへんそうだ。(国土地理院「基盤地図情報ダウンロードサービス」のデータをSimpleDEMViewerで表示したものをキャプチャ)
確かに北西の加古川と南東の明石側にかこまれた部分が台地の裾野になってて、そこに溜め池が分布している。確かにここに水持ってくるのはたいへんそうだ。(国土地理院「基盤地図情報ダウンロードサービス」のデータをSimpleDEMViewerで表示したものをキャプチャ)
たぶんこの駅からの道周辺もちょっと前までは田んぼだらけだったんだと思う。だから水路や橋が多いのだろう。

だーかーらー、寄り道している場合ではないのだよ!先を急がねば!
ようやく辿り着いた加古川工業団地。もうネーミングからして心躍りまくり。
ようやく辿り着いた加古川工業団地。もうネーミングからして心躍りまくり。
と思ったら「化粧ブロック展示場」なるものが!
と思ったら「化粧ブロック展示場」なるものが!
各種ブロックが勢揃い!これは楽しい。…ってだから先を急がないと!
各種ブロックが勢揃い!これは楽しい。…ってだから先を急がないと!
誘惑の多い中、見えてきた目指す鉄ラ!
誘惑の多い中、見えてきた目指す鉄ラ!
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2つもあった!

工業団地にふさわしい、堂々たる鉄ラ。うっとり。(大きな画像はこちラ</a>)
工業団地にふさわしい、堂々たる鉄ラ。うっとり。(大きな画像はこちラ
てくてく歩いてきた甲斐があった。見事な鉄ラだ。先ほどの宝塚の住宅街の中に立つ姿もいいが、こういう工業地域の中に立つ姿もすてきだ。しかも見れば送電線が交差している。がんばりやさんの鉄塔だ。

しかも、その先を見てみたら、もうひとつ鉄ラが!
北ひとつ隣の鉄塔の足元もラウンドしてた。
北ひとつ隣の鉄塔の足元もラウンドしてた。
2つも連続であるとは、地図では気がつかなかった。うれしい。

寄り道がアダに

じっくりとラウンドっぷりを味わいところだが、次に行かねばならない。道草を食ったせいで時間がなくなってきている。遅くとも最終の新幹線で帰らなければならないのに。
どうしても行きたいのは、ここ。加古川を越えた向こう(大きな地図で表示
直線距離で4kmあまり。そう遠くはない。と思っていたのが誤りだった。ここらへんの交通事情に詳しい方なら分かると思うが、JRの加古川から、この目的地最寄りの山陽電鉄に乗り換えるのがすごくやっかいなのだ。

しかし、歩くにはちょっとしんどい。しょうがない、バスか、と思いきやバスも本数が少ない。まいった。
!
方に暮れつつも、道中「共食いキャラ</a>」を見つけちゃったり
方に暮れつつも、道中「共食いキャラ」を見つけちゃったり
なんかアンニュイな「歯医者キャラ</a>」をみつけちゃったり
なんかアンニュイな「歯医者キャラ」をみつけちゃったり
ラピュタはほんとうにあったんだ!って見つけちゃったりして、全然先に進まない。困った。
ラピュタはほんとうにあったんだ!って見つけちゃったりして、全然先に進まない。困った。
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「テットンネル」!

そんなこんなでようやく辿り着いたのがこれだ!すごいすごい!
門型の鉄塔が道路の上をずっと!
門型の鉄塔が道路の上をずっと!
そう、どうしても見たかったのは「鉄ラ」ではなく、このトンネルのようになっている鉄塔の列。名付けて「テットンネル」。

これは前回記事を見て @yan_JPN さんが教えてくれたものだ。ありがとう!
ここも住宅と倉庫群とが入り交じった「ザ・郊外」って感じでほんわかした。知らない街とは思えないホーム感。
ここも住宅と倉庫群とが入り交じった「ザ・郊外」って感じでほんわかした。知らない街とは思えないホーム感。
鉄塔の足元はこんなふうに囲われていたりするんだけど、そのまわりが空き地</a>だったりして、なんかすごくぐっとくる。
鉄塔の足元はこんなふうに囲われていたりするんだけど、そのまわりが空き地だったりして、なんかすごくぐっとくる。
そうそう、こういうかっこいいのあった!
そうそう、こういうかっこいいのあった!
思い出したのは、以前「コネタ城」に書いた「かっこいい鉄塔の一点透視が見られる場所」という記事だ。ここも「テットンネル」だ。鉄道だと比較的こういうケースはあるようだ。

そう、ここがすごいのは道路でテットンネル、って点だ。こんなにすごいのにここを通る人も近所に住んでる人も、とくになんとも思ってなさそうな点もおもしろい。奇跡って近所にある。
「かっこいい鉄塔の一点透視が見られる場所」より。西武多摩川線。場所はここ。また見に行きたい。
かっこいい鉄塔の一点透視が見られる場所」より。西武多摩川線。場所はここ。また見に行きたい。
で、今回のこれは道路。ほんとすごいな!
で、今回のこれは道路。ほんとすごいな!

引き続き探していきます

近くに行った際には、みなさんぜひ見てきてください。そして同じようなものあったらまた教えてくださいませ!
そろそろ引き上げなきゃ行けないのに、最後まで歩いてみたくて。これがトンネルの端っこ。ここから先はふつうの鉄塔。
そろそろ引き上げなきゃ行けないのに、最後まで歩いてみたくて。これがトンネルの端っこ。ここから先はふつうの鉄塔。

【告知:デイリーポータルZプレゼンツ「うまくならない写真ワークショップ」】


毎回ミラクルが起きる「うまくならない写真ワークショップ」。またやります!3回セットだと楽しいですが、1回のみの参加でもOKです。さっそく6月22日から。詳しくは→こちら。みなさんお気軽にー。

【告知その2:GPS地上絵やりましょう!】


何回かデイリーポータルZでも記事にしている、GPSロガーを持って街を歩き、それによって絵を描く「GPS地上絵」をまたやります!参加者募集。詳しくは→こちら。ロガー持ってなくてもOK。へんな散歩で楽しいですよ。
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