特集 2012年7月27日

わざと降りる駅を間違えてみると楽しい

浅草橋駅から浅草寺へ。うっかり間違えるとどれぐらいたいへんなのか試してみた。
浅草橋駅から浅草寺へ。うっかり間違えるとどれぐらいたいへんなのか試してみた。
「○○へはこの駅ではありません!」という張り紙をときどき目にする。具体的に言うと、新川崎駅や浅草橋駅や京成津田沼駅だ。

目的地の名称と同じ駅名だったり、本来降りるべき駅の名前に近い名前だったりするために間違う人が多いのだろう。

実際に間違っちゃうとどれぐらいたいへんなのだろう。やってみよう。
もっぱら工場とか団地とかジャンクションを愛でています。著書に「工場萌え」「団地の見究」「ジャンクション」など。

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間違えるのが織り込み済みの駅:「まちがえき」

張り紙が貼られちゃうぐらい間違える人が多いこれらの駅を「まちがえき」と命名した。

ぼくがもっとも印象に残っているまちがえきは、新川崎だ。
「川崎に行くつもりが…間違えた!」
「川崎に行くつもりが…間違えた!」
何の用事だったか忘れたが、以前新川崎駅で降りたら「ここは川崎じゃないよ!」っていう表示があって、面白いなあ、と思ったことがあったのだ。

関東のしかも微妙なエリアの話をされてもなんのことやら、と思うかもしれない。申し訳ない。たぶん関東の方もほとんど知らないと思う、新川崎。のちほど甲子園口の話もするので関西方面の方は少しお待ちいただければ。

で、川崎駅は神奈川県の中でも大きな駅だ。近年駅前再開発が行われ、タワーマンションもどんどん増えている。

一方、新川崎といえば…なんだっけ。
北西にあるのが新川崎駅、南東が川崎駅。その間6キロ。(大きな地図で表示
どんな駅だったっけ?と思いながら人生2度目の新川崎駅。
どんな駅だったっけ?と思いながら人生2度目の新川崎駅。
改札出たところに広がる風景の「間違えた感」がすごい。
改札出たところに広がる風景の「間違えた感」がすごい。
「なんだっけ?」となるのも無理はない、と今回あらためて訪れてみて思った。「茫洋」という表現がしっくり来る駅前だ。そんなに間違う人がいるならいっそ「茫洋駅」にしてもいいぐらい。間違って途方に暮れたお客さんを狙ってか、やけにタクシーがたくさんいるのも印象的だ。

いや、嫌いじゃないぜ、こういう雰囲気。
広大な操車場をまたぐ陸橋の上に改札口がある。ぐっとくる!
広大な操車場をまたぐ陸橋の上に改札口がある。ぐっとくる!
茫洋の秘密は、駅の横が広大な更地である点にある。きけばここはかつて新鶴見操車場という重要な操車場だったらしい。その後ながらく空き地状態だったところがようやく近年開発され始めているという。その面積なんと約42ha。

で、問題の表示

改札を出る前に警告!「当駅から川崎駅まで6キロ離れております」の文章がまぶしい。
改札を出る前に警告!「当駅から川崎駅まで6キロ離れております」の文章がまぶしい。
ぼくがかつて「おもしろいなあ」と思った警告表示はホームから改札出口へ向かう階段のところにあった。

なんというか、容赦ない。まず「6キロ離れております」という表現が泣かせる。つまりこれは「そう気軽に歩ける距離じゃないよ」という意味だ。しかし「歩けないよ」とは書かないところがいい。6キロなんです。あとはあなたの体力次第。そういうことなのだろう。

そして「乗り換えるんなら品川か横浜」。ここらへんの地理に詳しい人なら分かると思うが、これ、絶妙にめんどくさい。そしてその所要時間は25分。めんどくさー!

あと主要目的地の例としてあげられているのが「川崎大師」だというのもいい。確かに大師のメインユーザーに6キロはつらかろう。
改札にある地図でも川崎駅は圏外だ。
改札にある地図でも川崎駅は圏外だ。

いろんな事情がありまして

前出の表示にはなかった裏技が!
前出の表示にはなかった裏技が!
多くの人が間違えてしまうのは「新」だからなんだと思う。隣の駅ぐらいかな、って思うのも無理はない。そしてポイントは品川か横浜で乗り換え、という指示で分かるように川崎駅とは線が違う点だ。同じ線だったらたいして問題ではない。

ともあれ、ここからあえて川崎駅まで行ってみよう。

って、思って歩き始めたら、すぐそばに「鹿島田駅」という駅があった。
茫洋としている割にはやけに大勢の人が…と思ったら、鹿島田駅からの乗り換えだ。
茫洋としている割にはやけに大勢の人が…と思ったら、鹿島田駅からの乗り換えだ。
じっさい、ちょっと歩いたらすぐ鹿島田駅に着いた。ここから南部線に乗れば川崎駅まではすぐだ。
じっさい、ちょっと歩いたらすぐ鹿島田駅に着いた。ここから南部線に乗れば川崎駅まではすぐだ。
なんだ。これでいいじゃないか。あらためて前出の地図見ると、たしかに新川崎のそばに鹿島だという駅があって、そこで乗り換えれば川崎駅はすぐだ。品川や横浜に向かう必要もない。

この乗り換えをお勧めしないのは、たぶん別途料金がかかっちゃうからなんだろう。しかし、この新川崎から鹿島田の距離は武蔵小杉の乗り換えよりは近いのだ(→「漬け物が漬かるくらい乗り換えが遠い」)。しかも武蔵小杉はこの新川崎から一駅だ。

こうやってみると、さっきの警告表示もいろんな事情でああなったんだなあ、としみじみと感じられる。
新川崎と鹿島田は本来乗換駅じゃないよ、という趣旨の注意書きもあった。武蔵小杉がある今、600メートル離れていることは連絡しないことの理由にはならなくなってしまった。どうでる、駅長。
新川崎と鹿島田は本来乗換駅じゃないよ、という趣旨の注意書きもあった。武蔵小杉がある今、600メートル離れていることは連絡しないことの理由にはならなくなってしまった。どうでる、駅長。
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